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【PJCS2022 6-3 160位代】ライコウガノン構築解説

はじめに

 こんにちは。チーム千里眼の密林(@miTSUriN_miri)と申します。

 この記事は、去る6月11(土)に開催されたJCS2022予選にて、私が使ったライコウクワガノンについての構築解説記事です。このデッキを用い、予選では6-3ドロップ、160位代で惜しくも敗退となりました。ふがいない結果ではありますが、優勝を狙えるポテンシャルは十分にあるデッキだと思いますので、こうして記事にしようと思います。
 
 一部有料となりますが、ご覧いただければ幸いです。

① 当日のマッチングと勝敗結果

1戦目 モルペココントロール ○
2戦目 パルキア ○
3戦目 ハピナスミルタンク ○
4戦目 ミュウ ○
5戦目 パルキア ○
6戦目 ハピナスミルタンク ×
7戦目 パルキア ×
8戦目 パルキア ○
9戦目 ミュウ × ドロップ

② ライコウガノンとは(簡略に)

 ライコウクワガノンとは、裏工作を軸に、「メロン・キバナで即起動するたねV」という強みを活かしながら、後手からでもサイドレースで有利に立つことを狙うデッキです。
 もっとも典型的なまくり手段は以下のようなものです。

① 後1、場にVを置かない状態でメッソンで「どんどんよぶ」を宣言
② 先2、相手のパルキアVSTARが「あくうのうねり」でメッソンを取る
③ 後2、ライコウVを置いて前のメッソンを進化、裏工作→回収ネットで入れ替え
④ 裏のメッソンを進化させてキバナやメロンをサーチ、メッソンにつけていたエネをライコウVに加速。手張りライトニングロンドでパルキアVSTARを倒す

 こうした手順を踏むことで、相手が1-2-2-2(1)の、4ターンかかるサイドプランを取らなければならないのに対し、こちらは一方的に2-2-2、3ターンのサイドプランで戦うことができ、一手勝ちの盤面になります。
 また、ライコウVにタフネスマントをつけて耐久を底上げすることでパルキアVSTARの攻撃を一回でも耐えることができれば、更に勝利はゆるぎないものになるでしょう。

 これはあくまで一例であり、パルキア対面専用の動きですが、他のデッキやプランにも後手から対応できるよう、様々な捲り手段を入れています。それを加味した、私の各マッチングに対する相性概観は以下のようなものです。

③ 各対面の相性概観

パルキア      先手 とても有利 後手 微有利
ミュウ       先手 有利 後手 有利
ゾロアーク     先手 有利 後手 有利(レシピ次第で微有利)
アルジュラ     先手 展開により有利~不利 後手 五分
ハピナスミルタンク 先手 とても有利 後手 とても有利
裏工作アルセウス  先手 有利 後手 有利(レシピ次第で五分~不利)
ドガスダイナ    先手 不利 後手 不利
レジギガス     先手 有利 後手 五分
アルセコケコ    先手 微有利 後手 五分
ゼラオラファイヤー 先手 有利 後手 微有利

 以上のような認識を持っているため、デッキの選択についてはほぼ迷わない形となりました。パルキアが今回圧倒的に強い環境であるため、パルキアとの二択、という形で検討を進めてはいましたが、「絶対的Tier1かつ強者が最も多く握るであろうパルキア/ミュウ」に有利が取れるデッキを握らない選択肢はなく、懸念対面のジュラルドン・ドガスダイナは減少傾向にあるという点もこのデッキの優位性を後押ししていました。

 ここまでお読みいただき、ありがとうございました。以降は有料となりますが、当日持ち込んだデッキリスト、採用カードの意図、不採用カード候補、各対面での動きと相性分析の意図解説、このデッキの弱点などを記しています。
 かなり細く、難しいバランスで成立しているデッキのため、一朝一夕にデッキやプレイを再現できるようなものではないと思っていますので、このデッキに興味のある方には、是非ご購入いただけますようお勧めします。


 ご購入いただき、ありがとうございます。大変励みになります。

④ デッキの構築経緯について(以下有料)

 このデッキを作るにあたってまず思考のスタートになったのは、「VSTAR/VMAXのポケモンを主体とするデッキは、たねとなるVを最初に置けない時や、後手を引いた時の痛みが激しい」という点です。

 後手を引いて仮に先手2ターン目でたねVを取られたと仮定した場合、サイド2の先行を許すことに加え、VMAX/VSTARを二回の攻撃で倒しあうデッキ同士の対戦においては、倒された返しのターン(後2)であたらしいたねVを用意しているようでは、それもボスを絡めれば一度の攻撃で倒されてしまう、つまり攻撃回数を一回節約されてしまうことになります。

 図式化すると以下のようになります。

「後手」はとても不利

 上記不利状況を打開するためには、後1で三体のたねVを置き、後2で取られなかった二体がいずれも進化をする、というのが最も分かりやすいですが、そう簡単にできることではないでしょう。そして、環境に先2先3と連続で裏を呼びつつ220打点を出すことが容易なデッキが上位2デッキを占めている以上は、この問題を無視することはできないと考えました。
 もちろん、こうした問題に対応するために、サイド一枚の非Vアタッカーを運用したり、それに加えてサイコジャンプや雪道ツツジを絡めたり、継続的に一撃でVSTAR/VMAXを倒す打点を用意したりするのが今の環境上位のセオリーですし、当然一定程度有効だと思っていますが、裏のVを取り続ける動きに対する解決に必ずしも毎回なり得るわけではないと思っています。

 こういった不利の打開に対する別のアプローチとしては、相手がサイドを一枚しか取れないターンを作ることが一つ有効です。それを実際に行っている最も典型的なデッキが、ヒスイゾロアークVSTARのデッキでしょう。このデッキはディアンシーを絡めることで、サイド一枚の先行を許したのち、こちらが2-2-2を狙う、というのが最も典型的な後手からの捲り方です。
 しかし、ヒスイゾロアークはコンボに依存した性能故の安定性の低さや、クロススイッチャーというディアンシーを乗り越えるカード、非Vアタッカーの不足など、デッキとしての課題が多くありました。

