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「ファイルと言えばキングジム」のマーケティング戦略とは?

キングジムの#マーケティングトレース

会社名:キングジム
業界:ファイルなど事務用品の製造・販売
代表者名: 宮本 彰さん
理念・ビジョン: 独創的な商品を開発し、新たな文化の創造をもって社会に貢献する
売上高・営業利益:343億円/13億円(2019年6月期)
従業員数: 2,307人(連結)
トレース目的:なぜキングファイルが選ばれるのか?このマーケティング戦略を学びたい。

マーケティングトレース参考URL

・キングジム
 https://www.kingjim.co.jp/

キングジムとは?

キングファイルに代表されるファイルやテプラなど、収納関連商品を主に製造・販売しています。

商品一覧

最初の画像の通りですが、青色のしっかりした表紙に、金属製のとじ具。
背表紙のタイトルを自作すれば何度でも繰り返しファイルとして使える商品で、私も会社で使っています。

STP分析

STP分析からキングファイルのマーケティング戦略を読み解いていきます。
まず、ターゲットとして書類を扱うことの多い管理部門(経理、総務など)に設定したと考えました。
管理部門の抱える課題は「書類の量がとても多い」ことです。
紙ファイルもありますが、特定の業務でまとめようとすると型崩れをしたり、とじ具が壊れたりします。
また、紙ファイルだと、一度タイトルなどを書いてしまうと書き直しが出来ませんが、キングファイルはタイトル部分の紙を差し替えるだけで使いまわしが出来ます。
キングファイルはこの「丈夫さ×使いまわし性」を最大の特徴として、大量の紙を保管しても壊れない点をターゲットに訴求しているのではないかという仮説を考えました。
ポジショニングマップ
キングファイルのポジショニングマップを図解すると次の通りです。
「丈夫さ×使いまわし性」という商品のポジショニングをとっています。
※企業別のポジショニングではなく、商品属性からポジショニングマップを図解してみました。

ポジショニングマップ

マーケティングミックス4P分析

Promotion(商品)
キングファイル。
Price(価格)

キングファイルA4

一番使う頻度の高いA4サイズのファイルに絞ると、600円~1,300円+税です。
決して安いとは思いませんが、”固い背表紙+金属製のとじ具”が丈夫なので何度も使える点が最大の特徴ではないでしょうか。
Place(流通)
大抵の文具店で販売していて、ネットショップでも手軽に買える。
Promotion(広告)
キングファイルの広告をメディアで見た記憶がないのですが、
・会社で見た
・文具店で見た
青い背表紙もさることながら、幅もあるファイルなので目立ちます。

キングファイルのマーケティング戦略とは?

最初に、キングファイルのマーケティングの基本をまとめていきます。
目的:Objective(達成すべき目的)
⇒ キングファイルとテプラの売上アップ。
目標:Who(誰に売るのか?)
⇒ 企業をメインにして、個人へも販売。
戦略:What(何を売るのか?)
⇒ キングファイル。
戦術:How(どうやって売るのか?)
⇒ 文具店およびネットショップ。
電子化によってファイル需要の絶対量は間違いなく減ると考えていますが、依然として資料を紙で保存しているのでファイルの需要はまだあると仮説を立てています。

私は本業で経理の仕事をしていますが、請求書や領収書など紙の証拠帳票をファイルに保存しています。
ハンコや証拠帳票の電子化は少しずつ進んでいますが、利害関係のある企業や団体、法律など足並みを揃える必要があるので、今しばらく時間がかかるのではないかと考えています。

自分がCMOだったら?

「あれどこだっけ?」を防ぐために、資料のサイトマップを作ります。
サイトマップを作る目的は以下の2点です。
・保有する情報量から、企業や個人が使うファイル数の情報を集めて、ニーズの把握
・ファイルが必要になるタイミングや購入数を把握する。
この情報を基に、MA(マーケティングオートメーション)を行います。
MAをする目的は以下の2点です。
・ファイルのセット販売による売上アップ
・ファイルの定期販売による販売数量の安定化
そして、コロナウイルスによって社内に保管してある資料をすぐに見れなくなる点を考慮して、資料のデータ化をサイトマップで行うサービスを提供します。
また、資料のサイトマップとテプラをリンクして入力に使う時間の短縮&テプラ機器の順番待ちの時間を減らします。

最後に

キングファイルは”置き型”です。
大きいですし、紙ファイルやクリアファイルと比べると重たいです。
けれど、書類の保管性の面では最も信頼できるアイテムです。
キングジムは高収益企業の代表格としてメディアでも取り上げられますが、
・会社にある資料が見れない状況になった時にどうするか?
・電子化によって紙をファイルに保管する絶対量が減るとしたら?
「ファイルに代わる収益の柱を作ること」は急務ではないでしょうか。

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