俺通信を送り続ける彼にいつしか恋をしてしまいました

出会った次の日から毎日LINEがくる
「おはよー」から始まり
「駅着いた」、「これから仕事ー」
「仕事終わったー」
最後は「おやすみ～起きたらLINE入れとくね」って
出会ったばかりだときっと何を話して言いかわからないから自分報告のLINE

次の日もまた次の日も



思いもよらない進展に心が着いていけない状態だった
こういう場合、男の人は何を思って
送り続けるんだろうか

出会った日はわたし酔っぱらいで
どんな会話をしたかもよく覚えてない

相手もそれはわかってるはずなのに

それから毎日、朝、夕方、夜とことあるごとにLINEをしてくれる
彼は「きっと覚えてないんだろうなって思ってLINEした」って後に言ってた

一番はじめのLINEは
別れた後の「駅着いた」という一言
わたしは
微かな記憶をたどりデートの約束をした覚えがあったから
「動物園に行くのは今週なの？」
って聞いてみた
その返事が
「仕事の合間にライブだったり練習だったりで休みの日は埋まっているからそれが終わったらかな」
っていうものだったから
あー社交辞令ねぇーって思って
「時間空いたら行こうね。
連絡ありがとう」
って言ってこれで終わりだと思ってた
普通は…だって飲んだ席の話しなんだからそんなもんよ

でも次の日もおはよーってLINEきた
それから毎日………
２日目のLINEでは
「てか記憶ありますー？」
て聞かれ、「すこしだけ…ごめんなさい」
って言ったら
「待ち合わせして誰？ってならないでよね」って言うし、
「あの日、俺が終電逃して店戻ったんだよ、でもそれで今があるから良かったんだけどね！」って
ん？なんだろう？どうなっちゃってるんだろ？
その日になにか約束をしたのかなー？
店での会話が全然覚えてないよ！
帰り道の会話だけ微かに記憶がある程度
でもそんな事は言えず「そうだね」と合わせておいた
その日の事を聞く勇気がわたしにはなかったから……
成り行きに任せた


そして4日目に
「お互いにお互いのこと話してないままだから一回会いましょう」って
「時間つくるから」って朝LINEが入ってた
びっくりした！
でも
私も頭の中がはてなでいっぱいだったから
「私も会いたいです」って言って週末会うことにしたの

当日はめちゃくちゃ緊張したよ
だって顔すらよく覚えていないんだからすごく不安だったよ

でも実際会ったら声も　
あ～この声だ～　って覚えていたし
顔も　そう！この人だー　って記憶がよみがえってきて
思ったより普通に会話ができた

とりあえず会って正解！

まず水族館に行ってご飯食べて
お茶して～とごく一般のデート
この後ライブの練習があるから
ベースを背負ってきてくれたんだよ～

そして時間ギリギリまでお話しした

彼は自分の今の仕事の経緯とか
趣味いっぱいあること
離婚したこと
これからは自分がやりたいことができればいいやって思っていること
独りだしねって

その日はほぼ彼の事ばかりで、私の事はあまり聞かれなかったな 

出会った日にすでにわたしは
べらべら話してたのかもしれないね
だってわたしが離婚したことや、子どものこともすでにわかってたし
年齢も知ってたし
何曜日休みで何をしてるのかというのもすでに知ってたくらいだからね

LINEで「今日頑張ったら明日は休みでしょっ」て言われた時はびっくりしたもん

だから今回は俺のことを分かってってことなのかしら？
彼は
何もかも包み隠さず話してくれた
休みの日の予定や、今現在決まっている旅行の日程や用事の予定などまで。

でもその時はまだわたしは心動いてない

だって目の前にいる人ははっきりいって初対面に等しい感覚だもの

そして別れたあとも
「スタジオ着いた～」って
練習終わって家に帰ってからも
「家着いた」って
「今度は動物園ね」って

あー次もあるんだ～
わたしでいいんだ～
そんな感情が浮かんだ

それからもLINEは毎日くる

その日を境に徐々に私の気持ちも変化してきて
マメな人だし
意外と真面目で嘘つかなそうな人だし
ちゃんと向き合ってみようかなって
思うようになってきた

だから返信を早めに打つようにしたし
彼になんて呼んだらいいって聞いて
ふたりの呼び名も決めた

やっぱり名前で呼ぶといっきに距離が縮まってなんか恋人同士のような会話になってきてる

わたしたち初めから付き合ってたの？
って思うほど彼とのLINEの時間も増えて戸惑いもいつしか消えてしまってる
なんならこれが運命の出会いってやつなのー？！
って感じてしまうほどに


今も変わらず俺通信をしてくれてる彼

だからLINEは途切れない

LINEでお互い爆笑することもあるほと心開いてる


そしていつしかわたしは彼のやさしい言葉に恋をしてしまった

彼のことばを思い出しただけで 胸がキュンとする 

ドキドキがとまらない

しあわせな気分にしてくれる

彼のことを知れば知るほど好きだなー
という気持ちが大きくなってる

知れば知るほど尊敬できるところが
出てくる

何に対しても一生懸命楽しんでる

わたしもそんな生き方をしたい
と思うようにもなった

彼が俺通信を送ってくれたから
今のふたりの関係が続いてる

次に会ったときはバーチャルからリアルへ

彼のぬくもりに触れたい
心からそう思う