 その中で、現環境最強のパルキアVSTARを、たねポケモンを置いてから即起動して倒すことができるポケモンとして、ライコウVに白羽の矢が立ち、CL愛知直後から検討が始まりました。
 そこにはメロンかキバナを絡める必要がありますが、「場に非Vしかいないターンを作って、サイドを1枚とらせたターンの返しからサイドを2枚とり続けることができれば勝つ」というのはこのデッキの基本的な戦術になっています。したがってこのデッキは基本的に「最低2エネで起動するたねVと、それを置いたターンから即起動するためのメロン・キバナ、それらを安定して運用するための裏工作」で構成されています。

 しかし一方で、こういった戦術だけで対応するのが難しいデッキも存在しています。それの最も典型的な例が、ミュウVMAXのデッキです。現状ミュウVMAXを後手2の即起動から倒すことのできるたねポケモンVは、かなり条件の厳しいガラルファイヤーVくらいしか運用に足るカードが存在せず、これを使うためにはデッキのエネルギーをかなり悪に寄せないといけないため、メロンとの相性が極めて悪いのが問題になります。したがって、ミュウVMAXを攻略するには別のアプローチが必要になりました。

 このようなアプローチを必要とするデッキは他にいくつか存在し、それらに対応するためにこのデッキはバレットとしての様相も呈してきているのが現状です。以降は想定Tier表と実際のデッキリストを踏まえ、採用カードの具体的な運用方法に触れながら解説を行います。

⑤ JCS2022の環境予想

前提となる各種大会での使用率

 JCS時点で、我々が予想していた環境図を以下に記していきます。環境予想には、当チーム所属のしらいし(@shiraishi_poke)が作成しているシティリーグの結果まとめnoteや、彼の見解を大いに参考にしました。

 今環境は、前環境と比較し、「ダークファンタズマ」の発売のみが変更点と言えるでしょう。そして、その中で大きく環境に変化を与える変数は「ヒスイゾロアーク」の台頭と、それに応じて減少した「アルセウスVSTAR」程度しかなく、前回CL横浜との変化が少ない大会であると予想していました。
 前回CL横浜では、パルキアが約30%、ミュウが約18%の使用率でした。

 次に、直近一週間のシティリーグの入賞デッキ数は以下の通りです。

引用元:https://note.com/shiraishi_poke/n/nab47b53ea7eb

 「シティリーグ使用デッキ」ではなく「入賞デッキ」である以上、ある程度マイナーデッキが弾かれて、メジャーデッキの使用率が高くなるようなデータだとは考えていますが、それでもパルキア・ミュウの圧倒的上位環境はタイムゲイザー・スペースジャグラー時点と変わっておらず、また概ね他のデッキの割合もある程度正確に概観できると考えました。
 ただし、デッキの増加・減少の傾向は顕著に見るべきで、ヒスイゾロアークの増加・アルセウスジュラルドンの減少は注目に値する部分でした。それを踏まえ、我々が作成したTier表が以下のものです。

実際のTier表(JCS2022時点)

※「Tier」の基準は使用率によるもので、デッキの強さを意味しない

 その他、「白馬パルキア」「アイアント」「ディアルガ」「ダークライ」「ゲンガー」「ヒスイウインディ」あたりを、「もしかしたら当たるかもしれないデッキ」と位置付けていました。

 Tier1は前回環境から大まかな変化はなく、Tier2はゾロアークの増加とジュラルドンの減少を反映させたものに。ハピナスは他デッキにくらべパルキア対面の勝率が担保できそうだったことから増加の予測。裏工作アルセウス・アルセウスコケコはいずれもゾロアークに弱いことと、アルセウスコケコ・ゼラオラファイヤーは言うほどパルキアにもミュウにも有利ではないことから、研究が進み減少傾向にあると結論しました。
 その他デッキに関しては、パーセンテージの振れ幅が1%程度だろうと予測し、環境考察にはほぼ組み込みませんでしたが、当たるかもしれないことから仮想敵としての練習は行っていました。実際に環境での立ち位置・対策カードの考察をする上で考慮に入れたのは表内のデッキ(特にTier3以上)がメインの対象です。

⑥ デッキリストと採用カード解説

デッキリスト

 本大会で私が使用したデッキリストは以下の内容です。 

デッキコード[VfkFF1-ZxeIgv-FfkbkF]

このデッキの基本戦術

 このデッキの基本戦術は大まかに言って三つです。

プランA メロン・キバナを合わせ、相手の弱点を突けるポケモン(ライコウVやガラルサンダーV)を即起動してテンポを取って勝つ
プランB 相手の準備が整わないうちからクワガノンVのパラライズボルトで動きを縛ることでテンポを取って、その間に一方的に場を整えて勝つ
プランC クイックシューターとクワガノンVを組み合わせることで、相手に攻撃の機会を一切与えずにサイドを一方的に取る

 プランA・Bに関しては直感的に理解がしやすいと思います。Aの手順は冒頭に掲載した通りの、以下のようなものです(再掲)

① 後1、場にVを置かない状態でメッソンで「どんどんよぶ」を宣言
② 先2、相手のパルキアVSTARが「あくうのうねり」でメッソンを取る
③ 後2、ライコウVを置いて前のメッソンを進化、裏工作→回収ネットで入れ替え
④ 裏のメッソンを進化させてキバナやメロンをサーチ、メッソンにつけていたエネをライコウVに加速。手張りライトニングロンドでパルキアVSTARを倒す

 場にアタッカーがいない段階から一気に急襲することで、相手に先殴りを許さずにアタッカーを気絶させることができます。また、サーチ対象に余裕のある場合はアタッカーにタフネスマントをつけることで、運がよければアタッカーがもう1ターン生き残り、次のアタッカーも一方的に気絶させることができる場合もあります。
 また、アタッカーが返しのターンで倒された場合にも、同様の手順を踏むことで再度新しいアタッカーを即起動していくことができます
 簡単に示すと、手札に以下のカードがあればカウンターが成立します。

パターン1 クイックボールor使いたいアタッカーorキバナ+ジメレオンになるカード
パターン2 ジメレオンになるカードと回収ネット
パターン3 クイックボールとキバナ(見切り発車になるがメロン)

 また、細かく煩雑な説明になりますが、各パターンにおける攻撃までの流れはそれぞれ以下です。

追記(6/19):パターン1で、手札にクイボ+ジメの時は、クイボ→ジメで回収→キバナ

 こうしたカウンターを狙えるこのデッキには、総じて以下のようなメリットがあります。

① じゃんけんで負け、後手を取ってもほとんど苦にならない
② 先手で手札が芳しくなく、先2から動けそうになくても苦にならない(先2どんどん呼ぶで十分)
③ 最初からアタッカーを手札に抱えておく必要がない(起動するターンで触れればいいし、触る手段として裏工作がある)

