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起業したいなら飲み会の幹事をしなさい


   
学生や20代の若者達が私の所に訪れ、「起業したいけど、何からしていいのか分からない。」「どうやったら起業できるのか。」と聞かれる事が多いのですが、それに対して私はいつも「飲み会でも合コンでも何か幹事になったことありますか?」って聞いています。

大概の学生たちは「はい?」となります。


私の会社は、主力事業としてフィリピン・セブ島にて日本人が英語留学する語学学校を運営しています。いわゆるフィリピン留学(またはセブ島留学)の学校経営になります。日本人留学生が安心してフィリピン留学できるように、現地でのサポートやアドバイスを行っています。


その傍ら、個人的な活動として、ここセブ島にて年に2回、1,000人規模のセブ島ビーチフェスを主催しています。日本やアジアで活躍する有名DJによる音楽イベントで、参加者はセブ島在住の若者たちやフィリピン留学生、最近ではこのフェスのために日本から観光でセブ島に訪れる方が100名以上をいる、セブ島では無くてはならない一大イベントになりました。イベントの最後には特大花火を用意したり、最近ではスペイン・イビザ島の泡パーティーを模倣して、泡の演出も行ったりと毎回新しい事にチャレンジしています。


元々のキッカケは、セブ島には語学学校がいくつかあるのですが、学校間や現地の人達の交流の場が全くない所で、万国共通で安心して楽しめるのが、日中の音楽フェスであると考えたときです。

"海外における日本人による音楽ビーチフェス"
  
初めての時は右も左も分からない状態で、会場はどうする?DJは誰を呼ぶ?参加費は幾らにする?集客はどうする?当日の運営は?受付は?などなど、やることリストを作ったら無数にあるものを運営メンバーと共に潰していきます。

企画、会場、集客、運営、演出、売上など、イベント1つ開催すると、それぞれが必要な要素になります。

 
これは、会社運営にも通ずるものがあり、
「どんな事業をするのか?(企画)」
「どこでするのか?(会場)」
「誰に売るのか?(集客)」
「誰がどのように売るのか?(運営・演出)」
「いくら売り上げるのか?(売上)」

など、会社が日々事業活動している要素を1つに凝縮したのが、イベント運営になります。
  
  
では、飲み会を幹事として開催するのに、どんな要素が必要となるか。それは上記と同じものになります。
  
  
《ケーススタディ》
  
あなたは所属する会社の懇親会の幹事に抜擢されました。業務の一環として嫌々やるよりも起業の第一歩と考えて全力でやってみましょう。
  
  
①(企画)どんな懇親会にするのか考えましょう!
  
時期によっては、花見や暑気払い、忘年会、新年会にするのか。誰かの歓迎会や誕生日会にするのか。会社の行事では、題目は始めから決まっている事が大半ですが、中身のコンテンツを考えるのも必要です。ただの飲み会ではなく、合間にお互いが腹を割って話せる時間を設けたり、社内に纏わるクイズを用意してもいいです。
  
大事なのはアイディアを出すために"知恵を絞る"事です。激しい運動した後、汗まみれになったTシャツをギュッて絞った時に滴る雫をイメージしてください。それと同じように脳みそに絞れるくらいの汗をかいてください。その雫が知恵です。アイディアです。
  
  
②(会場)会場をどこでするのか考えよう!
  

花見ならどこの公園や広場にするのか。お店でも人数によって幅広く会場が変わります。演出にもよります。出し物が用意されているのであれば舞台が用意できる場所を選びます。
  
ここで大事なのは、"情報"です。エリアによっても違いますし、人数やテーマによっても会場は大きく変える必要があります。その時どれだけの情報を持っているか、知らなかったとしても今は簡単にインターネットで情報が手に入るので収集するだけです。先輩や周りに聞くのも情報です。
  
  
(※)
注意点としては、その懇親会自体が毎年恒例で、会場も決まっていてやることも一緒。ただ会場の予約の連絡して、人数確認して、お金を回収するだけだったとしたらそれは幹事とは言いません。ただの担当です。
  
「起業家は人の真似をした時点で起業家ではない」と考えています。常に新しいものの取り組みや取り入れをすることでイノベーションが生まれます。ただの飲み会幹事でもあってもそのスタンスを持ちます。

もしあなたが本気で起業したいと願うならです。
  


③(集客)誰を呼ぶか考えよう!
  
