2050 カーボンニュートラルと昨今の電力需給状況
こんにちは!及川です。
私は三ッ輪ホールディングスグループにおいて、電力事業を展開している
イーネットワークシステムズの代表取締役を務めております。
さて、昨年10月の菅総理の2050カーボンニュートラルの宣言以降、急速に進む脱炭素の流れに関して、先日タイムリーにも「脱炭素社会の実現に向けて、いま新電力にできること」というテーマで丸紅新電力の山本社長と対談する機会がありました。(※2021.2.18 対談記事に伴いリンク追加しました。)
対談記事は当社のコーポレートサイトにアップされるほか、5月下旬に発売予定のエネルギー専門誌「RE JOURNAL」にも一部内容が掲載される予定です。
今回noteでは山本社長とお話した対談のテーマについてレポートさせていただきます。
当然、記事の公開前ですので詳細は当社のwebと雑誌でご確認いただけますようお願いいたします!
丸紅新電力は当社と同じ小売電気事業者ですので電力販売においては競合となりますが、協業もしております。実は丸紅新電力から当社は、電気を調達(購入)しています。
普通、電力業界においては電源の調達先は開示しないのですが、当社の場合、業界のセオリー・慣習を無視してオープンにしています。
ちなみに、なぜ他の会社はオープンにしないのか?これは今回のテーマではないので、機会があれば次回以降で触れたいと思います。
さて、対談の話に戻ります。
今回の対談のテーマは、
「脱炭素社会の実現に向けて、いま新電力にできること」でした。非常に前向きで旬のテーマです。対談の内容について大まかに括ってみますと、
①日本卸電力取引所(JEPX)の高騰
②JEPX高騰の影響を受けない両社の強み
③サービスの特長
④温室効果ガス削減に貢献する両社のCO2フリー電力メニュー
⑤2050年に向けて両社の方針・方向性
という項目に分けられるかなと思います。
今回このnoteでは、新年早々から新聞・テレビでも話題になりましたJEPXの高騰に関して若干触れておきます。経済産業省の総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会電力・ガス基本政策小委員会において、主な要因として下記の報告がなされました。
◼︎寒波の到来に伴う電力需要の増加
◼︎悪天候による太陽光発電等の発電量の低下
◼︎燃料在庫の減少に伴うLNG火力の出力低下
また、先月は電気の予備率が1%しかなく、各報道でも「需給がひっ迫!」「電気の予備率1%」などと電気が足りないとの報道も多数見受けられました。
これらに関して若干解説しますと、LNGの在庫が減少している中で寒波が到来、これにより電力需要が増加、しかし日中頼りの太陽光発電が悪天候により期待通りに発電せず、足りない分はLNG火力で補うはずが、LNGの在庫が少ないので大事に使う、結果、JEPXに出るはずの電力量(玉)も少なく、
JEPXでの電力卸価格が高騰したということです。
また予備率についても解説しますと、予備率は電力の需要に対する供給量の余力です。
当日の需要を想定して、それに合わせて供給力(発電所の稼働)を決めます。
今回の場合、LNGの在庫も少ないわけですからLNGを大事に使う必要があります。
即ち需給想定ギリギリで使うことになります。
つまり、必然的に電力の予備率は小さくなるということになります。
ちなみに日本の電力会社は、予備率:数%で運用する技術を保有しておりますので、我々電力業界の者からすると、今回の数値は驚くべき数値ではございません。一連の報道では、予備率が数%しかなく「日本の電力がピンチ」というニュアンスの報道が多く不安になられた方も多くいらっしゃると思いますが、上述の通り、真相としてはLNG在庫状況などもあり電力需給ギリギリの運用の結果、ある意味計画通りに上手く運用できた結果の数値であるとご認識いただければと思います。
さて、対談のテーマ①JEPXだけでもこのボリュームとなってしまいました。
その他内容詳細は当社webと5月下旬発売予定の「RE JOURNAL」をぜひご覧ください!
●次回の記事
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