 プランBはもっと簡単でしょう。特に先2からパラライズボルトを宣言し続けたり、そこにボスを絡めてメッソンやジメレオン、逃げづらいポケモンを呼んだりします。

 プランCに関しての解説をここでは行います。仮想盤面として、「バトル場にクワガノンV、ベンチにクイックシューターのインテレオン」をイメージしていただければよいかと思います。
 クワガノンVがパラライズボルトを宣言するターンに、ボスの指令を用いて裏の逃げづらいポケモンを呼びます。ミュウであればゲノセクトV、ゾロアークであればビーダルやゲンガーをイメージしていただければよいかと思います。(図1)

 図1(簡略化したもので、エネや説明に不要なカードを省略しています)

 盤面がこの状態でパラライズボルトを宣言すると、相手はポケモン入れ替えやあなぬけのヒモが使えないので、ゲノセクトVを下げることが難しくなります。ガラル鉱山が維持できれば、ダブルターボエネルギーを手張りすることでも逃げられなくなるでしょう。ダブルターボエネルギーとスタジアムに触られてしまうと逃げられてしまいますが、それでもタフネスマントのついたクワガノンVはパワータブレット・こだわりベルトを封じられたミュウ側の攻撃ではほぼ倒れません。(例外:フュージョンエネルギー4枚のメロディアスエコー、ダンデ+すでに貼ってあるベルト+テクノバスター)

 こうしてダメージカウンターを場に載せることで、あと20点でバトル場のゲノセクトVがきぜつするよう、ダメージを調整します。(図2)こうすることで、次のターン、パラライズボルトではなくクイックシューターでバトル場のポケモンを気絶させる盤面を作ることができます。

図2

 この時、クイックシューターで前のポケモンを気絶させると、サイドを2枚とったうえで、更にサポートとワザの使用権利が残っています。当然ゲノセクトVが気絶した段階で相手はミュウV/VMAXを前に出すでしょうが、このターンにさらにボスの指令を使うことで、別のゲノセクトVを縛ることができます。これでほとんど初期盤面に戻り、自分だけがサイドを取ることになります。
 ミュウに対するこのデッキの最も太い勝ち筋はこれで、相手の打開を許さない/一度や二度の打開では潰れない盤面を、相手をロックしているうちに作ってしまうことで有利に場を進行させていきます。


採用カードについて

●ポケモン

・クワガノンV 2 

このデッキにおける役割は大まかに以下です。

・パラライズボルトを用いて、相手のメッソンを取りながら実質エクストラターンを得る
 →役割対象【パルキア】【裏工作アルセウス】
・ゲノセクトVを縛りながらサイドの複数枚取りを狙う
 →役割対象【ミュウ】
・相手や自分の動きが悪い時に、雑にターンをもらいにいく
 →役割対象【多数】特に【アルセウスジュラルドン】
・グッズが無いと何もできない/動きが著しく悪くなるデッキのテンポを奪い、硬直させる
 →役割対象【ヒスイウインディ】【ゾロアーク】【ディアルガ】【ゼラオラファイヤー】

 ゲームの早い段階でパラライズボルトを成功させることができれば、特にパルキア対面での一方的なゲームを期待できます。相手のエネでの出遅れを許さず、カイで持ってくるグッズも使えなくすることができるため、運がよければ2ターン、3ターンと優位を加速することができます。

 また、メッソンがジメレオンになること自体を阻害し、場からメッソンやジメレオンの数を減らしていけるカードなので、裏工作インテレオンになった時の強力なサーチや、クイックシューターインテレオン着地による打点補助を許しません。裏工作のジメレオンは、回収ネットがなければただの一枚で一枚をサーチするカードでしかないため、そこまで脅威になりません。

 これに加えて、こだわりベルト・パワータブレット・やまびこホーン・ダメージポンプ・ツールスクラッパー・ふしぎなアメなどの、実質的な火力増強として用いられるグッズを全て使用不可の状態にすることで、「返しのターンにクワガノンVが生存する」ことに対してのプラン取りが容易になります。必ず生存するから次のターンに○○できる、という計算が確実にできるのです。(ダンデやカリンの信念など、これをすり抜けるカードもないわけではありません)

 そして、最も重要なのが先述のミュウ対面での運用です。このデッキでミュウに勝つにはこれをするしかなく、しかし一度型にはまってしまえば、場合によっては相手に一度もワザ宣言をさせないままサイドを取り切ることができます。つまり、サイドを仮に5枚先行されようと、勝てる可能性が残っているということです。このような出遅れに対する強烈なリカバリーを持っているのがこのデッキの特徴にもなっています。

 超電磁砲は強力で、ロックの最後にサイドを取り切るときのフィニッシュ手段になるほか、ライコウVの代用としてパルキアを倒したり、ハピナスやアルセウス、ジュラルドンにダメージで負荷をかけたい時に使います。
 基本的には一枚で十分なカードですが、ミュウ対面のみまず間違いなく二枚使うこと、先手で負荷をかけたい時にサイドに落ちていると触る手段が細いことを加味して二枚採用です。
 50n+20m(+190)の打点ラインは常に意識して運用するとよいでしょう。
(n=パラライズボルトのターン数、m=クイックシューターのターン数) 

・ライコウV 2

 このデッキのメインアタッカーです。弱点関係にない相手への削り役は基本的にこのカードになると思った方がよいでしょう。主な役割は以下。

・メッソンが取られた返しに即起動することで、パルキアVSTARを倒す
 →役割対象【パルキア】
・ミュウ対面でメロエッタを気絶させたりミュウVMAXを小突くなど、最初の殴り役となることで相手にテクノバスターを宣言させる(先述のパラライズロックの起点になる)
 →役割対象【ミュウ】
・弱点関係にない/弱点を突きづらい対面や、ガラルサンダーVで弱点を突く対面での先鋒/後続のメインアタッカーとなる
 →役割対象【多数】(特に【裏工作アルセウス】【ゼラオラファイヤー】【ドガスダイナ】)

 このカードの役割の大部分がパルキア対面とミュウ対面に集中しています。特性「しゅんそく」が強力であり、ドローサポートの細いこのデッキではメインのエンジンとして運用していくことになります。また、スイクンVと異なり逃げエネが1と軽く、水エネをあえて落とすことでメロンの起点になりつつ、自らも常に手張りで動ける状態を維持したり、スタートした時に逃げて非Vの壁を前に出したりする動きが容易なのも強力な点です。

