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答えられなかった1

あの日、君と別れて以来、僕の人生の歯車は狂ったままだよ。

君との出逢いも、君と付き合うことになった時も、君と楽しく過ごした日のことも、君との別れだって僕は鮮明に覚えている。

どこでボタンの掛け違いが起こったのかも分かってる。
あの日の君の問い掛けに僕が答えられなかったからだよね。


未来ミクとは高校生の頃からだから付き合い始めて8年になる。
僕にしてみれば出来過ぎな彼女である。
誰もが振り返るほどのキリッとした美人、肉感的なボディは吸い付くような肌に覆われている。おまけに胸は大き過ぎず小さ過ぎず、手に収まるくらいのジャストサイズで、その張りと弾力は一日中おっぱい山で遊んでいたいと思うほどだ。
それでいて性格もいい。そして積極的。高校時代には生徒会に所属し、それで放送部にいた僕と知り合った。
よくもまぁ僕なんかと付き合ってくれているもんだと思うのだけど、よくよく考えると彼女からのお誘いが始まりなんだよね。
それもストレートに「私と付き合ってください」って。
一瞬冗談かもと思ったけど、こっちに拒否る理由はないから速攻OKした。
それから社会人になった今も付き合いは続いている。
うん、順調そのものだ。

新しい取引先ができ、そちらの社長と打ち合わせすることが多くなった。
今のように携帯電話などない時代だから、必然的に会社へ電話することも多くなる。
会社へ電話すると社長秘書と名乗る女性が取り次いでくれる。彼女の声は優しく穏やかで全てを包んでくれるようだ。どんな人なんだろうと興味津々だったが会社を訪れる機会がなかった。
具体的なものが何一つないまま妄想ばかりが膨らんでたその時、ついにその機会が訪れた。

第一印象は可愛い感じの人だなぁ。
「初めまして三羽と申します。お電話では度々」
「秘書の藤木でございます。皆さまお待ち兼ねですのでどうぞこちらへ」
名刺交換と挨拶を済ませ社長室で打ち合わせだ。

何度目かの社長室訪問の帰り際、秘書の藤木さんに呼び止められた。
「三羽さん、つかぬことを伺いますが、妹の未来ミクの彼氏さん?」
「はぁ? あっそういえば藤木さんと同じ苗字でお姉さんがいるって」
「妹がいつもお世話になっています」
「いやぁ世話になってるのは僕の方といいますか」
「今度お食事でもいかがですか? 妹も一緒に」
「ぜひ。でもこんな美人姉妹と一緒なんて緊張しちゃうな」
「お上手ですこと」

それからは社長室へ行く度に親しく口を聞くようになっていった。
そんなある日。

「三羽さん、次の週末お暇? お誘いしたままで延び延びになっている食事会を私の家で妹も交えてどうかなって思ってるんだけど」
「お姉さん一人暮らしなんですか?」
「職場でお姉さんはヤメてくださらない」
「あっすみません、藤木さんは・・・」
「そうなの、妹には姉妹二人で食事って言ってあるから三羽さんも未来ミクに言わないでね」
「サプライズですね」
「日にちや時間はまた連絡しますね」
「はい、待ってます」
このところ未来ミクとは頻繁に会ってない。お互いの仕事が忙しいのが一番の理由だけど、付き合いが長いからそろそろ結婚なんて話もあり、今のうちにお互い独身を楽しもうということになっている。だからお姉さんと一緒とはいえ食事会はとっても楽しみなんだ。


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