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大学生は「真珠湾攻撃」を知っているか?

今日の授業は「戦争」について学生と考えてみた。

日本で暮らしていると、広島、長崎に原子爆弾が投下されたことをよく見聞きする。特に8月。それに比べて12月はおとなしい。

「12月8日は、何があった日ですか?」
学生に尋ねた。

仏教学科の学生は成道会(釈尊が悟りをひらいたとされる日)を思うかもしれない。音楽好きはジョン・レノンの命日かな。

「1941年12月8日、日本軍はハワイの真珠湾を攻撃し米国と戦争状態となった」

「その攻撃で、アリゾナ号という米国戦艦が海に沈んだ。その船は今も実物を見ることができる」

僕は、ハワイ・オワフ島の「アリゾナ記念館」を訪れた時の話を学生に聞かせた。今も海に沈んだままのアリゾナ号の真上に記念館は建っている。米海軍の慰霊施設だ。

そこで撮った写真を学生に見せた。真珠湾攻撃の様子を描いた大きなパネル(日の丸がついた戦闘機)。そのパネルの説明に聞き入りる少女たち(おそらく米国人)。少女たちは、「日本軍に攻撃された」と思ったか、「日本人に攻撃された」と思ったか。

学生の感想の中に「今まで、日本は被害者だと思っていたけど、アメリカからみれば加害者だったのですね」というのがあった。

◆◆◆

ものごとは立つ位置で見え方が変わる。

生きているのは当たりまえ。腹いっぱい飲み食いして、暖かい布団で静かに眠るのが当たりまえ。ここに立ってみえる「老病死」。

あるいは、父母が出会うという奇跡から生まれた私。その父母は祖父母が出会う奇跡があって生まれた。数えきれない父母(精子と卵子)が出会う奇跡の積み重ね。1つでも違っていたら私は存在しない。そこに立ってみえる「老病死」。

見え方が違う。当然だろう。

僕が担当する「臨床死生学論」という授業。立つ位置を変えながら「老病死」と向き合うトレーニングをしている。

合掌

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