 ただ、HPが200と低く、タフネスマントをつけても倒されるケースがままある上に、Vを一撃で倒すような打点を作ることが難しいポケモンですので、うかつにこのポケモンをアタッカーにするとサイドレースで必ず不利を取ります。非Vを相手にするときや弱点を突けるとき、生存の見込みがあるときに使うのがよいでしょう。

・ガラルサンダーV  1

 あまりにも役割が明白なポケモンですが、主な役割は以下です。

・弱点関係にあるポケモンを、ノーマークの状態から即起動して一気にワンパンする
 →役割対象【裏工作アルセウス】【アルセウスジュラルドン】【ゾロアーク】【ドガスダイナ】【アルセコケコ】
・立ち上がりの火力が低い弱点関係にあるポケモンを、2ターンかけて起動して生存することで、2匹持っていく
 →役割対象【ハピナス】
・エネルギーの総数が少ないデッキに対してエネルギー破壊を行うことで、相手を息切れさせる(ただし、あくまでサブプラン)
 →役割対象【ゾロアーク】【ミュウ】
・安定170打点のアタッカー
 →役割対象【多数】

 対戦相手のデッキに対する見通しの甘いプレイヤーが相手であれば意表を突き、何もない場面からバトルポケモンを倒すことで一気にテンポを取ることができるでしょう。そうでない相手でも、例えば裏工作アルセウスにノコッチが採用されていなければ対策は難しいですし、もし即起動を嫌って場のVポケモンを1体にしたままゲームの進行を狙ってくるのであれば、ライコウVを起動することで後続がいない相手に負荷をかけることができます。(チェレンの気配りの使用をためらわせることができます)

 使わない対面ではとことん使わないポケモンで、場合によっては(特にミュウ)スタートが負け筋になってしまうこともあります。ただ、これ一枚のみの採用であるため妥協をすることにしました。逃げエネが1であり、ベンチに下げておけば一応は裏目になりづらいのも評価点です。

 また、盤面に依存せず、(場合によって要求エネルギーが重くなることはあれど)安定して170打点を連発できる稀有なポケモンであるため、場合によってはメインアタッカーとして運用することもあります。
 特にアルセウス系統のデッキに対しては最重要のカードで、相手の盤面に依らない安定した打点を持つこと、タフネスマントをつければアルセウスVSTARや、ベルトの無いジュラルドンVMAXの攻撃も耐えることから、ジュラルドンに対する打点要員としての運用も強く意識しています。

・メッソンライン 4-3-1-1

 
主な役割は以下です。

・デッキのエンジンとなって安定性を担保する
 →役割対象【すべてのデッキ】
・クイックシューターとパラライズボルトを合わせることで、相手の攻撃手段を奪ったままサイドを取り続ける
 →役割対象【ミュウ】【ゾロアーク】
・クイックシューターとモルペコを合わせることで、相手の攻撃手段を奪ったままダメージを蓄積する
 →役割対象【アルセウスジュラルドン】【ヒスイヌメルゴン】等
・サイド1枚のアタッカーとして、随所で攻撃に参加する
 →役割対象【ミュウ以外の全てのデッキ】
・非Vのポケモンとしてミルタンク相手のアタッカーになる
 →役割対象【ハピナス】他ミルタンクを採用しているデッキ

 後手1でどんどん呼ぶを打つことで、盤面を整えつつ相手にサイド1枚を強制することができるのが強力な、相手のデッキが分からない限り常に最もスタートしたいポケモンです。メッソンの四枚採用に検討の余地はありません。
 ベンチにそこまでの余裕があるデッキではなく、四体は最初以外並べないことが多い上に、最初のメッソンは気絶させられることを前提にデッキを組んでいるため、ジメレオンは三枚です。

 このデッキは裏工作→回収ネットを使いまわすことで、常に後続のサーチ手段や手札干渉からの打開を維持し続けることで安定性を担保しています。そのため、各インテレオンはかなりバリューが高いカードであり、本当は二枚(特に裏工作インテレオン)欲しいのですが、枠の都合上泣く泣く妥協しています。

 また、サイド一枚のアタッカーとしてはインテレオンが最も現実的で、アクアバレット+ライトニングロンドで相手のポケモンを倒すこともよくあります。キバナがあるので即起動も容易です。
 クイックシューターのインテレオンは、ワンパンを狙うデッキ以外の全てに役割を負う可能性があります。特にミュウ、ハピナス、ジュラルドン辺りにはほぼ確実に使います。

・かがやくゲッコウガ 1

 
主な役割は以下です。

・ドローサポートの少ないこのデッキにおいて、エンジン役になる
 →役割対象【すべてのデッキ】
・エネルギーをトラッシュすることで、メロン・キバナの運用をスムーズにする
 →役割対象【すべてのデッキ】
・クイックシューターのインテレオンがサイド落ちしている時に、ゲノセクトVを一気に2匹取ることでサイドレースを有利に動かす
 →役割対象【ミュウ】(インテレオンがいない場合のみ)
・非Vのデッキに対して、グッズロックをかけ続けた後のフィニッシャーになる
 →役割対象【ヒスイウインディ】等

 しゅんそくに加えてのデッキのエンジンです。このデッキでは月光手裏剣を打つことは稀で(全くないとは言わないが、使うと場のエネが吹き飛んで隙を見せてしまう)、基本的には隠し札要員だと思った方がよいでしょう。

 デッキの性質上、エネルギーに触ること自体が重要な割に使用するエネルギーの総数はそこまで多くなく、デッキ内に実際の使用数よりは多く入っているエネルギーを気軽にトラッシュしながらアドバンテージを稼ぐことができます。メロン・キバナ・釣り竿とエネルギーを回復する手段が豊富なので、色配分にさえ気を配っていれば、毎ターン隠し札をしていても、手張りができなくなることはあったとしてもエネルギーの総数が足りないという事態はまず起こりません。

 キャプチャーエネを後1でメッソンに貼った時は基本的にこいつを持ってくることになります。このデッキにおけるクイックボールは貴重なため、このカードに使えない場合もありますが、早期に着地すればするほど強力な働きを継続してくれる超重要な札です。

