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ingressにストーリーは必要か?

昔ある運営の人が言っていた。
スキャナー(アプリ)、リアルイベント(アノマリー等)、そしてストーリーが
ingressの3本柱である
と。

しかし、「そもそもストーリーは必要なのだろうか?」

ストーリー勢がこんなタイトルで記事を書いても結論ありきじゃねーのと思われるかもしれませんので、まあ先に結論を。

・ストーリー知らなくてもingressはゲームとして楽しい
・でも知ってるとお得。


なぜナイアンティックは半端じゃない予算を投じてストーリーを撮影してきたのか?
三角を作るアクションゲームで、なぜ海外ドラマ仕立てのストーリーが必要だったのか

FGO、グラブル、などストーリーが売りのスマホゲームは多く、それらのゲームはイベントに華麗なキャラクターのコスプレイヤーが現れることはありますが、ingressの場合はキャラクター本人が会場に現れます。
他のソシャゲは2次元のゲームですが、ingressは3次元世界のゲームなのです。

ingressのストーリーの舞台は、画面の向こう側で起こってるのではなくこの世界自体。スキャナーの画面はゲームの一部に過ぎず、生活がゲームの中に含まれています。

現実とゲームの境目を無くすために、実写映像でのストーリー提示が選ばれたのかもしれません。見たままの世界と、そうではない世界の重なり合わせ。

すなわち最先端かつ超古参のリアルAR MMO RPGゲーム。それがingressの正体なのです。

ingressとおっさんは切り離せない存在


さて、ではなぜストーリーを知った方がより良いのか?

理由は三つあります。

理由① 「より楽しむため。」

≪勝負にナラティブは最高の香辛料≫

マラソンや高校野球、ラグビーにサッカーにオリンピック中継見る時、選手のおじいちゃんが天国から応援してくれたり、挫折と敗北を乗り越えて勝ち上がったり、ケガと闘い、出場できなかった友との絆で強くなると応援したくなりませんか?(…ならないかな?)

ジャンプのスポーツ漫画がいい例で、登場人物それぞれに背負った過去が。強敵と書いて友と読む仲間が。そして耐えて忍んだ積み重ねがあります。「努力、友情」あってこそ物語上の「勝利」が更に輝いて見えるのです。

何かスポーツ試合を観戦するにも、ひいきのチームや球団があった方が応援に身が入りますよね?地域に根付いた動機づけや、選手のキャラや見かけや背景が愛着心につながる場合もあります。それが面白さをブーストする場合が多い。

「勝負にべつにそんなの必要ないよ」って方、あなたは勝負事のガチ勢です。

確かに先日のサッカーWカップ最終戦、スーパープレイ続出で、ありゃあ経緯は必要なくても十二分に素晴らしく楽しませてくれる内容でした。( ・⊝・ )
アノマリーそれ自体の戦略、戦術、高揚感。参加するだけでストーリー関係なく十分楽しいものです。ただ、ストーリーは良い味付け要素になります。

理由② 「勝利のため」

私はよくストーリーについて解説文を書きますが、実は本当に詳しい人って他にもいっぱいいるんです。よくSNSで発言してるストーリー勢だけがストーリーに詳しい人ではないのです。

イングレスエージェントの中でも特に危険な人々(例えば動物アイコンの人達)は表舞台にあまり出てこないですが、彼らは目立ちたくないだけで、そう言う人たちにストーリーを深く理解してる人がいる。

彼らは決してストーリーが楽しいからという理由だけで知識を持ってるわけではありません。

例えば地域のテレグラムやディスコード他のチャットで流れてくるパスコード。
これも暗号解読にはストーリー単語が必要な場合があります。****JARVIS****とか、ストーリーに出てくるキーワードがパスコードのど真ん中に入ってるのが多い事をご存知の方も多いと思います。

他には横浜アノマリー直前にもあったデッドドロップ(DD)。いきなりエリア内の重要情報が置かれたベンチが示され、それを探し出します。

https://twitter.com/miu2d4r_mii/status/1601157044144599040

DDには暗号が仕込まれてることが多く、高得点ポータルであるボラタイルやシャードの発生位置がわかったりしますが、そういう暗号にもストーリー単語が関わっていたりします。

例として、2020年東京渋谷区神宮前で行われたテッセレーションのライブドロップ。
ちなみにライブドロップとは、謎の対象者を街中でヒントから探し出す探偵ごっこみたいなもの。
もう2年も前の話ですが、手がかりである紫色のマフラーをした人物を探し出すため、両陣営の人が大勢集まりました。

陣営勝利するにはその人を見つけ出し、彼が教えてくれる暗号サイトへの入り口の鍵から謎解きをしなければならなかった。
暗号を解読していくと、最後の問題は「オーロラは何を訴えたかったか?」という内容でした。
答えは「stop xperiment(実験を停止せよ)」でした。

最終問題。文章で答える。

暗号解読で1文字ずつ解いていくのですが、オーロラが何を考えてるか理解できていれば途中で虫食い部分も閃いて先着回答することも可能でした。

そもそもオーロラって誰や。実験を停止せよって何の実験や。
そう、このような解読はストーリーを理解してないと結末にたどり着けない場合が多いのです。つまりingressの物語知識が陣営戦の結果に直結します。勝利のためには、知識が必要なのです。

