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Mnemosyne方眼ノートのマーケティング戦略とは?

ニーモシネの#マーケティングトレース

会社名:マルマン株式会社
業界:
スケッチブック、ノートブック、バインダー、 ルーズリーフ等の製造販売、
画材用品の輸入販売 キャンソン社日本代理店、リラ社(ファインアート部門)日本代理店
代表者:井口 栄一さん
理念・ビジョン:「いつの時代もアイデアと感性の側にマルマン」
売上高・営業利益::36 億 1000 万円(2012年9月期実績)・157万円(2019年)
従業員数:201名
トレース目的:デジタル化の進んだ今、ノート需要の掘り起こしと、マルマン製のノートが選ばれる戦略を学びたい。

マーケティングトレース参考URL

・マルマン株式会社
 http://www.e-maruman.co.jp/
・スケッチブックでマルマンが「超定番」な理由
 https://toyokeizai.net/articles/-/239913?page=2
・官報決算データベース
 https://catr.jp/settlements/5539a/136130
・頭がいい人はなぜ、方眼ノートを使うのか?
 http://thinknote.jp/publish/book_information/

マルマンとは?

商品一覧

これがマルマンの商品ですが、特に”スケッチブック”や”図案シリーズ”、そして私も使っている”Mnemosyne(ニーモシネ)”が有名なのではないでしょうか。
このニーモシネは2009年に日本文具大賞デザイン部門でグランプリを受賞しています。
”ノートを切り取って使用する場面を想定”していて、書いている時は簡単に切れてしまわないけれど、切り取りたい時は簡単に切り取れる。
この絶妙な使いやすさがニーモシネの特徴と言えます。
今回のマーケティングトレースで分かった事ですが、マルマンのオリジナル用紙はすべて国産で13種類もあるそうです。
ニーモシネはA4サイズの方眼ノートしか使ったことがありませんが、シャーペンやボールペン、水性マジックなどペンの種類を選ばない書きやすさを提供してくれます。
価格は1,000+税なので決して安くはないかもしれませんが、安価なノートとは違う「書きやすさ」×「カッコよさ」がセルフイメージを高めてくれると実感しています。

方眼ノートの良さとは?

・縦横に罫線があるので、文字の大きさを揃えやすい
・ノートの向きを気にせず書ける
・方眼を利用して、図やイラストを描ける

A4サイズ方眼ノートの種類

・RHODIA ダブルリングノート[CF193001S]/1,210円
・ツバメ Steam Punkノート穴ありモデル(2穴)あり/629円
・コクヨ リサーチラボノート[ノ-LBB205S]/475円
・プラス ノートブック/343円
・アピカ プレミアムCDノート/1,271円
・モレスキン プロフェッショナル/3,850円

STP分析

ターゲットは、「課題解決×クリエイティブツールを求める人」と設定しました。
ニーモシネの方眼ノートを最大限に活かせるのは、企画やアイデアを考えたり、自由な発想を拡げることにあると考えています。
その理由として、マッキンゼーのコンサルタントや東大生が方眼ノートを使っている例が紹介され、クリエイティブツールとして注目が集まったからです。
ここまでの分析から、ニーモシネのポジショニングは「書きやすさ」×「カッコよさ」にあると仮説を立てています。

黒色の表紙は非常にシンプルで、ビジネスユース&プライベートユースを問わず使用できそうです。
そして、タイトルと日付を記入するスペースもあり、企画書の用紙としても使えます。
1,000円+税という金額設定からも、雑には扱えないノートです。
金額の面からも、ハイレベルノートとしてのカッコよさがあると考えています。
この仮説をポジショニングマップとして表すとこのようになりました。

ニーモシネポジショニングマップ

ニーモシネの4P/4C分析

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Product(商品):方眼ノート
Price(価格):1,000円+税
Place(流通):文具専門店およびオンラインショップにて販売
Promotion(広告):クリエイティブさを磨きたい人むけに発信される方眼ノートの情報によってニーモシネの広告がされていく。

ノートは実際に手に取ってみないと分からない部分もあり、文具専門店をFirstPlaceとするコンセプトを置きつつ、近くにお店がない人にはオンラインショップで提供することで簡単に届けているのではないでしょうか。
また、1,000円+税という価格設定も重要だと考えています。
自分の中でイメージしていたことをノートに書いてみたけど、”しっくりこない”時があります。けれど、1,000円+税であれば投資金額としても大金ではないですし、「まずは試してみよう!」とそれほど深く考えずに購入を促せる金額ではないかと考えました。

ニーモシネのマーケティング戦略とは?

ここから「書きやすさ」×「カッコよさ」と言うポジショニングを実現するマーケティング戦略を考えていきます。
マルマンは創業当時から、子どもや学生をターゲットにしていたそうです。
しかし、少子化による市場規模の縮小を受けて社会人向け文具の販売に方針転換。
それまでは会社から支給されていた文具も経費削減で支給されず、個人が自前で準備せざるを得ない状況をビジネスチャンスとして掴んだそうです。
マルマンだけに限りませんが、ノート市場は売り手だと考えています。
と言うのも、
・決められた仕事をするよりもクリエイティブさが求められる時代になったこと
・AIなどによって単純作業への需要が低下すること
この2点で、「考えるツール」や”思考法”へのニーズが高まったこともマルマンへの追い風になっているのではないでしょうか。

ここまでの分析からニーモシネのマーケティング戦略を考えていきます。
目的:Objective(達成すべき目的は何か?)
書くことで考えを整理する文化を創造する。
目標:Who(誰に売るのか?)
学生、ビジネスパーソンへ。
戦略:What(何を売るのか?)
文字、図、絵を1枚の紙にまとめられる方眼ノートを販売。
戦術:How(どうやって売るのか?)
方眼ノートのメリット、実際の使い方などをキュレーションサイトやSNSで発信してもらうことで、今まで使ったことのないユーザーへ認知してもらう。

自分がCMOだったら?

デジタル化の進んだ今でも手書きのノート、方眼ノートの有益性は世界中で言われています。
コンサル会社のマッキンゼーにいた大前研一さんに始まり、海外のCEOの方も手書きで思考を整理しているそうです。
そこで5ステップで方眼ノートのコミュニティを作ります。
1. コミュニティサイトの開設
2. 基本的な使い方情報を提供
3. 業種別に国内外の方眼ノートの使い方をまとめる
4. 有料会員向けに業種別使い方情報を提供する
5. 使い方情報を基に、ノートの制作に生かす。

サポートありがとうございます。Mityu-kaを成長させて皆さんに恩返しができるように役立てていきます。