 また、エネテンポに余裕のあるタイミングでこのポケモンに手張りをすることで、相手にマナフィ置きを強要し、実質的にベンチ枠に圧をかけられるのも少しうれしい点です。

・モルペコ 1
 
このカードの持つ技「いちゃもん」は、僅か無色1エネで20ダメージを与えながら、相手のバトルポケモンの技を一つ選び、次ターンに使用できなくすることができます。これを活かした主な役割は以下です。

・技を一つしか持たず、ベンチを絞る相手に対して、相手の動きを封殺する
 →役割対象【アルセウスジュラルドン】【ヒスイヌメルゴン】【ハピナス】
・技を一つしか持たず、入れ替え札をあまり入れないデッキに対して動きを限定させ、相手のリソースの消費を強要する
 →役割対象【裏工作アルセウス】【ヒスイゾロアーク】他
・技を一つしか持たない相手に対して細かくダメージを与え、裏のポケモンの技が一貫するようにする
 →役割対象【アルセウスジュラルドン】【ヒスイヌメルゴン】

 運用方法については上記の通りです。特にジュラルドンに対しては、こだわりベルトを巻いていちゃもん宣言をしつづけることで、ターンあたり50(クイックシューターと合わせれば70)のダメージを蓄積することができます。これで相手のHPを170まで削り、ガラルサンダーVで倒せるようにするのがメインの動きです。

 ジュラルドンやヌメルゴンのようなデッキはベンチを絞る都合上デッキ内のカードに対するサーチ手段に乏しく、入れ替え札を強く使いづらい側面があります。そこに付け入る形です。いつかは突破される緩いロックですが、相手にベンチ置きを強要したり、ガラルサンダーVやクワガノンVの技で倒せるまでの数ターンが稼げればよい、という認識です。
 特にお守りのないジュラルドンVMAXに対しては、ベルトいちゃもん二回とシューター三回、雷鳴蹴り一回で、ちょうど3ターンかけて突破ができるようになっています。

 こうした緩いロックは、ガラル鉱山やアスナ等、他の妨害手段と合わせて運用することで真価を発揮します。

●グッズ

・レベルボール 4

サーチ対象:メッソン、ジメレオン、モルペコ

 このデッキが裏工作を軸にするデッキであり、また進化するポケモンもメッソンラインのみとなっている以上、メッソンにもジメレオンにも触れるこのカードのバリューは進化のお香よりもはるかに高いです。
 序盤にメッソンを何体並べられるかが勝負の分かれ目となる事もある以上、最大枚数の採用としました。
 他にツツジに対するカウンターの札になり、終盤にもデッキ内に残っている枚数が重要な局面も多く、このカードに四枠を割くことができたことで安定性が何とか担保されています。

・クイックボール 3

サーチ対象:ライコウV、クワガノンV、ガラルサンダーV、メッソン、かがやくゲッコウガ、モルペコ

 このデッキは、カウンターから動き出すことができる性質上1ターン目にアタッカーに触ることが必須ではなく、またクイックボールでないと触れないカードは各種Vとかがやくゲッコウガのみであることから、基本的には裏工作でアタッカーを持ってくる回数となる三枚で十分足りていると判断しました。メッソンを置く時に使うこともありますが、アタッカーを素引きしていることも(特にゲーム中盤以降は)多々あるので、不足を感じたことはほぼありません。手札にもよりますが、使わないサポートをコストにすることが最も多いです。

 基本的には、「その時即起動したいカードをクイックボールで持ってきて、ベンチに置いて、キバナやメロンで準備する」がこのデッキのセオリーですが、次のターン置くことが決まっていて、相手の手札干渉の確率がある場合は先に使っておいた方がいいことも多々あります。(例えば、パルキアに対して、次にツツジを打たれて前のライコウVが取られることが濃厚なら、先に出してしまった方がよいでしょう)
 先にポケモンを呼んで、ベンチに置いておくことのメリット・デメリットは以下の通りです。

メリット 
・手札干渉に影響されない
・次のターンにドローしてくる可能性を消せる

デメリット 
・縛られてターンを稼がれる可能性がある
・タフネスマントをつけたバトル場を無視して、打点要求を下げられる場合がある
・セイボリーで盤面干渉されるリスクがある

 したがって、セイボリーを打たれても/縛られても大丈夫、というときに置くのがよいでしょう。

・しんかのおこう 2

サーチ対象:ジメレオン、インテレオン

 裏工作につながる札である以上基本的にはあって困ることはなく、インテレオンのバリューが高いこのデッキにおいては本当は3枚あると嬉しいカードですが、用途が限定的なので二枚採用にとどめています。インテレオンを確実に持ってこられるカードは、このカードとキバナ、カイだけなので、慎重に使用します。

・ヒスイのヘビーボール 1

サーチ対象:特殊(ライコウV、クワガノンV、ガラルサンダーV、メッソン、かがやくゲッコウガ、モルペコ)

 このデッキはサイド落ちが厳しく、複数枚採用しているアタッカーは釣り竿を合わせて三回起動することが多い構成になっています。また、メッソンのサイド落ちによって展開が阻害されるデメリットも極めて大きく、サイド落ちをケアできるこのカードのバリューは高いです。
 前のポケモンが倒された盤面からのカウンターを狙うときに、クイックボールの代わりとして機能することも多々あり、これも含めて、条件付きですが実質四枚目のクイックボールとしての運用ができます。

・回収ネット 3

 デッキのエンジンかつ入れ替え札です。カウンター攻撃を行う対面では、スムーズな入れ替えを担保するために必ず使う札ですし、カウンター攻撃を行わない対面でも、インテレオンのサーチ効果を継続して強く使うために使用するカードです。
 裏工作の使用回数を増やすことができるので、最後のツツジケアにも使いますし、用途と使用タイミングがシビアなカードです。サイド落ち枚数を必ず確認したうえで、ゲーム終盤までの使用ペースを見越した運用が求められます。

・あなぬけのヒモ 1

 汎用入れ替え札ですし、デッキによっては疑似的なサポート権利を消費しないボスの指令として機能します。最も典型的な例はアルセウスジュラルドン対面です。相手が後手でジュラルドンVスタートした場合、多くはアルセウスVを出して手張りをしてターンを返しますが、この時ガラルサンダーVをメロンから起動して穴抜けの紐を使うことで、裏のアルセウスVを気絶させることができます。これが決まればほぼ勝ちです。
 また、逃げを消費せずにVを入れ替えられるカードはこれととりつかいの2枚しかなく、相手が裏のVを呼んでバトル場を縛り、ロックを抜け出そうとするときにも使うことがあります。したがって、そうした対面(ミュウやジュラルドン)相手には、軽率に使用しない判断が重要になります。
 カウンター起動したアタッカーを前に出すときに使うと、相手のアタッカーに逃げられるので注意しましょう。

