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「論破」する人はディベートが弱い話。

最近「論破」って流行っていますよね。。。これに関して思うところがあります。

前提として、私パーラメンタリーディベートという競技を14年やってます。一応大会での優勝経験は34回でして、そして昔の話ですが2015年の世界大会でも一応ベスト8なので小言くらい言ってもいいかなと、、

ディベートを真面目に学んだ人って「論破」という言葉が1番嫌いです。

ディベートを真面目に学んでトレーニングを受けた人で論破してる人みたことありますか?もし「論破」なんてしようとしてる人がいれば三流です。もっと上品な言葉で表現すると、クソです。

皆さん、根本的にディベートのルールを誤解してらっしゃるかなと。ディベートって論破した方が勝ちじゃないんですよね。

第三者である審査員を「説得」して投票を得た方の勝ちなんですよ。だから論破しても戦術的に意味がないんです。審査員からの票が全てなので。

イギリス元大統領のボリス・ジョンソンはオックスフォード大学のディベート部の元部長です


相手を倒すより、第三者を説得する方向にベクトルが向いてるからディベートを真面目にトレーニングしている人であれば「論破」とか興味がないんですよね。

論破しても、試合で負けたら意味ないからです。

あと、心構えに関しては他のスポーツも似てるとこあると思いますね。

武術や格闘技を訓練した人は絶対に路上で喧嘩しないですよね?そんなことやってる人がいたら三流です。

それと同じです。

武術や格闘技をプロとしてやってる人って、襲われても案外やり返さないで、じっと耐えるんですよ。やり返すと殺しちゃうかもしれないからです。


女子プロレスラーの長夜千草さん

魔裟斗さんも長与千種さんも素人に襲われた時、自分が怪我しても絶対にやり返さなかったんですよ。やり返すと殺しちゃうからです。

ディベートも近いです。

しっかりとディベートのトレーニングを受けた人は素人相手に論破なんかしません。

そもそも基礎を学んでない相手と同じレベルで議論できないんですよ。すぐ感情的になるし、ロジックの基本的な概念がないと噛み合わないので。

そして

ディベートを学んでる人程、「論破」がいかに意味の無い行為か認識しています。何も生まないので。

第三者を説得しなきゃいけないのに、相手に食ってかかってたら「キモい」ですよね?

印象が悪いですよね?

そんなキモい人に投票したくなりますか?

ならないっすよね?

第三者を説得するには好印象が大事なんですよ。

相手に食ってかかった瞬間に好印象じゃなくなるんですよ。キモい人になるんですよ。 

ディベートやってる人って言葉に敏感なんですよ。

この言葉は誰かを傷つけないか?そう、いわゆるポリコレです。コミュニティとしてポリコレに敏感です。

この表現は誰かを傷つけないか?この論題は誰かを傷つけないか?常に考えながら運営がなされてます。

だから論破って絶対しないんですよ。

論破する人がディベート弱い理由わかりましたか?

喧嘩する人が格闘技弱いのと同じです。


論破でなくて対話をしましょう。


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