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リカちゃんスーパーと雷印バター

小さい頃の記憶として、「リカちゃん人形好き」というのを親戚にいじられた記憶がある。
当時は女の子のおもちゃでありフィギュアも今のようになく、男性が興味を持つ対象ではなく当然変な目で見られるのが当然であった。

 ただ、私はこれまでリカちゃん人形を持ったことはないし、人形遊びもしたことがない。
おそらく「人に興味を持たない」という“偏った人間性”によるものではないかと自己分析しているが、それより、「リカちゃんハウス」や「リカちゃんスーパー」などについている食べ物小物やミニチュアを見るのに興味があった。

 とはいえ所詮おもちゃである。食器や調理器具、食品でもバナナやリンゴなど野菜などは単色のプラスチックでそれっぽい形にしただけである。メインはそれを人形にもたせて遊ぶからそのクオリティでいいのである。

 ところが冷蔵庫の中にある食品パッケージや小物類は違っていた。本物に似ているのである。缶詰や冷凍ピザ、カップ麺などデザインが本物にそっくりである。
当初はパッケージそのまま縮小していたが、そのうちそのままだと怒られたのかブランド名をパロディ化しているのである。

黄色い箱に赤く太い明朝体のフォントで書かれた「雷印バター」 雪ではない雷なのである。あと「サッホロ一番」とか。

 小学校の同級生の女の子の家にあるリカちゃんスーパーでそんなパロディを見ながらニヤニヤしていたら結果「リカちゃんを見てニヤニヤしている」と気持ち悪がられるのである。

 その気持ち悪い少年が20年後にミニチュアフードを作りはじめるが、そんなこと想像してなかった。



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