・たっぷりバケツ 1

 水しか持ってこられない代わりに一度にエネルギーを二枚持ってこられる札です。裏工作から触れるエネルギーになるほか、かがやくゲッコウガと合わせて使ったり、クイックボールと合わせてメロンやキバナを動かすために使ったり、シンプルに山札を圧縮・手札枚数を増強したりと役割は広いです。結局エネが無いと何も起動しないデッキですので、手札にエネの余裕があるときは、手札干渉されたときのことを考えてあまり使わないほうがいいでしょう。

・エネルギー転送 1

 たっぷりバケツと比較すると、雷・闘も持ってこられる反面エネルギーを一枚しか持ってこられない札です。基本的にはバケツと同じですが、雷・闘に触れる札はこれしかなく、どのVも雷や闘が無いと技が打てないので、そこはよく注意したいところです。特にガラルサンダーVを起動するときにはこのカードに頼る部分が大きく、たっぷりバケツ以上にむやみに使わないことが大事なカードです。雷エネルギーを減らして転送が二枚とする構築もあり得ますが、山に雷が無いとかなり苦しいので現在の枚数としています。
 バケツと転送の二枚はそれぞれ強い部分と弱い部分がありますが、バケツはゲッコウガと合わせた時のバリューがかなり高く(皆さんパルキアでご存じかと思います)、転送には絶対に外せない固有の役割があるので、1-1の両採用としています。

・ふつうのつりざお 1

 3体目のライコウV/クワガノンVや2体目のガラルサンダーV/モルペコ起動のために使ったり、隠し札で切りすぎたエネを戻したり、手札干渉を受けることが予想される局面でデッキ内のエネの色配分の調整をしたりするのが役割です。
 パルキア対面のような、常にライコウVを取られ続け、その返しに常に即起動して押し付けたいケースでは必ず使います。
 特にモルペコ・かがやくゲッコウガ・両インテレオン・ガラルサンダーVなどの、一枚での働きが大きかったり特殊なメタになっていたりするカードは複数回起動が常に視野にあります。今使っておきたくても、今後戻したいカードが発生しないことを確認した上で使用することが重要になります。

・ともだちてちょう 1

 このデッキの運用を裏から支える超重要なカードです。ミュウ対面で無限に使うボスを戻すのはもちろん、アスナやとりつかい、マリィといった固有の役割があるカードがこのデッキは多く、それらを複数回使うことが多いです。
 また、特にパルキアやアルセウス対面ではツツジを打たれることが多く、そこから打開して強引にアタッカーをカウンター起動するためにはデッキ内のキバナやメロンの濃度を上げることが必須になり、ゲーム中での役割がかなり多いカードです。拮抗した対戦になればなるほど、毎回必要になるカードです。

・タフネスマント 2

 本来ワンパン圏内に常に入っているポケモンVにVstar弱クラスの耐久を与えるためのカードです。スクラッパーやツールジャマーには弱いですが、常に使われるカードとは限らない上に、クワガノンVがパラライズボルトを使っている間は、それらは使用できないので、安全に耐久を上げることができます。
 このカードをつける上で意識する重要な耐久ラインは以下です。

・クワガノンVが、ダブルターボエネルギーをつけていないミュウVMAXのテクノバスター/こだわりベルト込みのテクノバスターを耐える
・各種ポケモンVが、こだわりベルト込みのトリニティノヴァを耐える
・ライコウVやガラルサンダーVが、ダブルターボエネルギーをつけていないアルセウスVSTARのトリニティノヴァを耐える
・ガラルサンダーVが、こだわりベルトをつけていない状態のキョダイフンサイを耐える
・ライコウVが、自分のベンチのポケモンが2体以内ならばベルトが巻かれていてもあくうのうねりを耐える/相手のベルト使用を要求できる

 また、ハピナスVに対してガラルサンダーVの生存ターンを増やすことも多々あり、どの対面でも一手生き残るために使うカードなので二枚採用しています。特にパルキアVSTARの攻撃をライコウVが一発耐えることができれば、ほぼ勝勢といって差し支えない盤面になります。
 かがやくゲッコウガやモルペコに貼る場合もあるので覚えておくとよいでしょう。モルペコはハピナスVの攻撃を一定程度耐え、かがやくゲッコウガに貼れば相手のアクアバレットで簡単に落とされなくなります。

・こだわりベルト 1

 足りない打点を足りさせるためのカードで、メインの使い道はライコウVにつけて相手のVをワンパンすることと、モルペコにつけて1ターン当たりのジュラルドンVMAXやハピナスVに対する遂行速度を2.5倍にすることです。
 また、クワガノンVにつければ超電磁砲でゲノセクトVをオドリドリの軽減があっても倒すことができるほか、80+220でVSTARを強引に倒す場合もまれにあります。
 使わない対面での重要度は低いので手札のコストにしてしまったり、雑にポケモンに貼って邪魔な手札を減らすことが多いです。

●サポート

 このデッキは、最速の決着を狙う対面もあれば、20ターンを超える長期戦に持ち込むこともあるデッキです。そのため、サポートは必ずしも毎ターン使用するとは限らず、デッキ内におけるサポート枚数の検討は「デッキの成立に必要なカードを必要な枚数それぞれ入れたのち、安定性を担保するために必要なカードを入れる」という手順で考えています。

・マリィ 1

 デッキ内唯一の手札干渉カードです。特にこのデッキではグッズロックがかけられるので、手札干渉と併用することで相手の動きを完封することが狙えます。ただし、毎ターンキバナやメロンを打つ対面が多い上、手札を抱え込むこのデッキにおいては自分の手札も流してしまうデメリットは大きく、使う機会が毎回あるカードではないため、一枚の採用としました。
 新しくカードを五枚見ることができるカードなので、初動の事故回避にも使われます。

・とりつかい 1

 デッキ内に不足しがちな入れ替え札になりつつ、ドロサポとしての役割もギリギリ果たせるのが強みです。入れ替え権利数を担保するため、手帳で戻すこともよくあるカードです。特にミュウやジュラルドン対面では、相手がボスの指令で裏を縛ることでグッズロック/モルペコロックの打開を狙ってくる場合がままあり、そういった局面の切り返し札となるのでバリューが高いです。

