最近話題のパルスオキシメーターについて
最近、パルスオキシメーターの購入が増えているとのことです。各メーカーや医療団体から、パルスオキシメーターの購入や数値の見方についての注意点が指摘されています。私も仕事で使わせていただいているので、その数値が何を表しているのかを記載したいと思います。
体の酸欠度合いを測定するパルスオキシメーターは、医療機器のため、医療現場や介護現場で使用されています。正確には、パルスオキシメーターで血液中のヘモグロビンが酸素を結合している割合(動脈血酸素飽和度)を測定しています。
【動脈血酸素飽和度とは】
脈血中のヘモグロビンが酸素と結合している割合を,パーセント表示で表したものである.パルスオキシメーターを用いて,動脈血中のヘモグロビンと酸素(O2)の飽和度(saturation)を,脈拍動(pulsation)を利用して測定する.指先にクリップ状のプローブを装着して測定するのが一般的で,非侵襲で簡便な方法のため,医療現場や高所登山・トレッキングの現場でも頻繁に用いられる.一方で,血液を採取して動脈血中の酸素飽和度を実測したものを,arrterial oxygen saturation(SaO2)という.(引用:安藤真由子博士論文より)
私は、低酸素環境でのトレーニングや、研究のためのデータ収集を目的として、パルスオキシメーターを学生の頃から使用していました。今でも低酸素室でのトレーニングや、国内外の登山でも使っています。その機械の特徴も記録が取れるもの、腕時計式のもの、指にはめるだけのものなど、様々です。そして値段に関しても非常に幅があります。簡易的に測定することができてすぐに数値は表示されますが、その数値を見るためにはしっかりとした測定技術が求められます。さらに医療機器のため、本来は医師による使い方と助言が必要な機械だということも忘れないでください!今ではインターネットなどで簡単に購入できるようですが。
<測定の注意点>
・室内で安静にした状態で、ゆっくりと呼吸を行なってから測定すること。
・人差し指、中指で測定すること。爪先や耳たぶは避けること。
・30〜60秒間測定して、平均値を見ること。
・1日に2〜3回測定してみること。
・測定する指のマニュキアは落とすこと。
・測定する指は温めておくこと。
・喫煙者の測定は誤った数値が表示される可能性があること。
また、測定技術以前に、その機器自体が信頼できるか、ということもとても重要になります。私は上の図の2種類を使っていますが、それには理由があります。機器によって測定した値と、実際の血液中の酸素飽和度の値の信頼性が研究によって確かめられているからです。簡単に測定でき、数値もすぐに出るのですが、その機械が本当に信頼できるのかというところにも注意していただきたいな、と思います。
<参考文献>
1) Andrew M. Luks , Erik R. Swenson. Pulse Oximetry for Monitoring Patients with COVID-19 at Home. Potential Pitfalls and Practical Guidance. AnnalsATS Volume 17 Number 9|September 2020.
2)https://www.jrs.or.jp/uploads/uploads/files/guidelines/pulse-oximeter_general.pdf.日本呼吸器学会
3)http://www.jstc.or.jp/uploads/uploads/files/information/2020542.pdf. 日本禁煙学会
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