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「福井の雄、8番らーめん」のマーケティング戦略とは?

8番らーめんの#マーケティングトレース

会社名:株式会社ハチバン
業界:飲食店フランチャイズ・チェーン事業や飲食店の経営などを行う。
代表者名:長丸 昌功さん
理念:「より多くの人々に、より良い商品をより安く、より良い環境の中でお届けし続ける」
売上高・営業利益:82億6千万・2億2千万(2020年3月期)
従業員数:183人(社員)+383人(パートタイマー)
トレース目的:8番らーめんが福井に根付いた理由と、シェアを取る戦略を学びたい。

マーケティングトレース参考URL

・8番らーめん
 https://www.hachiban.jp/
・8番らーめん(Instagram)
 https://www.instagram.com/8ban_ramen/

8番らーめんとは?

本社は石川県にある企業ですが、福井県民の胃袋を掴んだラーメン店です。
8の字のかまぼこが印象的なラーメンで、他県の人からは特徴がないと言われることもありますが、「なんでやろ8番」のキャッチフレーズで表現されているようになぜか食べたくなる味のラーメンです。(飽きない美味しさが最大の特徴なんです!)
塩、味噌、醤油の3つの味をベースにした野菜ラーメンや、季節限定の”酸辣湯麵”や”ざるラーメン”、そして刺激のある味を求めるユーザー向けの”担々麺”があります。
そして、もしかするとラーメン以上に人気があるかもしれないのが餃子です。
薄すぎず、厚すぎない皮に包まれた餃子は持ち帰りが出来る商品になっており、店内だけなくギフトとしても人気です。

8番らーめんの歴史

1967年2月
⇒石川県加賀市の国道8号線沿いに「8番らーめん」1号店を創業。
1967年9月
⇒フランチャイズシステムを導入し、加盟第1号店を開店。

↑ここすごいと思いませんか?
今から53年前に、創業してから7か月でフランチャイズ方式を導入し、
全て自費で出店するデメリットを、権利ビジネスにして安定した利益を稼ぎつつ、知名度をアップさせているからです。
SNSが普及していない昔だとメディアはこの3つだと思います。
・テレビでCMを放送する
・新聞や広告を出す
・ラジオで告知する
けれど、子供の頃にCMなどを見聞きした記憶があまりないのです。
つまり、
ラーメン店自体が少なく、告知などをする必要がなかったと言えるかもしれません。
事実、私が小学生の頃にはラーメン店は「8番らーめん」か「スガキヤ」しか知りませんでした。
(他にも屋台のらーめん屋に連れて行って貰ったことはありますが)

以上をまとめると、

・8番らーめんが創業した当初、競合が少なく必然的にお客さんが来店していた。
・子供の頃に親と行った刷り込み効果によって、自然と広告されていた。
・絶品と言える味ではないけど、何度でも食べれる味だからこそ飽きない。

「親から子まで安心して食べれる安心感のある味」と考えました。

STP分析

ターゲットは、「親から子へ」と設定しました。
その理由は、”普段使いできるラーメン店”だからです。
バズるような絶品ラーメンではないけど(8番らーめんの方、すいません)、
「何度食べても飽きない美味しさ。それが8番らーめんの最大の特徴」だと仮説を立てています。
そして、”野菜ラーメン”とネーミングされるくらい沢山の野菜が乗っかっていて、野菜嫌いの子どもも食べてくれそうな、親目線でも嬉しいメニューです。
つまり、8番らーめんには大人から子供まで食べれる安心感のあるラーメンと言えるのかもしれません。

マーケティングミックス4P分析

Product(商品)
らーめんおよび餃子やチャーハンなどのサイドメニュー。
Price(価格)
らーめん=590円+税
餃子=250円+税(6個)
チャーハン=580円+税(スープ付)
Place(流通)
店舗およびテイクアウトでの提供。
Promotion(広告)
「なんでやろ8番」のCM。

8番らーめんのマーケティング戦略とは?

8番らーめんはフランチャイズで店舗を増やしています。
店舗ごとに経営者が違っていて、ラーメンの作り手が違うので味も違います。
そういう理由から、「この店の8番は美味しい」と言う会話が出てきます。
基本的なレシピはあるのでしょうが、作り手によって味が変わってしまうのは仕方ないことかもしれません。
けれど、裏を返せばどのお店に行っても同じ味を楽しめる訳ではなく、自分の口に合うお店を探す楽しみにも繋がるのではないでしょうか。
ここまでの分析などから8番らーめんのマーケティングの方針を整理します。
目的:Objective(達成すべき目的は何か?)
⇒それぞれの8番らーめんフランチャイズ店の売上および利益を高める
目標:Who(誰に売るのか?)
⇒お店を中心としたご近所の顧客。
戦略:What(何を売るのか?)
⇒らーめんおよび餃子などのサブメニュー
戦術:How(どうやって売るのか?)
⇒店舗による販売および、持ち帰りなどギフトとしての販売。

自分がCMOだったら?

福井の雄、8番らーめんのポジションを強化して、周辺の飲食店も活性化する施策を企画します。
まず、福井の地元の食べ物を使った商品を作ります。
・へしこ
・昆布
・ソースカツ丼
そしてフランチャイズというそれぞれの経営者に決定権がある特徴を生かし、
・近所のおばちゃんが作る美味しいおにぎり
・煮物
・オリジナル料理
などと8番らーめんを組み合わせることで店舗ごとの独自性を出します。
8番らーめんをハブとして、周辺の飲食店も巻き込んだ「食のランチェスター戦略」を作り上げることで、3つのことを実現させます。
・8番らーめんのポジションの強化
・飲食店どうし潰し合いをしない
・おいしいご飯を存続させる
これらの施策によって、”8番らーめんコミュニティ”を作ります。
Twitterによって、リアルタイムにコラボ企画を配信し、継続的に8番らーめんへ目を向けます。
Instagramによって、「近所のおばちゃんが作る美味しいおにぎり」の作り方などを配信し、1度食べて美味しいから、何度でも食べたい味へと昇華させます。

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