・ダンサー 1

 デッキの安定を担うメインのドローサポートです。このデッキは性質上先2、後2以降はメロンやキバナ、ボスの指令を使うことが非常に多く、ドロサポは後1かロックをかけていて他によほどやることがない時にしか使いません。
 そうした時に、今後のゲームプランの広がりを最も強力に担保し、後1どんどん呼ぶを安定させるためのカードになり得るのがこのダンサーだと判断しました。 
 当然初手に来なければほぼ使い道のないカードですが、バトルVIPパス同様、初手に引いた時のバリューが凄まじいため一枚だけ採用しています。

 ダンサーの枠は、このカードを入れるかはともかくとしてデッキを安定させるために使わざるを得ず、エネルギー、セイボリー、スクールガール、入れ替え札などの候補が考えられましたが、その中で最も初動の安定に資す強力なカードを選ぶことになりました。ダンサー→俊足→隠し札→スピード雷と進行すると一気に手札が10枚くらいになってとても楽しいです。

・カイ 1
 初動安定札かつ戦線拡大札です。このデッキは手札を溜め込んでいくタイプのデッキなので、博士の研究を採用することはできません。そんな中、メロンやキバナ、ボスの指令を打たないターンが生まれた時に、使えると最もバリューの高いカードがこのカイです。特に先2で使うことが多いかと思います。
 次ターンに必要な札や、触りづらいインテレオンに触っておくことで次ターン以降の手札を整える他、先手を取った時にどんどん呼ぶができず、うまく並ばなかったメッソンを横並びさせるのに使え、役割が広いです。
 数枚ドローするだけではここまでの働きをすることは難しく、かつてセイボリーだった枠をこのカイに切り替えての運用となりました。

 このカード一枚でメッソンと入れ替え札かエネルギーに触れるため、後1のどんどん呼ぶを安定させるのにも使え、極めてバリューの高い札だと言えます。ただし、上記のような「メロンやキバナ、ボスを打たない」ターンはゲーム中一度あるかないかであり、二回カイを打つことが必要なシーンはほぼ存在しないため、一枚の採用となっています。

・アスナ 1

 メタカードです。ゾロアークやミュウ相手にエネルギーを削るのが主な役割であるほか、相手の雪道を割ることでガラルサンダーVを起動するのにも使います。また、アルセウスに貼られたダブルターボエネルギーを剥がすのにも使うことがあります。
 特に、特殊エネ4枚構築のゾロアークに対しては、アスナと手帳で二回、ガラルサンダーVで一回エネルギーを割ることで、ほぼ技を打てない状態に追い込むことができます。ここまでくれば、相手のゾロアークVSTARをモルペコのいちゃもんで止めたり、裏を呼んでグッズロックをするだけでほぼ相手がLOします。

 また、先述の通り、グッズロック下でタフネスマントつきのクワガノンVをミュウが唯一一撃で倒す手段がフュージョンエネルギー4枚下のメロディアスエコ―です。そのため、相手にロックをかけている間は、余裕のある時にアスナで事前にフュージョンエネルギーを一枚割っておくことで、クワガノンVの生存を担保することができます。これにより、ロックの安定性がかなり上昇します。

 手帳で繰り返し使うこともよくあるカードですが、パルキアにはあまり刺さらない上にサポート権を消費するため、何枚も入れたいカードではないので一枚のみの採用です。なお、スタジアムのトラッシュは強制なのでミュウ対面で自分の張った鉱山を剥がす時には、それをやっても良いか注意しましょう。

・メロン 2
キバナ 2

 このデッキのカギとなる最重要サポートカードです。いずれもポケモンVを即起動するのが主な役割ですが、その差異は言語化すると以下のようなものになります。

 これを踏まえ、ドローで引き込んだほうがいいのか、サーチして堅実に小さく動いたほうがいいのか、は常に比較したうえでゲームを進行させることが重要です。

 キバナはインテレオンやモルペコにエネルギーを加速できるほか、アタッカーにエネルギーを加速したうえで、特殊エネルギーを持ってくることでドローをする(スピード雷で追加ドロー、キャプチャーエネルギーでゲッコウガを場に出して隠し札で追加ドロー)のはよくある筋で、「キバナを使うと絶対にドローができない」というわけではないのは重要な点です。

 また、キバナの運用においては、雷エネを加速して手張りのためのエネルギーを持ってきたい、というときはスピード雷よりもバケツを持ってきて水を手張りしたほうがいいケースもよくある点は意識したいところです。一時2枚引けるメリットよりも、トラッシュに水エネルギーを一枚落としておくことや隠し札のコストを抱えることの重要性が勝る場合がよくあります。

 更に、たねポケモン、インテレオン、エネルギーあたりは「サーチできるカード」、つまりクイックボールや進化のお香、エネルギー転送を山に取っておきながら直接サーチ先に触れるという強みがあるので、ここはキバナの利点として意識したほうがいいでしょう。今後使うサーチカードなのであれば取っておいた方がいいし、使う見通しがないのであれば、山札圧縮のためにわざとサーチ経由で持ってきた方がいいということになります。
 キバナや裏工作を絡めると、何が欲しいのかわからなくなることが多いですので、動く前に落ち着いて何が何枚欲しくて、そのためには裏工作でどれを、キバナでどれを呼んでくるのが最も良いかを考えるのが重要となります。

 一方で、メロンは既にアタッカーが前にいるとき、後続のポケモンを用意する場合や、先攻2ターン目に技を宣言したい時において、キバナに対して明確に勝ります。
 前のポケモンの逃げエネを確保しながらメロンで加速したり、裏のアタッカーのエネルギーを間に合わせることで、相手の手札干渉に関わらない盤面での詰みを作ったりすることができるのは、キバナにない強みとして意識したいところです。

 それぞれの枚数に関しては、どちらももう片方ではダメで、かならずそちらでなければならない瞬間があり、そういった場面でのサイド落ちが負けに直結することを踏まえ、2-2の採用としています。一度の対戦で使用する枚数としては足りているので、いかに手札に安定して抱えておけるかが重要ですが、手帳での再利用も加味してこれ以上の枚数は不要だと認識しています。

・ボスの指令 3

 基本的な役割としては、非Vの壁を拒絶して裏のポケモンを取ること(特にパルキア対面で相手のパルキアV/VSTARを潰しに行くこと)、パラライズボルトでメッソンラインを拾いに行くこと、相手のポケモンを縛ることの三つです。

