見出し画像

リーバイスのジーンズ

 
 僕は友達の友也の経営している古着屋に来た。
 謝罪をするためだ。

「ごめん、せっかくもらったTシャツなんだけど、この間新幹線で見知らぬ女に強引に交換されてしまったんだ」
「新幹線でまた強姦されたのか?」
「いやそうじゃなくて、Tシャツを交換」
 もうこのくだりはパターンだ。

 くどい、くどい、くどすぎる。
 漫才のネタ合わせじゃないんだから。
 毎回毎回同じことを。
 いやいや、友也が悪いのではない。悪いのはあの女だ。
 まったく何なんだ、あの女は。

 友也は「そんなことはわかっているよ、見ればわかる」といった表情をして僕の肩をぽんぽんと叩いた。

ここから先は

2,161字

 うれしい! 楽しい! そんな甘野充の世界にぜひともご参加を!  小説が好きな人、創作を愛する人 、…

甘野クラブ

¥400 / 月

甘野クラブ Premium

¥1,000 / 月

もしも僕の小説が気に入ってくれたのなら、サポートをお願いします。 更なる創作へのエネルギーとさせていただきます。