笑いの科学

笑いについて調べようと思ったきっかけは漫画を描く上でやっぱりギャグは必要でしょう!と思ったことです(いつか漫画を描きたいw)。人はどんなことを面白いと感じ、そもそもなぜ笑うのか・・・。

どんなジャンルの漫画を描くかによるとは思うのですが、ヒットする漫画には大体ギャグが盛り込まれている(ような気がする)。つまり、面白い漫画を描くにはギャグのセンスが必須ということです!

とは言えギャグのセンスなんてないし、どうすれば笑わせることができるのかわからない・・・。

実はユーモアについて真面目に研究している人たちがいるんです!いやー世界は広いですねー。

【もっと笑うためのユーモア学入門】森下伸也
【「笑い」の解剖 経済学者が解く 50の疑問】中島 隆信

そもそもどんなときに笑いが起きるのか?

まず笑いの定義ですが、大声を上げて腹がよじれるような笑いから、ニコっと笑顔程度までが笑いであり、本質は同じです。
それを踏まえて、以下のように笑いを分類することができます。

◾️身体の変調による笑い(病気など)
◾️作り笑い(まあ、一応定義として)
◾️習慣的な笑い(特に面白いことじゃないけど、癖で笑ってしまうみたいな。)
◾️愉快と感じる笑い←今回話したいこと

大枠としてはこんな感じです。
今回の議題としては「愉快と感じる笑い」だと思います。
愉快と感じる笑いにはさらに、以下のような種類があります。

○感覚レベル 満足(5感による心地よさ、気持ち良さなど)
○感覚レベル カオス(くすぐられる、酔っ払う)
○感情レベル 満足(何か成功するなどして嬉しいなど)
○感情レベル カオス(悔し過ぎて逆に笑ってしまう)
○知性レベル 満足(やっぱりそうかっていう笑い)
○知性レベル カオス(え、どういうことwっていう混乱)

こんな感じです。
これだけ見ても、「あー、はい、はい。」って感じですね。確かに納得はできるんだけど、これで爆笑できるかっていうと少し疑問だと思います。

実はそういった笑いというのは、単体要因では起こりません。上記の要因が複数に重なったときに、ニコっていう単なる笑顔から、大声を上げ、腹を抱え、涙を流し狂ったように笑う爆笑へと繋がるのです。

ユーモアとは図式のズレ

お笑いやギャグなどは上記に分類した「愉快と感じる笑い」の内、「知性レベルのカオス」がそれに当たります。

人は何かに対して、「これはこういうものだ!」という固定観念をもっています。これをそれぞれが持つ「図式」とし、その図式に「ズレ」が生じたときに笑いが起きるようです。この笑いを主にユーモア、ギャグと呼んでいます。

笑いに関するこれまでの研究

笑いについては割と大昔から研究されてきた。
◾️優越理論
対象を見下し優位に立ったときに笑いが起こる。
つまり、誰かが失敗やバカことをしたときに笑いが起きることについて指している。

◾️解放理論(フロイト)
鬱積した心的エネルギーが臨界点に達したときに、それらが笑いとして外部に放出される。
下ネタを笑ってしまうのは、それを口に出してはいけないという鬱積が解放されたからとも。

◾️不一致理論(ボルフ、ショーペンハウエル、カント、サルス)
これは上記のユーモアに値するものですね。

◾️オンデマンド活性化拡散理論(ハーレー、デネット、アダムス)
脳は情報をカテゴリに分類、階層化し、ネットワークを作っているため、その構造から食い違いが発生すると構造の作り直しすることになる。それが笑いとなる。らしい。

◾️無害な逸脱理論(マグロウ)
正しくない、不安、危険な状態(→逸脱)であるのと同時に、それが無害であると判断できたときに笑いが発生する。

◾️こわばり理論(ベルクソン)
本来のしなやかな動きではなく、機械的なこわばった動きが笑いを誘う。
当時チャップリンの映画が流行っており、そこから生まれた理論っぽい。

まとめ:明確にはわかっていない

笑いについての研究は割と歴史が長く様々な哲学者・研究者が理論を打ち立てているが、正直まだハッキリ解明されていないという印象を受ける。笑いに関するそれぞれの理論は確かに的を射っているように感じますが、笑いの意味や何故笑うのかというような根本に迫れていません。
そもそも人間(または他の動物)の感情全般がどのような仕組みになっているかということ自体がまだハッキリしていないので、どうしても「笑い」の一部の側面を切り取ったような理論が並んでしまうのでしょう。

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