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三浦豪太の探検学校

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冒険心や探究心溢れる三浦豪太が世の中について語った日本経済新聞の連載記事「三浦豪太の探検学校」(2019年3月に最終章)の、リバイバル版。わずか11歳でキリマンジャロを登頂。フリ…
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#冒険

ソングラインが世界へ

2011年4月30日日経新聞夕刊に掲載されたものです。  僕が好きな旅の本の中にイギリスの旅行作家であるブルース・チャトウィン著の「ソングライン」がある。これは広大なオーストラリアの先住民族であるアボリジニに伝承される「歌の道」の話だ。  オーストラリアに住むアボリジニはそれぞれの一族が崇拝する動物がある。ワラビー族であるとかコアラ族であったり、小さな虫族であったりもする。 それぞれの一族には歌があり、その歌が示しているのはオーストラリア全土に広がる大岩、小岩、砂利道、土

40周年、冒険なお途上

2010年8月21日日経新聞夕刊に掲載されたものです。  先週も書いたが、今年は植村直己さんの日本人エベレスト初登頂40周年だ。これは同時に父、三浦雄一郎の世界初エベレスト8千㍍地点からのスキー滑降の40周年でもある。日本を代表する2人の冒険家の接点は1970年のエベレストにあった。  スキー隊として先にサウスコルからパラシュートを背負い滑り降りた三浦の模様を、植村さんは6400㍍の第2キャンプから見ており、そしてその後、彼は山頂を極めた。エベレスト日本人初登頂と世界初のス