(※ネメシスオーロラの正体はネメシス世界のスタイン ・ライトマン、つまり光男。ネメシス世界はシェイパーズやナジアに滅ぼされたので、オシリス世界ではその侵攻の呼び水となるナイアンティック計画実験そのものを中止すべきと考えていた)

理由③ 「知るため」

「エージェント」はもう一つの呼び方があります。それはゲームプレイヤー、ではなくてtruth seeker(真実を追及する者)

世界はあなたの見たままとは限らない。
XM世界の真実を知ることがゲームの目的の一つです。
リアルイベントであるアノマリー。我々はなぜ勝たなければならないのか?
ゲームだから勝ってなんぼでしょという考え方も勿論ありますし、陣営のためADAを滅ぼしたり有利なストーリー展開にするためでもありますが、勝った方しか手に入らないもの、勝つと明かされる真実があるのです。

2016年、全国イベントの「ingress161210」でエンライテンドは負けましたが、勝利したレジスタンスは何らかの情報を手に入れました。エンライテンドである私はいまだその情報がどう使われたのかはわかりません。

今まで勝利した陣営が得たものは、ADAの起動コードと思われる文章が入ったSDカードだったり、パズルが入ったブリーフケースだったり、次のアノマリー開催地域が判明するデータだったり。そのほとんどは最高機密として負けた陣営には中身が公開されることはありませんでした。中には貴重なストーリーに関するフレーバーテキストも沢山あったろうに…
つまり、XM世界の真実をより知りたければ勝つしかないのです。

(驚くことにカサンドラプライムで得られたキャリーのジャーナルだけは、珍しくエンライテンドが機密解除し中身のグリフ研究ノートが公開されていた。)


理由④ 「より良い選択をするため」

うわー。

ingressの世界はマルチバース。同じ設定、筋書きを違う役者で何度も再演します。ただ、物語の細部は微妙に変わります。

ガンダムで例えるなら、Zガンダムはテレビ版と映画版では結末が違う。
悲劇的な終わり方か、そうではない終わり方をしています。

プレステの某有名RPGには、最初に出てくるヒロインが死なないルートをどうやっても選べないのですが、イングレスにはそういう選択肢が存在します。

ingressの登場キャラにはキャリー・キャンベルという研究者がいますが、最初の世界である1218世界では、シェイパーが繰り出す文明破壊グリフを防ぐため自らを犠牲にし息絶えました。
しかしちょうど札幌でアノマリーがあったあたり、オシリス世界ではエージェント達の活躍によって彼女は生き残るんです。つまりエアリスが死なない

このようにアノマリーや、それに伴うingressのストーリーの醍醐味として、我々エージェントが直接その分岐に関与できる点があります。

Google+があった頃、ハンクジョンソンがロシアのXM企業のトップからの謎の招待を受けた際に、行くべきか行かざるべきかをエージェントに投票で意見を募りました。
https://ingress.lycaeum.net/2015/07/20150724-160122-hank.html

今で言うとイーロン・マスクがよくTwitter上でユーザー相手にやってるやつです。
その結果、9:1で「行くべき」となりハンクは指定場所のミュンヘンへと飛ぶこととなったのです。

こないだのアノマリー、エピファニードーンでは、エンライテンドがグローバルで勝利しました。レジスタンスが勝てば、クレーゼエフェクトからもう一度このシーケンスを繰り返すという説もありましたが、この結果により次のアノマリー「MZFPK」へ進むことになります。

そして勝利報償として、ロスアンゼルスと横浜のエンライテンドの代表は、ブライアンローズさんから何かの情報を受け取ることになりました。

その内容は、ここ4回のアノマリーメダルが表していた「Kのパワーキューブ」を開き、シェイパーが本当は誰であるか、または何であるかというストーリーにとって大変重要な情報です。エンライテンド陣営は、それを公表するのでしょうか?
(ついこないだの時点ではまだ受け取ってないらしいという噂)

このように、地元で三角作ってMUを競うと言う、ingress本来の遊び方をしている方とは、また違う楽しみ方として、バックストーリーが存在します。

古いカードゲームでも、例えばアイテムカードに、フレーバーテキストという味付け要素(「薬草」ではなく「薬草を調合して作られた苦い飲み薬」みたいな。何度も飲むの辛そうだな、とかの感想が湧く)があります。背景への想像力が働くようになると、面白さが倍増するのです。

ということで、やはり結論は

・ストーリー知らなくてもingressはゲームとして楽しい
・でも知ってるとお得。


ということだと、私は思います。
現在、ストーリー進行はだいぶ低空飛行が続いていますが、きっとNianticさんが一番重要性は知っているはずなので、また素晴らしい展開を見せてくれると期待しています。(先日のハンクジョンソン役者疑惑映像とか本当に秀逸だった)


≪追記≫

プロジェクト・リュケイオンへのお誘い

XFでストーリーを追うコミュニティ、リュケイオンは、日本語運用しているストーリー勢の巣窟です。
ページは以下リンクからどうぞ。テレグラムチャットはサイトの一番下の方に入口リンクがあります。
ROM専も歓迎。気になる方はご参加ください。
https://ingress.lycaeum.net/

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