四季を味方につけた水分補給、ポカリスエットのマーケティング戦略とは？

ポカリスエットの#マーケティングトレース

会社名：大塚製薬株式会社
業界：医薬品・臨床検査・医療機器・食料品・化粧品の製造、製造販売、販売、輸出ならびに輸入
理念・ビジョン：「世界の人々の健康に貢献する革新的な製品を創造する」
代表者名：井上　眞さん
売上高・営業利益：
従業員数：5,657名(※2020年12月31日時点)
トレース目的：
「飲む点滴」とも言われるポカリが、どのような戦略で長く売れ続けているか学びたい。

マーケティングトレース参考URL

・大塚製薬株式会社
　https://www.otsuka.co.jp/
・ニュートラシューティカルズ関連事業-ポカリスエット
　https://www.otsuka.co.jp/nutraceutical/products/pocarisweat/

ポカリスエットとは？

大塚製薬が製造・販売していて、
「発汗により失われた水分、イオン（電解質）をスムーズに補給する健康飲料」としています。

ポカリスエットが作られた2つのキッカケとは？
キッカケ1：
ヒトの体液に近い組成と浸透圧の生理食塩水（リンゲル液）が、
発汗によって失われた水分を補給するのに効率が良い事がすでに研究結果から分かっていたこと。
キッカケ2:
“昭和48年（1973年）、オロナミンCドリンクの開発を担当した研究員の播磨六郎が、メキシコ出張で水にあたり、ひどい下痢になって医師の診察を受けた折、抗生物質の処方以外に「水分補給のためジンジャーエールを飲みなさい」と指示された”こと。

「汗をかいて、体温を調整する」私たちの体に適した飲み物を提供しています。

STP分析

STP分析のベースとなる、”スポーツドリンク”のカスタマーアクションについて考えていきます。
・スポーツでパフォーマンスを落としたくない
・発熱時の水分補給に使いたい
・お風呂で汗かいた後に飲みたい
・乾燥してくる時期の水分補給
汗=スポーツドリンクのイメージがありますが、「水分補給するための飲み物」を求めていることがカスタマーアクションだと仮説を立てました。
このカスタマーアクションを基に、セグメンテーションとターゲティングをしていきます。
結果は以下の通りになりました。

次に、ポカリスエットのポジショニングをまとめるとこのようになりました。

甘味の量で比較すると、”ポカリスエット>アクエリアス”になるとのことで、
糖分を消費する場面を考えるとスポーツ時だと言えそうですが、
スポーツ色の強いアクエリアスに対して、生活色が強いのがポカリスエットというイメージがあります。

4P分析

Product(商品)
ポカリスエット。
Price(価格)
100円～150円くらい。
Place(流通)
コンビニ、スーパー、ドラッグストアなどで流通。
Promotion(広告)
https://youtu.be/FIcgOGDsLHU
テレビCMなどで、季節の変わり目など、体調の変化が起きやすいタイミングで配信。

ポカリスエットのマーケティング戦略とは？

「先行者優位で、スポーツ限定にしなかったこと」が最も重要なマーケティング戦略だと考えました。
4P分析の広告にもYouTubeのリンクを貼りましたが、
ポカリスエットのCMはスポーツを連想させる内容よりも生活の中での体調の変化を訴求しています。
「風呂上りにポカリスエット」
「乾燥する季節にポカリスエット」
「夏×汗を連想させる学生とポカリスエット」などです。
糖分が高いので、飲みすぎはダメですが、
「あなたの毎日にポカリスエット！」と言うメッセージを伝えたいのだろうなと感じます。

「汗の飲料」としてのグローバルポジション

まさに、これ！
ポカリスエットをグローバル展開しているのは、高温多湿の東南アジアなどの地域です。
これらの地域の特徴をまとめるとこのようになります。
・日本のように、きれいな水が手に入りにくい
・汗で失われた塩分などを補給する手軽な飲み物が少ない
・高温多湿で、よく汗をかく
・人口が多いく、市場規模が大きい
つまり、「暑くて、人が多くて、きれいな水が手に入りにくい地域」を
ポカリスエットは狙っているのではないでしょうか。

自分がCMOだったら？

地球温暖化の時代に生きる私たちへ「命を守るリスト」をSNSで発信します。
2020年の夏はとても暑くて、命を守る行動が必要なほどでした。
けれど情報が多いからこそ、
なにが正しくて、注意点が分かりにくかった方むけのサービスとして、
“命を守るリスト×ポカリスエット”の「LIFE SAFE Pack」を
2ステップマーケティングで訴求しつつ、見込み客⇒既存客⇒固定客へと育てます。
このサービスで世界中の人の汗を守ります。