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2011年5月7日日経新聞夕刊に掲載されたものです。 2年後のチョモランマ登山を目指して、父、三浦雄一郎が本格的なトレーニングに入る。そのスタートとして選んだのは、やはり僕達親子にとってかけがえのない大きな存在である富士山だ。 4月30日からゴールデンウィーク前半の4日間、標高2230㍍、5合目にある佐藤小屋という創業97年であり、富士山で唯一年間を通して営業している山小屋を拠点とした。 富士は夏に30万人以上訪れ、大衆の山というイメージがあるが、夏と冬では全く違う
2010年10月23日日経新聞夕刊に掲載されたものを修正加筆したものです。 先週のコラムの続きとなるが、富士山登頂千回を目指す實川欣伸(じつかわ・よしのぶ)さんと行った村山古道からの富士登山。出発前から降り始めた雨はまるで僕たちと我慢比べをしているかのようにしつこく降り続けていた。9日、夕方6時に吉原駅をスタートしたが、暗闇のなか村山浅間大社(センゲンタイシャ)に着いたのは翌10日の午前2時だった。 村山浅間大社の浅間はもともとアサマと読む。南方系言語が語源とされ火や
2010年10月16日日経新聞夕刊に掲載されたものを修正加筆したものです。 村山古道は平安時代末期に開かれた日本最古の富士登山道である。修験道の修業の場として江戸時代までは使われていたという。 しかし、100年ほど前からその登山道の往来は途絶え廃道となる。10年前に、登山家の畠堀操八さんがその存在を知ることになる。彼は村山古道に興味を持ち、2年がかりで地元の資料と人々の協力により、苦労の末再発掘した。 このルートのすごさは古いだけではなく、日本一の山のスケールをそのま