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“自分の好きな仕事”で生きたいあなたに、シングルマザーで起業した私が役に立てることを考えた

「自分は、この世界に、何をしていけるんだろう?」

ずっとそんなことを考えていた。

いろんな人に「すごいですね、シングルなのに仕事も子育ても全部やって」と言っていただくことが多く、褒めていただけるのはありがたかったのだが、その「すごい」の部分が自分の中で何かわからなくて、ずっとモヤモヤしていた。

ただ、「シングルマザー」であるだけで何がどうすごいのか。

子供がたくさんいててものづくりをしている人もいる。わたしは子供が一人。子供が多い方が大変なのでは?と思っていた。配偶者がいてて私より活動的な人もいるし、収益を上げている人もいて、目に見える数字としての結果がある人はたくさんいてる。
「女性」「自営業・フリーランス」「子供がいる」そのカテゴライズの中、あえて“シングルマザー”の何を切り取ってどうすごいのか、知りたかったのだと思う。

それは多分、私が今まで、旦那がいるとかいないとか、子供がいるいないとかで人生の何かが決定されるとは思ったこと少なく、
「自分が幸せかどうか?」
「やりたいことに飛び込むか?」の決断についても、シングルだからという境遇についてあまり固執したことはなかったからだと思う。

色々考えて、自分の中で出た結論…、シングルだからこそのすごさ、それは新しいところへ飛び出す「覚悟」かな、と思う。

私が一番“覚悟”して、“乗り越えた”という実感のあるものは「自分が大黒柱であるのに、会社をやめてイチから仕事を始めることへの恐怖」である。

「ひとり親は経済的に大変」「時間に追われてやりたいことができないのでは」という世間的なイメージは実際大きい中、会社を辞めてイチから何かをするなんて…と足踏みする人は多い気がする。私自身も「店をやりたい」と言い出した時、家族にめちゃくちゃ反対された。シングルの起業へのリスクがものすごく高いと取られるのは、(私自身も含めてそう感じてしまうのは)まだまだ世の中の価値観の影響なのかなと思う。

それでも、色々あったけれど念願かなって開業し、カフェを作った。そしてカフェを起点に、やりたかったことを片っ端から実行している現在。
1番の財産は、たくさんのご縁を得たことだ。世の中いろんな人がいるけれど、自分と同じ方向を向いて進める方とたくさん繋がれたことが、何よりもうれしい。そうやって出来た繋がりで、今はお仕事も頂いたりする。開業してすぐは今よりもっともっとお金もなかったし、そんな中、目先の売り上げを取るのか、その後の人との繋がりや感謝を取るか…何度も訪れる選択の度に、経済的な不安に襲われた。

しかし、その不安を振り切って、“人との繋がり”を選択し続けた結果、今がある。自分の心が喜ぶことを、楽しいと思えることを選んで生きていられる。感謝の毎日。

いろんなイベントを立ち上げたり、カフェでイベントを開催していく中で、たくさんのママの活動家と出会った。“活動”とざっくりくくったが、ハンドメイドで物作りしている人、自分の知識や技術を提供して講座をしている人などその業種は多岐に渡る。たくさんの素敵な方に出会う中、ある人が私にこんな話をしてくれた。もしかしたら離婚するかもしれない。子供はおそらく私が引き取ることになるだろう。父親は何事もなかったように働き続けるが、自分は専業主婦で子育てに没頭してきたからなんの「キャリア」もない。物作りは好きだがこの活動で生活していけるのだろうか。新しい職につくことになるかもしれないが、活動は続けたい。やりたいことはやりたいし、夢は叶えたいのだ、と。私が世の中に役に立てることはないんだろうかと考えてるタイミングだったので、ぐらりと心が動いた。さらに、その人は『MIUさんはシングルで、子育てと仕事を楽しんでる、先駆者だね』といってくれたのだ。

嬉しかった。
「楽しんでる」という気持ちが1番伝わっていることが。そう感じれた時、ずっと心のかなにしまいこんでいた自分の夢が、ひとつ、形にしたいと湧き上がってきた。自分が経験したこと、起業していく中で体験したこと、感じたことを、あの時の自分と同じような境遇にいる人に伝えることで、少しでもその人の理想のライフビジョンに繋がるお手伝いができるのではないか?苦しい、辛い、ではなく、その先にある、自分が「楽しい」と感じることを選んで生きていける人生があることを、伝えてみたい。
「講演」をしてみたい、そう思った。

「講演」と言うと、偉い人が話をするイメージがあって(すみません)私自身、あまりいい意味づけをしていなかった。私の勝手な偏見だ。と言うのも、人は本当の意味で自分の価値観が変わるくらいの“誰かの価値観”に出逢う時…それは、人間の純粋な本質の部分に触れる時だ、と私は思う。それは人として対等な立場であることが大前提で、何かを「教える」とか「与える」とか、そう言うことではなく…立場とか取っ払った上で、一人の人として、自分の境遇と経験を、ただただ人に「こんなやり方もあるよ」とか「私はこうやってみたよ」と伝えることで、誰かの生きるヒントになったらいいな、そう思ってきたからだ。その上でその人だどんな行き方をするのか、どんな決断をするかは私の範疇ではないが。自分のしてきた「覚悟」が自分のためだけでなく、この世界の誰かの新たな「手段」として役に立てるものになるのなら、捧げてみようか、と思ったのだ。


今自分が生きてる世界には、あまり「キャリア」にうるさい人はいない。不思議と、自分がキャリアとか資格とかを気にせずに活動してたら同じような人ばっかりが周りにいるようになったし、みんな助けあってその中で経済が回ってるような感覚にもなる。
キャリア自体、もちろんあったほうがいいし、大事なものだ。でもそればかりを気にして行く生き方は、心は、なんていうか儚いものだという感覚に近い。ただ、世の中には「キャリア」「実績」「ひとり親」という言葉や肩書きに振り回されて生きてる人は確かに多い。やりたいことがどうしても「キャリア」に基づくなら、それも仕方ないことだとは思う。ただ、それらを重んじるフィールドに生きることを選んだとしても、他人の集団意識にやられないようにしたいなと思う。

どんな世界で生きたとしても、自分の境遇で何かを諦めるのはもったいないことだ。私はたまたま離婚を経験し、シングルマザーになった。その境遇をあれこれ考えて不安を揃えても仕方ないし、一度きりの人生なのでやりたいことは全部やれる限りやる方を、選びたいと思っている。もし、今、私が語れることで力になれるのなら…そして、本気で聞いてみたい人がいたら、お話ししてみたいと思う。


読んでくれてありがとうございます。 ふと思った時に、心のままに書いています。 よかったらまた読んでください。