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Systematic Review of Occupational Therapy Interventions to Improve Cognitive Development in Children Ages Birth-5 Years

Gloria J. Frolek

AJOT, July/August 2013, Volume 67, Number 4


【要旨】

このシステマティックレビューでは0-5歳の子どもにおける認知発達の向上を目的として作業療法士に用いられる介入のリサーチエビデンスを調査している.通過基準に適った13の研究があり,これらは2人から成る3つのチームによりレビューされた.集められたレベルⅠとⅣの論文から,2つの概括的なカテゴリーが現れた:(1)発達学的介入と(2)共同注意への介入である.発達学的介入はNICU,家庭,子どもセンター,そしてプレスクールで行われていた.論文をまとめてみると,発達学的介入は早期の認知発達(例,乳児と就学前児)で利得が見られるものの,就学期を通しての利得については結論が出ていなかった.子どものニーズにより敏感になる,子どもとの相互作用に対してより応答するようにするという早期産児の両親教育は子どもの認知発達と共同注意を促進していた.共同注意を用いる介入は自閉症を伴う就学前児の新規状況への汎化を促し,遊びや言語,そして社会的相互作用を増やしていた.共同注意や模倣,記憶,問題解決,そして判断などの読み書きが始まる前のスキルを促進するために,作業療法士による認知機能を高める介入戦略の更なる研究が必要である.


【私見】

OTの,OTによる,OTのためのシステマティックレビュー(認知編)です.作業療法においては肢体不自由(運動)よりも発達障害(認知)に関わるセラピストが多い印象を持っていましたが,このシステマティックレビュー(認知編)は運動編に比べるとややボリュームが少なく,取り扱われている論文の数も少ないのが意外です.また,感覚統合に関する記載が非常に少ない(ほとんどない)のは何か理由があるのでしょうか?

早期介入の場合,とくに認知面の長期的な経過・アウトカムは子どもの自然な発達が修飾するためはっきりと評価することは難しいようです.ただし,著者は短期的な効果でも認知面のより良い発達は必ず運動面や社会面での広い範囲で良い影響を与えるからOKでしょ!というようなことを述べています.確かにその通りかも.

両親教育はやはり大切です.私の臨床においても,とくに重度の障害がある子どもでは感情や反応が親から見てわかりにくい子どもも多く,親-子の間にセラピストが翻訳者として介入することの意義と重要性を再確認できました.

そして共同注意.普段かかわることの多い肢体不自由児との関わりを考えると,姿勢コントロールの安定(APAs),視知覚が外界の参照枠として機能する,ミラーニューロンシステムの発現,そして共同注意という流れになるのでしょうか?あまり得意ではない分野なので,再学習したいと思います.

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