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forest forest

今までのアーカイブはコチラ→ https://www.niwatomori.com/forest_forest_map/ 森の案内人・三浦 豊が、週に1,2回、日本中の森林、木々… もっと読む
キャラ立ちした木々、無数の森林や名所・・・、 森目線になると、日本はほんとうに、すばらしいことにな… もっと詳しく
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2019年5月の記事一覧

Tea  for  us

( 前回のつづき ) 1000才の欅から、菅山寺の境内をさらに奥へ行くと、 弘法水( こうぼうすい )という湧き水があります。 菅山寺の森・友の会のみんなで、その弘法水を汲んで、お茶をすることにしました。 境内に生えていた茶の木から若葉を摘んで、弘法水を沸かして茶葉を煎れました。 そして今回は、茶の木以外からも、境内に生えている、ある木の葉っぱを煎れました。 その木は、 大葉黒文字( おおばくろもじ )です。

光が当たりました

滋賀県の長浜市、菅山寺( かんざんじ )です。 山中に広がる無住の境内には、美しい森林が広がっていて、 今から約2年前に、菅山寺の近隣に住む2人の青年と僕の3人で「 菅山寺の森 友の会 」という会を作り、 それから月に1度はみんなで菅山寺の森を歩くようにしています。 なかなか参加できない時もあるのですが、ありがたいことに、会の会員はじわじわと増えています。( ゆるい会なので何人いるのかよく分かりませんが。笑 ) forest forest でも、折に触れて紹介を

★★★

香川県高松市、栗林公園( りつりんこうえん )です。 16世紀後半の室町時代、当地を治めていた佐藤氏が作庭をはじめ、それから江戸時代に入って当地を治めた生駒氏、松平氏によって作庭が受け継がれました。 庭園が完成したのは、18世紀前半の1725年と伝えられています。 昨年の秋に行ってから、半年ぶりに再訪しました。 紫雲山( しうんざん )の麓に広がる、雄大な庭園です。 ふと足元を見ると、 若い松が、種から芽生えていました。 松は、直射日光がたくさん当たる所では

丸亀城の秋楡と石垣

香川県、丸亀市( まるがめし )、丸亀城( まるがめじょう )です。 大手門から、天守まで登りました。 天守は、江戸時代の1660年に建造されました。 木造の天守は国内で12棟しか残っていないので、とても貴重な文化財です。 せっかくなので、中へ入ってみました。 天守からの眺めは圧巻でした。 北側は、丸亀の街と、瀬戸内海が見えて、 南側は、讃岐富士ともいわれている飯野山( いいのやま )が見えました。 ふたたび天守の方を向いてみると、

キアシドクガは毒のない毛虫です

東京都、JR目黒駅から歩いて10分くらいの所にある、付属自然教育園です。 大都会の只中にありながら、森全体が国指定の天然記念物に指定されています。 新緑から、いよいよ葉の緑が色濃くなってきた森を歩いていると、突然、明るい場所がありました。 そこに立って、上を見てみると、

この星の植物たち

兵庫県、淡路島にある、淡路島夢舞台( あわじしまゆめぶたい )です。 建築家・安藤忠雄さんがグランドデザインを手がけた巨大な複合施設で、レストランやホテル、店舗やオフィスがあります。 とくに、最も高い所にある百花苑( ひゃっかえん )は、これぞ安藤建築と叫びたくなるような、圧巻の景観が広がっていました。 そんな夢舞台の中にある、 「 奇跡の星の植物館 」という温室の中へ入りました。 中に入ると、

あの頃の森

( 前回のつづき ) 根本中堂から、本坂( ほんざか )と呼ばれる、比叡山・延暦寺の表参道を下山しました。 滋賀県の大津市側へ下りる道です。 途中、本坂を外れた小道を歩いてみると、 美しい森が広がっていました。 そこには、19才の最澄さんが比叡山に入った時のような森が広がっていました。 さらに奥へ進むと、

