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タピオカドリンクで、20円得してたけど、なんか納得できない話

まだ田舎に住んでいた時。さくらももこのエッセイのなかにあった、QQという丸くて黒くてもちもちしたデザートを食べた話を読んで、とても憧れた。強烈に頭に残っていて、都会に行ったら絶対に食べたいとずっと思っていた。いま思えば、あれはおそらくタピオカなんじゃないかと思う。

タピオカは美味しい。第一次ブーム(その頃をよく知らないけど)のココナッツミルクに入っている極小のタピオカから、現在のタピオカドリンクまで、すべて好きだ。

タピオカドリンクは、ブームになる前から、コンビニで売っているものを時々飲んでいた。専門店は興味があったが、混んでいるから難しいなと思っていた。が、ついに、子どもを抱えながら初めて行ってみた。

飲んで、衝撃を受けた。こりゃ流行るわけだと納得した。写真映えする以前に、味が格段に美味しい。しかも、氷の量や甘さをカスタマイズできる。ドリンク、タピオカ、容器など、よく研究されているなと奥深さを感じた。茹でたタピオカをミルクティーにぶち込んでるだけのものなどではない。

見事にハマった。育児休暇中という時間がある身を利用して、育児グッズを買いに行く先にタピオカドリンク店があるかを事前にチェックし、休憩を兼ねて飲み歩いていた。


そんななか、先日、自宅から徒歩圏内の場所にタピオカドリンク専門店がオープンした。里帰り中にその情報を手にした私は歓喜し、帰ったら行こうと決めていた。そして自宅に戻ってきた日、家に荷物を置いてすぐに、さっそくその店へ向かった。自分の好きなことに関しては労力を惜しまない。

その日は暑かった。加えて、赤子を抱えて飛行機に1人で乗って長距離を移動した疲労感もあった。この身体に、甘くて美味しいタピオカミルクティーは沁み入っていくだろう。タピオカを迎え入れるには、この上ないコンディションだ。


着いたら、店はちょうど空いていた。スタッフは全員、アジア圏の外国人だった。注文を受けるスタッフが、カウンターに両肘をつきながら対応しているのが少し気になった。

タピオカミルクティーを注文した。店員はすぐに「540円です」と会計をしようとした。

中途半端にタピオカ玄人な私は、<あれ?氷の量と甘さは聞かれないのか?>と思った。今まで行った専門店では、必ず店員側から聞かれたからだ。この店のメニューにも、氷の量と甘さをカスタマイズできる表記があった。氷普通、甘さ少なめというのが、私のお決まりパターンなのだ。それにしたい。

私 「あのぅ、氷と甘さはどうなりますか?」
店員「普通デス。」
私 「じゃあ、甘さは少なめにしてください」
店員「かしこまりまシタ。番号でお呼びしマス。」

会計をして、商品を待った。レシートを見た。番号がどこに書いてあるのかわからない。自分より前にいた人がいなくなったので、順番を察して商品を受け取った。自分は159番だったらしい。レシートを見直したら、最後尾が159の、10桁以上の数字文字列があった。これじゃわかんねぇよ(笑)、と思った。


ムスメが少しぐずりだしたので、すぐに店を出た。外は暑い。はやく飲みたい。待ちきれず、歩きながら一口吸い込む。待望のタピオカ、うんうん、なかなか美味しいぞ、味は。

何か違和感。あれっ?思っていたよりも、ぬるい?

氷が入っていない。


そういえば。商品待ちの間に、レシートの表記を見たことを思い出した。1杯しか注文していないのに「商品 2点」と書いてあったのが、気になったのだ。

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タピオカミルクティー ¥540
◎甘さ少なめ ¥0
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確か、こんな感じだった(実物のレシートは捨ててしまった)。


注文時の、私の論理はこうだった。

特に何も伝えなかった場合 :氷普通、甘さ普通 になるようだ。
だから
「甘さは少なめにしてください」と伝えたので :氷普通、甘さ少なめ になるだろう。

しかし、注文を受けるスタッフとドリンクを作るスタッフは別の人間だった。ドリンク作成者は、注文が特に書いていないから、氷は、入れない、という対応をしたのだろう。

と、ぬるいタピオカミルクティーを吸い込みながら、推察した。


たぶんそんな気がするなあ、だとしたら、オペレーションに問題あるんじゃないか?と、少し不満を覚えながらも、店まで戻って氷を入れてもらうのも面倒で、家で氷を入れて飲み直そうと思い、そのまま帰った。オープンして間もない店へ教訓を与える機会だったかもしれないが、致し方ない。

しかも結局、家に帰る道中で飲み干してしまった。暑い日だからこそ冷たく飲みたかったのだが、喉の乾きが勝ってしまった。



2日後。私はまた、同じ店を訪れていた。別メニューを試してみたくなったのだ。

荷物もあったため、持ち帰って家でゆっくり飲もうと考えて「氷なし、甘さ少なめ」で注文した。すると、

店員「氷なしは20円追加になりますがよろしいでショウカ。」


驚いた。

メニューを見ると、氷なしの部分を覆うようにシールが貼られていた。おととい来たときにはなかった。

この2日間で、氷なしの金額設定が変わっていたのだ。

思えば、前回(不本意にも)氷なしでもらったドリンクは、並々と容器いっぱいに入っていたように思う。某シアトルからやってきたコーヒーショップに比べると良心的だなと感じていた。

が、金額設定が変わったらしい。そうかそうか。うーむ。

とりあえず、氷は少なめで注文し直した。


家に帰り、冷凍庫から氷を追加し、冷たくしたドリンクをちうちうと吸い込みながら、ふと思った。

今日は、氷なしにしたい場合、20円を追加で支払う必要があった。
でも2日前は、氷なしのドリンクをタダでもらえた。求めてなかったけれど。

20円、得してたのかなあ。



ちなみに、2日後に購入した際のレシート。

希望通りの、氷少なめ、甘さ少なめのドリンクが出てきた。よかった。

なお、赤枠は、商品受け取りの際に呼ばれる番号である。この時は129番だった。やっぱりわかんねぇよ。


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