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短編小説

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僕の短編小説集です。
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2023年3月の記事一覧

箱推し

「僕は箱推しなんだよね。誰か一人が好きだっていうんじゃなくて、みんなが好きなんだよ。だってみんなそれぞれに違いがあって魅力的だから。明菜ちゃんは影があるけど魅力的だし、環奈ちゃんはキャピキャピしていてかわしいし、敦子ちゃんは清楚な感じがいいし、美嘉ちゃんは声が好き、愛子ちゃんは歌がうまいし、仁恵ちゃんはダンスがキレッキレだし、ともかくみんなが好きなんだよ」  僕は彼女に向かって熱弁した。 「私、アイドルじゃないし、グループに入っていないし、他の人知らないし」  彼女は冷めた

短いのがいい

「Twitterは短いからnoteみたいに読まずにスキするとかないのがいいわよね」  と彼女は僕に言った。 「うん。ツィッギーのスカートは短いのがいい」  と僕は答えた。 「短いからちゃんとぜんぶ読んでからイイネするし、良いと思わないとイイネしないし」 「短いから綺麗な足がちゃんとぜんぶ見えているし、良いと思わないとあんなに人気はなかったよね」 「忖度がないのよ」 「損得勘定がないんだよ、あの魅力には」 「noteでときどきものすごく長い記事があるけど、短く切って記事を分けて