『安全を買ったら仕事が増えた』
明け方の出勤にざわめく通りの反対側で、三郎は眠い目をこすりながら工場を歩いていた。
「もうこれで何度目か・・・」と心の中でつぶやく。
三郎は電子半導体工場で機械管理を担当している。
数か月前に、「液漏れしないから安全」との触れ込みでマグネットポンプを買っていた。
この工場で液漏れが起きたら大問題。
だからこそこのポンプを買ったのだ。
しかし、いま三郎が頭を抱えているのは液漏れではない。
ポンプの予期せぬ停止とその頻度だ。
「やっぱりここか・・・」
三郎が顔を上げると、消石灰スラリーがタンクからあふれ出していた。
そのマグネットポンプが設置された日、「これでオレの仕事が減る」との期待から、その日の晩酌はいつも以上に気分が良かったことを思い出す。
しかし今は、ヘルメットの下で額に汗を感じながら、その思い出を打ち消すかのような憤りを胸にマグネットポンプに近づいていく。
足元は消石灰スラリーで白くなり、滑りやすくなっている地面を慎重に進んでいく。
いつもは低いうなり声を出しているマグネットポンプが、やはりなんの音も出していない。
原因は明白だった。
スラリー液がポンプの軸部分に固着してしまい、回らなくなってしまったのだ。
「安全以前の問題じゃないか!なんで安全を買ったらオレの仕事が増えるんだ!!」
三郎は怒りのまま言葉を吐き捨てた。
排水処理設備は、電子半導体工場やメッキ工場といった場所でとても重要な役割を果たしています。
一般的にマグネットポンプはスラリー液用にはつくられていませんが、それでも、中和剤として使われる消石灰スラリーや水酸化マグネシウムスラリーの移送に使用されていることも多いようです。
スラリー液用に作られていない機械を使えば、当然故障の原因になってしまいます。
おそらく前述の三郎さんは、ポンプメーカーから「どんな移送液で使用するのか」という確認をされていたはずですが、その回答をしていなかったり、ほかの用途に使う予定だったものを入れ替えて使った可能性もあるでしょう。
そこで今回は、三郎さんの現場で起こっている問題を解決する一案をご紹介します。
スラリー液にはスラリーポンプ
このような課題に対処する一つの方法として、当然ながらスラリー液対応のスラリーポンプを活用する、という選択肢があります。
マグネットポンプの場合、その構造特徴から、スラリー液が入り込むと固着してしまい、ポンプの閉塞に繋がります。
これが突発停止や早期故障につながるわけですが、スラリーポンプは一般的に排水処理で出るスラリー排液に対応できるように設計されているので、スラリーポンプに置き換えるだけでポンプ管理業務が大幅に改善する可能性があります。
耐久性アップ
たとえば、今回のような場面でおすすめするのは、みつわポンプのマジカルポンプ。
このポンプは樹脂製で、今回のような消石灰スラリーや水酸化マグネシウムスラリーなど、摩耗性の高い液体にも耐摩耗性という点で有効です。
これらの液体はポンプの内側をどんどん削っていくので、通常のポンプではメンテナンス回数や交換頻度が多くなってしまいますが、耐摩耗性の高いマジカルポンプに置き換えれば耐久性が上がるのでポンプにかかる時間もお金も減らせます。
▼耐摩耗性に強い樹脂製スラリーポンプ▼
シール漏れにも強い
マグネットポンプを採用する場合、多くはその「シール漏れがない」という特徴に期待しているケースが多いかと思います。
スラリーポンプというと「漏らしながら使う」構造のグランドパッキンを使っているポンプが多いですが、このマジカルポンプは竪型のシールレス設計でシール漏れのリスクが低くなっています。
もちろんマグネットポンプのように完全に液漏れを封じ込めることはできませんが、一般的なグランドパッキンを使うスラリーポンプに比べて、各段にシール漏れのリスクは低く、安全性が高いものとなっています。
空運転にも強い
空運転による早期故障も、多くのマグネットポンプで頻発する問題の一つ。
みつわのマジカルポンプは、前述したようにシールレス構造なので、空運転にも高い耐性を持っています。
空運転が発生してもその影響は最小限に抑えられるので、「しまった!ちょっと空運転しただけなのにポンプが止まった!」なんてことはなくなります。
三郎さんと同じならマジカルポンプ!
排水処理設備の中和剤移送において、マグネットポンプの早期故障はよくある課題のひとつ。
三郎さんと同じようにお困りであれば、ぜひ一度みつわポンプへご相談ください。
▼樹脂製スラリーポンプ▼
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