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「魔法の鏡を持ってたら、私の暮らし、映してみたい?」 と小百合は僕に尋ねた。 「何? ユーミン?」 と僕が聞き返すと、小百合は嬉しそうに、「あるのよ」と言ってほほ笑んだ。 彼女は僕の部屋の壁に、15インチサイズのモニターを設置した。 「これが魔法の鏡よ」 と言って、またほほ笑む。 これはアマゾンの音声操作デバイスだよね、と僕は思う。 電源を入れると、インカメラでそれを覗き込む僕らの姿が映し出された。 「ね、普通の鏡みたいでしょう? だけどね、これは魔法の鏡なの
僕の目の前で、彼女はおいしそうに朝食を食べる。 幸せそうに朝食を食べる彼女は嬉しそうで、よく食べる彼女はちょっとぽっちゃりとしていて、かわいらしい。 「私、今とってもしあわせ。もう、死んでもいい」 と彼女は言った。 僕はその言葉が聞きたかった。 僕は飼育家だ。 人間を食料にしている宇宙人と契約をし、おいしい食料を育てている。 僕は得意な料理で、宇宙人が好む味に仕上がるように、女にエサを作り、与える。 宇宙人は、若くてぽっちゃりとした女性が好みだ。程よく肉が