見出し画像

パリオリンピック2024の開会式を評価する3つの理由

パリオリンピックの開会式について、いろんな人がいろんな話をしてますけれども、僕は大変素晴らしいショーだったと思います。高評価のポイントは3つ。

1. セーヌ川を舞台にした壮大な演出

世界初、スタジアム以外の広大な領域をライブ会場として演出したのは凄い。全長6キロと聞いているが、その場を4時間にわたって演出し続けたエネルギーは前代未聞であり、業界の端にいる者として尊敬せざるを得ない。

出演者全員のマネジメント、カメラ中継のマネジメント、75隻の選手船のマネジメント、複数のカメラ船のマネジメント。上手くいかなかった時のリカバリー。道路の封鎖やテロ対策に警官や軍がカメラに写り込まない配慮、カメラ外で起きている事を想像するだけでも気が遠くなる。

2. 最新技術と伝統の融合

エッフェル塔に仕込んだ電飾が素晴らしい。パリを象徴するあの鉄塔がまるで生きているかのように輝き、パリの夜空を彩っていた。築100年を超える塔が最新型として世界に再デビューを果たすと同時に、個人的には1927年にリンドバーグが見たパリの灯りも彷彿とさせ、歴史と現代が交錯するような感覚を覚えた。そしてあの宙に浮いている聖火台!一体どうやって浮いているのか、聖火はどのように燃え続けるのか。技術的な裏側が知りたくて仕方がない。

リンドバーグが見た1925年のエッフェル塔

3. 強靭なチャレンジ精神

全体のチャレンジをどう捉えるか。歴史的または宗教的な表現において世界的なバッシングが起きている。今回の開会式はそれを承知したうえで開催されている。ここからは「フランスは世界の評価を気にせず勝手に未来を作る」という強いメッセージが受け取れる。

各パートでの表現の是非は各論としての議論にまかせるが、全体としてのチャレンジ精神と自信は強靭であり、クリエーターとしては、フランスという国に対して尊敬の念を持たざるを得ない。

すべてのネガティブは時間とともに沈静化すると思うが、これだけのイベントを実施した事実が消える事はない。好き嫌いとしては実は中の上ぐらいなのだが、上記の3つのポイントにおいて私はパリオリンピック開会式を大きく評価したい。異論は認めます。

SNSで議論するには論点が多すぎるのよ

※エッフェル塔資料写真の使用について問題あれば対応いたします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?