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豆乳

豆乳を飲んだ。
吸うと紙パックがへこむ。
あぁ、口をはなすのがめんどくさい。
何の気なしに、ぶくぶくと、息を吹きこんだ。
紙パックの中に空気がたまり、へこみが膨らんだ。
入れすぎたかなと、思わず口をはなした。
豆乳があふれかえった。
思わず、うわぁと声を出す。
あたりまえだ。

久々に、後先考えず、こどものようなことをした。
あぁ、こんな感覚、久々だ。
思いつき、すぐにやってみる。
息をするのと同じ感覚で。
そのことが、久々だった。

たいてい、思いついたら自動的に検証し、リスク回避する。
それはもう、自然に、自動的に。
ハードルを見て、高さ、距離を確認し、自分の能力で飛び越えられるか想像し、可能であれば、足を踏み出す。
そのハードルを限りなくなくし、なにも考えない。
好奇心の赴くままに。
気づいたら体が動いていたことに、ふり返れば気づく程度に。

溢れ返った豆乳を見て、そんな感覚を思い出した。

こどもの頃の、あの感覚を思い出した。

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