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Systematic Review of Interventions Used in Occupational Therapy to Promote Motor Performance for Children Ages Birth-5 Years

Jane Case-Smith

AJOT, July/August 2013, Volume 67, Number 4


【要旨】

私たちは0-5歳までの子どもの運動能力を促進するために作業療法で用いられる介入に関してリサーチエビデンスを調査した.選択基準に適ったレベルⅠからⅢの研究が24あった.それらの研究は3つのカテゴリーに振り分けられ,(1)乳児(0-3歳)への発達学的介入,(2)脳性麻痺と診断を受けた,またはそのリスクが高い子どもへの介入,(3)就学前期(3-5歳)の子どもに対する視覚-運動への介入である.発達学的介入は長期効果に関しては限られた効果しかなく,短期的にも低いポジティブな効果しか見られなかった.そして神経発達学的治療の効果に関しては結論が出ていない.脳性麻痺を伴う子どもへの特異的なプロトコールを用いた介入にはポジティブな効果が見られた.発達の遅れが見られる子ども(3-5歳)への視覚-運動への介入には視覚-運動能力への短期的な効果が見られた.作業療法で用いられる介入のうち,行動学的・運動学習的な原理を含んでいるものにはポジティブな効果が見られた.


【私見】

OTの,OTによる,OTのためのシステマティックレビュー(運動編)です.良くも悪くも子どもを疾患名・障害で分けずに丸ごと「子ども」で見るのがOTらしく感じます.

ただし,同じ肢体不自由児でも症状や臨床像は大きく異なるため,一まとめにしてOTの介入効果を検証しても全体としてはっきりした結論が出しにくくなっているように感じます.Morganが指摘しているように,特に脳性麻痺を伴う子どもに関しては,明確に診断を受けた子どもと「ハイリスク」な子どもを同じ土俵で評価することには注意が必要です.

NDTに逆風が吹き,CIMTに追い風が吹いている状況は世界共通なので驚きません.NDTが神経成熟理論に基づき,反射を抑制し,「正常」な運動パターンの獲得を目指す,というお約束の紹介にも飽きてきました.誰かアップデートしたBobath Conceptの紹介・研究をしてください!w

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