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八尾比丘尼

皆さんは八百比丘尼をご存じですか?
そう、人魚の肉を喰らった尼僧のことで、白比丘尼とも呼ばれています。

ところで、皆さんの記憶の中のこの比丘尼は不死ですか?
それとも一千年の命ですか?
私の記憶では不死の命を授かるのですが、何度となく知り人がいなくなってしまう日常に飽きて、自ら命を絶つというものです。

少し調べてみると、不死ではなく一千年の命を授かり、その場合でも長生きに飽きて、国主に二百年の寿命を譲り、八百年の生涯を閉じたという話もあるようです。
しかし、二百年もの寿命を譲られたはずの国主が長生きしたという話は聞こえてきません。

八百年ほど生きていても、見た目は十七~八歳にしか見えなかったそうですから、人魚の肉の効果は絶大ですね。
年齢は別にしても、見た目が若々しく見えるというのは、興味をひかれる方も多いのではないでしょうか。
今なら相当な高値で取引されるのでしょうね。
また、それにあやかって別の肉を偽る輩や、産地偽装なども起こるかもしれません。

何の制約もなく、ただ人魚の肉を喰らっただけで得た永遠の命。
永遠ではなくとも一千年の命、皆さんは欲しいですか?
私は還暦を少し過ぎた程度の年齢ですが、もう十分だと思っています。
今の人生の十五倍もの長寿なんて考えたくないですね。
今の日本で長生きしても、私に良いことは起こりそうもありませんから。

この比丘尼、福井県小浜市の空印字というところに入定洞があるようです。
三羽 烏

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