これは会社の行事なら所属部署や役職などで決まっているのかもしれませんが、最近では懇親会を平気で断る若者たちも多く聞きます。懇親会に参加しない人が悪いではなく、もしあなたが幹事なら全員参加を目指しましょう。
   
一般的なイベントだったら全く参加者がいない所から集客が始まりますが、会社の懇親会ではあれば、ターゲットユーザーが決まっている状態ですので、全力で集めましょう。
   
ここで大事なのは"コミュニケーション"です。これは頭に(日頃の)と付けてもいいぐらいです。普段から周りとコミュニケーションを取っている人が幹事になると比較的人数は集めやすいです。一方で、自己中的な人や周りに敵を作るタイプの人が幹事になったら、参加するのが1つハードルができます。
   
これは起業する時も同じです。成功している起業家やリーダーになる人の共通点は「みんなから好かれている」です。一方で「みんなから好かれてない」人が、突然ビジネスを始めて、周りに自分の商品を買って買って!と言っても誰も買いません。よほどその商品に魅力があったら買うかもしれません。それは企画力情報によりますが、コミュニケーション力としてはゼロです。
   
   
④(運営・演出)誰が何をするか考えよう!
  
その懇親会も一人でできる規模ではあれば、運営・演出も幹事がすればいいと思われがちですが、どんな規模でも必ず"誰か"を見つけましょう。
 
乾杯の音頭も幹事がするよりも、上司やその日の主役の人にお願いした方がよく、それを突然振るのではなく事前にお願いすることも必要です。それが根回しと言われるものです。
また、「何かあるごとに大きな拍手で盛り上げて」と仲の良いスタッフに根回ししてもいいです。それも1つの演出です。
  
ここで大事なのは"段取り"です。
趣旨のない飲み会は本当にダラダラしがちになります。会の終わりも読めずに、話したい人や飲みたい人だけがダラダラ話している飲み会は、「飲もう会」ならぬ「不毛(ふもう)会」です。せっかく来てくれた皆んなも離れてしまい、次回の集客が難しくなります。
  
終わりの時間を明示しておくだけでもそれは回避されますし、締めの挨拶も誰かに決めておく事も効果的です。段取りよく根回しして、周りを巻き込んでいきます。その時の雰囲気で空気を読むことも大事ですが、それも段取りあっての軌道修正になります。
 
  
⑤(売上)最後に、どう売り上げるか考えよう!
  
これは会社の懇親会では、参加者からの徴収型なのか会社経費なのかで異なりますが、幹事としてはその会でどれぐらいの金額になるか把握しましょう。それが経営の一歩であります。
  
この会場でこんな事すると、幾らぐらい掛かって幾ら集めないといけない。それが会社経費だったとしても、事前に予算のお伺いを立てれる人と、会場や企画だけはするけどそこは一切見ない人と分かれます。後者が圧倒的多い中、しっかり予算汲みできる人の方が目線を高く評価されます。
  
一般的な会社の事業活動では、売上主義よりもそこから運営コストや集客コストを除いた利益主義になるのですが、今回は飲み会がテーマなので売上としています。
  
と言うのも、時たま幹事をすることで参加者よりも労力を費やしたので、集めた金額(売上)から実際掛かった金額(費用)を差し引いたお金を対価として懐に入れようと考える人もいますが、最後の最後で幹事失格です。
  
幹事になった事で、上記の多くのことを学び体験できた事で逆に勉強料を払ってもいいぐらいです。
  
事業活動で利益を捻出する必要があるのであれば別ですが、そこは(ただの)飲み会の幹事です。周りを愉しませる事に終始して、必死になって考えて誰よりも行動して、終わったときに参加者や上司から「これは幹事がもらっておきなよ。」と言われたお金があったとしたら、それは有り難く報酬として頂いていいものです。
  
それが起業家としての初めての報酬になります。

  
    

以上、冒頭の私の所に訪れてくれた学生や若者たちには、ここまで詳細に話してはないですが、「飲み会や合コンの幹事をした事がありますか?」の質問の意図は全てを凝縮したものになります。幹事をした事があるのであればどんな気持ちでやったのか。した事ないのであればこんな経験ができるから是非やってみて。って話をいつもしています。
  
  
たかが幹事、されど幹事です。


是非、皆さんもこんな気持ちでやってみたら、その日は不思議な光景になるかと思います。



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おわり


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