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「11年目のぼくら」

■現実とingress

何でingressを11年もプレイしてるかというと面白いからである。これ以上に面白いゲームと出会ってたならやめてただろう。が、今の所そんなゲームはこの世に存在していない。

飽きっぽい人間なので、自分向きでないゲームは開始即切ってきた。位置ゲーもORNA、キンハ、信長など色々やってきたけど、今はingressの他はポケGOを細々とやるだけ。

ingressの真の面白さは、スマホゲームであるというのは見せかけであり、本来のゲームワールドは現実世界で、プレイヤーキャラが自分自身であること。だから本来のプレイ通貨はCMUではなく円やドルなどである。

自分の置かれている自宅位置と、車など移動手段、家族の理解がAG(エージェント)のステータスであり、飛行機代や有給の数がHPやMPに相当する。勿論キャラメイクなんか出来なくて、出来ても💩帽子を被るかトゲトゲを背負うかくらいである。風船は、あれは本体か。

なのでingressにMMOでいうオフ会は存在しない。我々はプレイ空間内で会ってるのであり、常にオンプレイでロールプレイを行なっている。中々本名で呼び合わないのもそのせいだろうか。

この広い世界に、ほとんどどの国に行ってもプレイヤーが居て、ポータルがある。多分どのオープンワールドRPGよりも自由度が高い。
そして古参の人はアプリとしての面白さより、そういう共感できる人との繋がりが離れがたくて残ってるのではないだろうか。

■仕事とイングレス

コロナ禍で田舎の末端企業にもZOOMやslackが導入された時、AGたちは既に準備ができていた。
ingress黎明期の超古参アーリーアダプター達には多くのIT業界の方達が居た。Google発祥ゲームというのもあったかもしれない。斬新で先進的なものに目ざといアンテナ高い人たち。彼ら/彼女らは、アノマリーや作戦などで自社の常識を我々に啓蒙し、訓練し普及を図ってくれた。

BIOカードで手慣れたIllustratorの基本操作。
地域の大小さまざまな会議室や施設の手配の方法。
階級のないフラットな組織での意思伝達とネゴシエーションのやり方。
様々な技術を持つ人たちとの交流で、知らず知らずのうちに仕事でも使えるスキルも学んでいた。

私もストーリー解説を何度も行ってきたけど、その経験やテクニックはリアル職のほう(講習やる時とか)にも活かせてます。😅

いろんな職業の人や得意な分野を持つ人がいるから、イベントや組織が成り立つし、楽しめるのだろう。

そしてingressのコミュニティのあちこちに手を出すと必ず発生する英語のやりとり
個人的にこれまでの人生、苦手で拒絶していた言語の障壁を越える気持ちをくれたのはingressだった。
それから、ありがとうDeepl、ありがとうGoogle Translate、otter、Nicegram。
仕事でも外国の方とのやり取りが楽になりました。


■芝居(ロールプレイ)とingress

敵のAGとの化かし合いもロールプレイであり、例えば夫婦間で色が違えば他陣営の事は話さない。たかがゲームの話なのにである。

世界を救うための、人生の裏側の活動。
それは我々がプレイヤーではなくエージェントを名乗る理由である。

アクションゲームであるスキャナーに対して、リアルプレイ空間側のingressはリアルタイムストラテジー(戦略)ゲームであり、ロール(役)プレイングゲームでもある。
なのでテーブルトークRPGのプレイヤーはAGにとても向いており、実際にingressのキャンプイベントや、ストーリーコミュの活動にもTRPGは多分に導入されてきた。

もう一つ向いている人種が舞台関係者である。
実は芝居経験のある人達はAG界に意外なほど多い。ロールプレイそのものを得意としているし、イベントの仕切りや裏方に手慣れているし、それを好き好んでやろうとする。このゲームとの相性抜群である。私もその世界の経験があるからかイベントごとは参加も運営も大好きである。

ingressのストーリーも、登場人物がリアルに存在し、我々自身も作戦やアノマリーでストーリーを動かす登場人物の1人(モブだけど)なのである。

ingressのストーリー自体、陰謀論にとても近い「世界は見たままとは限らない」設定であり、XMは存在するが世間に知られていない、登場人物の所属する組織は影で実在する、ハンクジョンソンはナイスガイでタフガイ、などのお約束の上で、その舞台上での演技がingressのストーリーだ。ただし客席はどこにもなく、役者しかいない。
この世の全てが舞台であり、第四の壁(客席との境)は存在しないのである。お客ではなく当事者、参加者しかいないあたりコミケに近い感覚だ。

■だからingressは楽しい
楽しみ方が他のゲームとは段違いであり、オープンワールドと言うより自由度の超高いMMOに近いのかもしれない。延々と釣りをする人、ペットを育てる人、商人をする人、みたいな。そういうゲームは長く生き残ってる(2002年から続いてるラグナロクオンラインとか)

今なお人におすすめしまくってAGを増やしてる方や、たまに生放送で楽しませてくれる方々、ずいぶん減ってしまった人員でイベントもストーリーも進めてくれている運営陣、リアルイベントで奮闘されている方々、そんな方々のおかげで、このゲームはまだまだ続いていく見込みだ。ゴーグル版きっと出ると信じてる!あとみんなバースターとか買って!サスティナブル・リアルマネー投入だよ!(*ノ´□`)ノ

おじいちゃん、おばあちゃんになっても我々がこのゲームが楽しめていますように。

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