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1960年代~80年代の泣ける名曲100選③ジャンゴ・ラインハルト、「昭和ブルース」、来生たかお、いしだあゆみ他

019 ジャンゴ・ラインハルト「マイナースイング」

ジャンゴ・ラインハルトはベルギー出身のジャズ・ギタリスト。ジプシー音楽とスウィング・ジャズを融合させたジプシー・スウィング・ジャズの創始者として後のミュージッシャンに大きな影響を与えました。      「マイナースイング」にはアレンジを変えた多くのヴァージョンが存在しますが、最初に録音されたこの1937年盤が最良だと思います。前半のギターは勿論ですが、後半のすすり泣くようなバイオリンのメロディもジプシー音楽ならではの哀愁を感じさせます。

020 ボビー・ブランド「セント・ジェームス病院」

『セント・ ジェームス病院』(St. James Infirmary Blues) は、ルイ・アームストロングなど多くのジャズ&ブルース歌手にカバーされている作詞作曲者不詳のスタンダードナンバー。今回は、ボビー・ブランドによるブルースで。

021 寺尾聰「君に捧げるほろ苦いブルース」             ※映像の音声レベルが低いので、ボリュームを上げて再生してください。

荒木一郎のカバー。単発ドラマ時代の東芝日曜劇場で放映された『君にささげる歌』(1987)の挿入歌。傑作単発ドラマ『幽婚』を書いた家市川森一の脚本。若い頃、東京に行き、歌手として一旗揚げたいという自分勝手な理由から尽くしてくれた恋人(有森也実)を捨てた男の後悔と悲哀を描いたノスタルジードラマ。                            

月日が経ち、歌手の道に挫折し自動車販売会社の店長に収まっていた男は、ふとしたことから別れた恋人の事を思い出します。郷愁にかられてふたりが昔暮らしていたアパートを訪ねるのですが、すでにそこは廃屋になっていて・・・

男は果たして元恋人にもう一度巡り会えるのか、余韻を持たせるラストが秀逸でした。

上で少し触れた『幽婚』については、こちらに書いています。

022 荒木一郎「君に捧げるほろ苦いブルース」

名曲であることは間違いないのですが、日本独特の所謂「なんちゃってブルース」で、本来の意味でのブルースではありません。

023 ブルーベルシンガーズ「昭和ブルース」

映画『若者たち』三部作の第2作『若者はゆく ー続若者たち-』の挿入歌。 テレビドラマ、映画三部作共通の主題歌はブロードサイド・フォーが歌って大ヒットした「若者たち」。最初のうち、2番と4番のサビを歌っているのはてっきり女性だと思っていたのですが、TVのライブを観たら男性だったのでびっくりしました。                   

「昭和ブルース」が発売された1969年は所謂「70年安保」に向けた所謂「新左翼」による街頭闘争が最も激しかった年。               東大安田講堂攻防戦とそれに続く東大の入試中止、大菩薩峠で武闘訓練中の赤軍派53人の逮捕、新宿駅西口地下広場での反戦フォーク集会に対する機動隊の規制と弾圧、連続ピストル射殺魔永山則夫の逮捕等、暗い世相を反映して「昭和ブルース」は80万枚の大ヒットを記録。            ドラマ『非情のライセンス』で天地茂が歌ったカバーの方も有名です。

「昭和枯れすすき」と並んで題名に昭和がついた曲の代表格。   
昭和時代には「明治は遠くなりにけり」とよく言われましたが、令和から見れば「昭和も遠くなりにけり」なのでしょうね。

024 いしだあゆみ「サチオ君」

いしだあゆみは最初に所属したビクターから23枚のシングルを出していますがヒット曲らしいものは1曲もなく、テレビタレントとしての人気は高かったものの歌の方は鳴かず飛ばず状態。                      
売れない歌手のひとりだった彼女が突然ブレイクするのは、移籍した日本コロムビアで橋本淳・筒美京平コンビやなかにし礼とタッグを組んでから。1968年の「太陽は泣いている」から1970年代前半にかけて「ブルーライトヨコハマ」を頂点に大ヒット曲を連発しました。                        
「サチオ君」は1964年に出した2枚目のシングル。こちらもご多分に漏れず全く売れませんでした。幼馴染の死という暗い歌詞が高度経済成長の時代と合っていなかったのかもしれませんが、個人的には歌詞・メロディ共に「泣ける名曲」の代表格だと思っています。

025 来生たかお「美しい女(ひと)」

楽曲のレベルが非常に高い名曲中の名曲。               「あなたともっと昔に会えたらよかったけれど~」という歌詞が泣かせます。

026 来生たかお 「雨に咲く花」

もともとは昭和10年の映画『突破無電』の主題歌なのだそうです。    オリジナルは関種子のヒット曲ですが、戦後に井上ひろしがカバーしてこちらも大ヒット。                            雨は涙の間接表現なのでしょうね。                  来生さん、昔は瘦せっぽちだったのに、最近はすっかり太って貫禄がつきましたね。

027  来生たかお 「ためいき春秋」

オフィス街の切ない片思いを歌った都会的なラブソング。        スタジオ録音盤とライブを比べるとスタジオ盤に軍配が上がる場合が殆どなのですが、この曲は珍しく例外。特に途中で音量が絞られる個所など、ライブの方が遥かに優れたアレンジでした。                アルバム「夢の途中」収録曲。シングルカットされていないためコンサートで初めて聴いたのですが、この曲が一番印象に残りました。      
当時のライブがアップされていないのが本当に残念。

028 森田公一とトップギャラン「下宿屋」

森田公一は3枚目のシングル「アフリカの雪」から阿久悠と共作していますが、「下宿屋」はコンビの5枚目のシングル。初めてオリコン48位にランクインし、通算7枚目の「青春時代で」で見事1位に輝きます。       学生時代に下宿生活を送った人には、懐かしい曲でしょうね。

029 「越後獅子の唄」お手本バージョン (元歌 美空ひばり)

今回は 美空ひばり本人ではなく、カラオケお手本バージョンで。     誰が歌っているのか知りませんが、お手本だけあってさすがにうまいです。
情景が鮮明に浮かび上がってくる歌詞も哀愁を帯びたメロディも秀逸です。ただし、歌詞の方は今からみれば児童虐待の内容が含まれており、今出したらとんでもない歌だと放送禁止になるかもしれませんね。

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