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初受診の日

朝、夫が「お腹が痛い、なんか変」という感じでつぶやいて、病院の診察券を探していた。

ラグビーをしていていつもどこか痛いので、「痛い」ではそんなに早々病院に行こうとはしない人。小さな違和感を感じた。

15:15 「今日は忙しいか」夫からLINE

「まあまあ。なんで?」
「落ち着く時間あれば教えて」
「とりあえず明日14:30~、ここの駅に来てほしい。仕事、調整できる?」

この時点で、大病の告知だと思った。

いつも私の仕事を優先して、急に来いなんて、一度も言ったことがないから。

急いで事務所の外で電話する。

「いや、正直言うと、すい臓癌でステージⅣだっていうんだよね、医者が心配するくらい、俺平常心なんだけど」

驚きすぎて感情が飛ぶ

という状態なんだろうと思う。

私も急転直下すぎてわけがわからない。

「え? え? 健康診断、2月に受けたのに?……とにかく、明日なんとかする」

事務所に戻る。

アシスタントがもうすぐ帰る時間。何かおかしいと気づいているだろうが、何も言えない。

「やること、もうなかったら、早いけどもういいですよ」

アシスタントさんに帰ってもらい、明日の取材2件をどうするか、考え、なければならない。

この状態で? この急なリスケ2件をうまくさばく?

はあ、はあ、ととにかく倒れないよう、息をする。

怖い、怖い、どうしよう、夢だ、いやだ、いやだ、無理、無理だ、怖い、助けて

ノートにめちゃくちゃに書く。

これからもつらいことがいっぱいある。夫の顔を見るのもつらい。
だけど、一番逃げられないのは彼で、私も絶対に逃げない。

つらいと言って、感情に溺れたら、対策をするチャンスを逃すかもしれない。自分がしっかりして、一瞬でも感情のせいで対処が遅れてはいけない。

今回、レベルが違うけど、小さな会社だけど社長として、編集長として、メンタルは鍛えられてきたつもり。

責任を負うことなら得意だ。つらい、怖い、それはこうなったら、誰でもそうだ。その上で、逃げない。

今日はここまでが精一杯。
続きはまた。




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