今から1234年前に、19才で

( 前回のつづき ) 比叡山の山頂から斜面を下ると、延暦寺( えんりゃくじ )のお堂が現れました。 すこし歩くと、 比叡山に点在している延暦寺の堂宇のイラストマップがありました。 延暦寺は、「 東塔(とうとう) 」「 西塔(さいとう) 」「 横川(よかわ) 」「 無動寺谷(むどうじだに) 」 この4ヶ所の拠点に分かれて広がっています。 それらは全て滋賀県側にあって、京都市側は、冬に吹く風があまりにも厳しすぎるために、お坊さんたちが住むことができなかったようです。

巨杉の林

( 前回のつづき ) 比叡山を登っていくと、 山上のロープウェー駅に着きました。 ここで9合目くらいまで登りました。 それから山頂にむかって登ると、 桜たちが、花を咲かせていました。 関西地方で、5月に入ってから花を咲かせる桜たちに出会えたのは、なんだか得した気分になりました。 すこし歩くと、 2002年までスキー場だった草原を歩いて、 新緑と、多くの木々が花を咲かせている所を歩いて、

溢れて、倒れて、芽生えて

( 前回のつづき ) 比叡山( ひえいざん )の登山道は、新緑が鮮やかでした。 しばらく登ると、 京都市内が見渡せました。 ここ比叡山は、京の都の鬼門( きもん )にあたる北東に位置するために、山にある延暦寺( えんりゃくじ )は、都の守り神、ひいては国家鎮護の山として、京都が都になった時から深い信仰を受けつづけてきました。 それにしても、森の木々の新緑が眩しかったです。 ただ、森を歩くうちに、しだいに薄暗い、杉や檜( ひのき )が植えられた植林になって、 何本

きらら坂と藤

京都市、比叡山( ひえいざん )です。 京都から山頂まで登りました。 古来、京都側から最も多くの人が歩きつづけている「 きらら坂 」という登山道を登りました。 あたりは風化しやすい花崗岩( かこうがん )で、道周辺の崩落が目立っていて、 中には、じつに1200年以上、人が歩きつづけることによって、こんなにえぐれている道もありました。 比叡山の名だたる高僧も、朝廷からの使者も、弁慶もこの道を歩いたと思うと、高鳴るものがありました。 ふと見上げると、

今年の若葉

東京都八王子市、高尾山( たかおさん )の森を歩きました。 新緑が眩しかったです。 ふと地面を見てみると、 芽吹いてから4才くらいの樅( もみ )も、今年の新芽を芽吹かせていました。 この樅で、7才くらいです。 若い樅は、よほど明るい所で芽吹かないかぎり、枝を横に広げて、木漏れ日を浴びながら、少しずつ大きくなっていきます。 明るい若葉色の葉が、今年の春に芽吹かせた葉で、今年大きくなる所は、この部分だけになります。 この樅で、18才くらい、 なかなか光が当た

天川村の青い鳥

奈良県、天川村( てんかわむら )にある、洞川( どろがわ )エコミュージアムセンターです。 このエコミュージアムセンターで平成元年から続いている「 天川村名水祭り 」で、森の案内をさせてもらいました。 アットホームで、あたたかみのあるお祭りでした。 エコミュージアムセンターは、洞川( どろがわ )という、修験道の聖地と歓楽街として行者さんで賑わう集落にあって、 森の案内は、その洞川集落を見下ろす大原山( おおはらやま )でさせてもらいました。 ゴールデンウィー

倒れて、芽吹いて、

( 前回のつづき ) 今から約1200年前の、西暦800年頃に建てられた室生寺( むろうじ )の五重の塔は、五重の塔としては、奈良県・法隆寺( ほうりゅうじ )の五重の塔に次ぐ古い歴史を持っています。 しかし、平成10年(1998年)の台風で、近くにあった樹齢650才の杉が倒れて、屋根がつぶれてしまいました。 その時の倒木は、上の写真の、右下の赤丸で囲っている切り株です。 切り株に近づいてみました。 さらに近づいてみると、 種から芽吹いたばかりの杉の赤ちゃんが、切