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J3、奈良クラブかく戦う。(経営面)

みなさま、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。さて、元旦の今日、さっそく初詣に行ってまいりました。おみくじを引いたらなんと、、、大吉だったのはよかったものの、慢心して失敗を招きやすいとのこと。神様よく見てる。笑

今日引いたおみくじ。

さて、では本題。J3 という未知なるリーグで奈良クラブはかく戦うのか。スポーツ面は監督の口からってことで、僕は経営面の話をしてみたいと思います。

1.目標設定

JFLでは優勝したので、J3でもこのままの勢いで、なるはやでJ2に上がってしまいましょう!というサポーターの気持ちはよくわかるのですが、僕が考えていることは少し違います。J2にあがったときに、J3にすぐに落ちてこないような力を持ってJ2にあがるということです。

まずは、J2の昇格条件を見てみましょう。
以下に記載のとおり、(1)J2における年間順位の下位2クラブがJ3に降格し、J3における年間順位の上位2クラブがJ2に昇格する。

つまり、J2ライセンスを受けた上で、2位以内に入ることが必要です。では、J3で2位以内に入ることが数字の面で見ればどうなのかを見てみましょう。(以下の数字は2021年度の数字を記載。)

①2年目に2位以内に入り、3年目はJ2で残留できる状況を想定した場合
年間予算で見ると、1年目(オレンジ:3.3億~3.8億)、2年目(青:3.8億~5.9億)、3年目(赤:7.6億~8.5億*3年目にJ2)

②2年目に2位以内を逃し、3年目もJ3で戦う場合
1年目(オレンジ:3.3億~3.8億)、2年目(青:3.8億~5.9億)、3年目(黄:5.5億~7億*3年目もJ3の場合)

Jリーグ経営情報(チーム売上高)

現実的には、2023年シーズンの年間予算で3.5億程度、2024年シーズンで5億程度年間予算を達成する状況でなければ、J2にあがったとしても、1年でJ3に逆戻りしてしまうと思われます。2024年シーズンで5億年間予算があった場合、2025年シーズン(J2)では、7.5億~8億での予算編成は不可能ではないと思います。そこから逆算すると、2023年は3.5億、2024年シーズンは5億が予算として持つべき最低ラインかと考えています。

2.奈良クラブの現実的な予算

昨日のnoteにも記載したとおり、奈良クラブは現状債務超過すれすれ、3期連続の赤字です。そのため、2023年シーズンは最低でも黒字は確保するという予算設定を行わなければなりません。僕が新拠点「ナラディーア」の建設を急いだ理由もここにあります。ナラディーアが生み出す収益を奈良クラブの収益に計上(全部ではないけど)できるためです。これまで外部に支払っていたグラウンド利用料はかからなくなります。(その他さまざまな形で収益を上げる仕組みが構築されています)

また、J3昇格に伴ってスポンサー収入、チケット売上の増加などの寄与が見込まれるため、以下のような予算編成を行いました。目標として想定している3.5億には若干及ばないものの、黒転させつつ、3.5億が見える位置をキープしつつ、あと2千万はシーズン始まってからの努力で上振れ可能とみています。

奈良クラブ予算

3.力を注ぐべき項目

では、なぜ3.5億ないと戦えないか。という部分ですが、J3にはJ3を戦うにふさわしい強化費があります。以下、J3の強化費一覧ですが、2023年の予算編成では、2021年で見ると中位より少し後ろのオレンジのあたり。本当は1.8億ぐらい欲しいところですが、2023年の全体予算から見ると、1.3億あたりがギリギリだと思います。2024年は1.7億~2.3億あたり(黄色)、うまく戦えればこのあたりの数字でもJ2昇格は十分可能だと考えます。そして、2025年にはJ2に上がった場合、残留には最低3億~4億は必要でしょう(赤)。J3の場合だと2.5億~3億あれば3年目には確実にJ2が見える水準と言えます。

Jリーグ経営情報(強化費)

上記のように年間予算と強化費のバランスで見ると、J2に上がって定着するためには、2年~3年でJ2昇格を目指すことが理に適っているといえます。

3.5億まではなんとなく筋道が見えますが、5億となるとやはり現時点ではなかなか数字をイメージできない状況です。

以下、スポンサー収入ですが、奈良クラブの来期目標2億に対して、あと1億ぐらいは上積みが必要そうですし、J2となるとやはりスポンサー収入4億は必要そうです。また、入場料収入で見ると、コロナ禍前と比較するとやはり3500万~4500万ぐらいまでの上積みが必要かなと思います。)

Jリーグ経営情報(スポンサー収入)
Jリーグ経営情報(入場料収入)

ざっと見てみましたが、やはりスポンサー収入が肝となってくるかなとは思いますが、そのためには観客動員数が高い位置で定着することが必要になってきます。結果、JFL時代にやってきたことをさらにレベルを高めてやっていくことに尽きるといえます。

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