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『ご飯食べよる?』~救われたあの一言~


#やさしさを感じた言葉

私は父が大好きでした。

高校生の時も
土曜日は父と待ち合わせをして
大好きな 皿うどんを食べて帰るのが
楽しみでした。

看護学校で寮生活になった時も
夏休みや冬休みに入る前は
母と迎えにきてくれていました。

就職して上京したのちも
東京で結婚を決め、新しい生活を始めた後も

必ず 年に一回は
故郷に帰省していました。

空港で真っ先に目に入るのは
父の姿と優しい目でした。

毎年逢えることが当たり前でした。

まさか あの日が最後だったなんて・・・。

父と逢えない日が来るなんてこと
それまでの私は
想像したことがなかったんです。

そんな 最愛の父が 
私に一言も言わずに
この世からいなくなってしまうなんて・・・・。


父が亡くなって 半年間のことは
私にはあまり記憶がありません。
思い出そうとしても
全く思い出せないんです。

私には
子供も3人いましたし

自宅でピアノ教室を開いて
多くの生徒さんを抱えていましたので

多分
毎日 フル稼働だったと思うのですが
その時
どんなふうに仕事をして
家事をしていたのか

また
子どもたちと どんなふうに過ごしたのかさえ
ほとんど覚えていないのです。


ただ唯一記憶していることといえば
保育園からのお友達からのLINEでした。

あの当時
周りの人は 口を揃えて私に言いました

『元気出してくださいね』
って・・・・。

ただ私にとって
その言葉は

他人事で 社交辞令で
ただただ
冷たい響きにしか聞こえなかったんです。

(あなたは
大切な人を亡くしたことなんてないんでしょう?

あなたに
私の一体何がわかるというの?

何もわかっていないくせに・・・・)


今ではわかります

相手の方は
私に 精一杯の思いやりを持って
あの言葉をかけてくださっていたのだと・・・・

ただ
あの頃の私には
相手の そんな思いを受け止めるだけの
心の余裕がありませんでした。

そんな時
幼馴染から送信された
たった二行の
短いLINEの言葉

今思い出しても泣けてきます

『ご飯食べよる?(ご飯は食べてる?)』
『ちゃんと寝よる?(ちゃんと寝てる?)』

4歳からの付き合いだから

私のことも
父のことも
昔から知っている彼女だからこその

とても温かくて 
私のことを心から心配してくれている言葉だと
私は感じました。


優しさを感じた言葉

そこには

言葉にはしていないから
だけど 当事者だけにわかる
深いメッセージが込められているように感じます。

Rちゃん
ありがとうね。

あの言葉
私 一生忘れない。

あなたに出逢えて
私、本当に幸せだよ。

何気ないひとことは
人をこんな気持ちにさせることができるのです。

ことばの威力
すごいですね


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