見出し画像

トリッパー

1987年に東海大学建学祭で視聴した東海大学漫画研究会が制作したアニメーション映画。今までの東海大学漫画研究会作品の完全な未来世界とは異なり現代を舞台に物語は始まり異世界に召喚され再び現代に戻る話になっています。キャラデザインも今までの東映動画調から大友克洋調(というかそれにインスパイアされた吉田秋生調)のものに代わっています。
ストーリーは、東海大学工学部の黒崎誠が小田急線で通学途中に異世界の聖女に召喚され、そこで勇者マコトとして魔王を倒すよう懇願され、魔王を倒して現世に戻るまでのお話。敵が口紅付けた口元だけ出した頭に蠍の乗ったマスクをかぶっている変態的なコスチュームを着た男の魔王で、東宝怪獣ガイガンみたいな頭をした双頭の怪獣を率いています。
紆余曲折あって、魔王も怪獣も倒したマコトですが、後ろからいきなり聖女に蹴られて地面の裂け目に落ちて現世に戻っていきます。「ありがとう。このご恩は忘れないわ!さようなら勇者マコト!」「こっこのやろう!」。
気がつくと小田急線の中で「東海大学前駅」に到着するところでした。そして乗り合わせた少女からすれ違いざまに「勇者マコト」と声かけられ「白黒付けちゃる!」と少女を追いかけようとするところで物語は終わります。
制作が遅れたのか本編上映前に昨年作られたという東宝特撮風の伊福部昭メロディーの予告編も流されていました。後にマコトを主役にした「東海大漫研は燃えているか?」というアニメが制作されましたが、これは今までの東海大学漫画研究会のカラーセルアニメの宣伝みたいな作品でした。

小田急が鶴巻温泉駅から東海大学前駅まで移動する間の胡蝶の夢
聖女と勇者マコト

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?