20世紀少女 25
25
「ゴーストバスターズが観たい」
とハルが言った。
「ああ、新作が公開中なんだよね。拓司と観に行けば」
と僕は答えた。
「あなたと観たい」
とハルが言う。
「どうして?」
僕はちょっと意外な気持ちでハルに訊ねた。
「だってゴーストバスターズって言えば、レイパーカー・ジュニアでしょう? 「ゴースト!・バスターズ!」って」
ハルは「ゴースト!・バスターズ!」と歌った。
「うん。そうだね」
「あの時を知っている人と一緒に、あの感じで一緒に観たいの」
「うん、あのとき、映画館で観たあの感じだね」
「そうなのよ。新しい学校のリーダースじゃないあの頃の感覚なの」
「うん。あの頃はまだCGとかなかった。フィルムの合成で作っていて、当時としては結構よくできていた」
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