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青の緞帳が下りるまで #06

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展示品一 アルトランディア王国の金貨 マエストロからの寄贈


「このたびこの金貨を寄贈された理由をうかがってもよろしいでしょうか」

 劇場職員の言葉にマエストロが答える。

「アルトランディアでは珍しくないものだと思いますが、亡命する際に持ち出したものです。ある方が私にくださったんです」

「ある方?」

「生きていれば六十そこらでしょうか。私の命の恩人です」

「お名前は?」

「それ以上のことは申し上げられません。そうですね。Aとしておきましょう」

「Aとは?」

「ご想像にお任せします。可愛らしい女の子でしたよ」

→(次回)「青の緞帳が下りるまで #07」(第一章 ヴィーチャとAの出会い 1)

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