 ガラル鉱山やグッズロックを使うときは、ボスの指令と合わせたほうがよいかどうか、次のターンに使った方が強力なロックになる可能性も含めて吟味することが重要です。ミュウ相手には、ロックの始動のほか、ロックから抜けられた時に再びロックを掛ける手段、相手のバトルポケモンを気絶させたときにロックを継続する手段として、少なくとも三回以上の使用が見込まれます。

 ともだちてちょうがあれば使用回数としては二枚でも足りるのですが、サイド落ちを考慮すると、手帳込みのサポート使用回数には、採用二枚と三枚で雲泥の違いがあります。
 ともだちてちょうで戻すサポートを二枚ともボスの指令にすると仮定した時、採用二枚では最大四回のボスの指令を使うことができる計算になりますが、この時にボスの指令が一枚でもサイドに落ちていると、戻せるボスの指令も一枚だけなので、二回しかボスの指令を使えないことになります。これはミュウ対面でのボスの使用回数としては明らかに不足している回数です。その他の場合も考えると、サイド落ちに対するボスの指令の使用回数は以下の通りになります。(他のカードがサイドに落ちることによる条件付き確率を考慮していないため、実際は「ボスの指令がサイドに落ち、かつ手帳がサイドに落ちている」ケースの数値はより低いと考えられますし、合計が100%にはなっていませんが、横軸の数値の和は大体本来の確率と同じになるはずです。また、今回の考察では、クワガノンVがサイドを取らないまま場を進行させるカードであるという特徴を踏まえ、サイドから必要カードを回収するケースは考慮外としています)

 以上の表を見るとその差は明らかで、ボスの指令の三回使用をミュウ対面での妥協できない使用数だと仮定すると、ボスの指令二枚採用の場合に、問題なくボスの指令を打てる確率は全体の約74%であるのに対し、三枚採用の場合の確率は全体の約95%になります。ボスの指令が二回しか打てない場合にミュウに確実に敗北すると仮定すると、ボスの指令の妥協はミュウ対面の勝率を、単純計算で20%以上落とすことになります。

 もちろんサイドから拾えることもあるにはあるのですが、これは全く看過できない数値であり、ミュウ対面の有利の根幹を揺るがすものだと判断したため、三枚の採用で落ち着きました。リストを見た時に直感的に多くの人が最も減らしたいカードだと考えると想像していますが、絶対に減らせない理由が以上です。

●スタジアム

・ガラル鉱山 1
 
相手の逃げエネを重くして、パラライズボルト下での即逃げを制限するためのカードです。
 ミュウ・ゾロアーク・ジュラルドン相手にはこれを通すことを基本的には狙います。重い逃げを強要してエネを枯らしたり、クイックシューターで裏を取ったり、グッズロックと合わせて前を縛り続けたりするのが主な役割となります。ロックをかけない相手にも、一時的に要求札を増やす手段として機能します。

 当然ながら自分の逃げエネも重くなるので、とりつかい・あなぬけのヒモ・回収ネットなどの入れ替え手段の残数には気を配ることが重要になります。
 また、このデッキのスタジアムを割る手段はこれ以外にはサポート権を使うアスナしかないので、相手のスタジアムを壊す手段が重要な対面(例:ヒスイゾロアーク、ハピナスミルタンク)では慎重に使用することが求められます。

●エネルギー

・基本水エネルギー 4

 メロンの起動に必要なほか、アクアバレット・月光手裏剣・水切りで必須になります。月光手裏剣を構想に入れる場合はあまり切りすぎると起動が困難になる場合があるので注意する必要がありますが、それ以外の場面ではどんどん雑に切っていい札です。初手にメッソンに貼りたいのは、キャプチャーエネルギーを除くと基本的にはこれです。これを貼ってどんどん呼ぶをすることで、相手にデッキをパルキアや裏工作アルセウスだと誤認させる働きもあります。
 採用枚数は、バケツを序盤に使った時にしっかり二枚持ってこられるように四枚の採用としています。これ以上減らすとバケツやメロンのバリューが大きく低下すると考えています。

・基本雷エネルギー 3

 ライトニングロンド・パラライズボルト・超電磁砲・スパークには必須のエネルギーです。キバナを使う都合上基本エネルギーの優先度がこのデッキでは高いため、スピード雷よりも優先して採用しています。触れないとかなり困るので、転送のサイド落ちには注意しましょう。
 技を打つために必要な枚数を考えると、キバナで使いまわせば理論上一枚で足りるは足りるのですが、超電磁砲には二枚必要なこと、複数のアタッカーを場に準備するのには二枚必要なこと、必ず毎回無駄のないエネルギー配分にできるとは限らないことを踏まえ、スピード雷と合わせて4枚の採用としています。

・基本闘エネルギー 1

 ガラルサンダーVを起動するためのエネルギーです。サイド落ちを考慮すればぜひ二枚欲しい札ではあるのですが、ガラルサンダーVのサイド落ちはヒスイのヘビーボールでケアできていることを踏まえ、使用できない確率が10%程度であれば妥協できると思い、一枚のみの採用としました。ゾロアーク・各種アルセウス・ムゲンダイナ・ハピナスと使用対面がかなり多いので、ここは二枚にするのも手だと思います。

・スピード雷エネルギー 1

 手順で雷ポケモンにつくとかなり強い、上振れ用カードです。キバナで持ってきてドローすることで、アドバンテージを手軽に稼いだり、強引に縦引きして要求を満たしに行く手筋は頻出です。
 キバナではつけられない他、雷ポケモンに貼らないとドローできないことは注意の必要があります。また、特殊エネのメタを貼ってくる可能性がある相手に使われても困る他、デッキに残しておくことでツツジに対する打開カードとしても機能し得るので、「特に欲しいものがない時に持ってきて引く」のようなことがないように注意することが重要になります。

 このデッキの基本エネルギーのバリューは高く、特に後1でメッソンがどんどん呼ぶを使うときに手張りがこのエネルギーだと、キバナにもメロンにも使えずに次のターン困るので、キバナで持ってくることを前提に一枚のみの採用としています。

・キャプチャーエネルギー 1

 少しでも安定性を上げるための札です。このデッキのポケモンの技は全て無色を含むので、無駄になりづらいのが強みです。特に後1でメッソンに貼り、かがやくゲッコウガを出しながら基本エネルギーを切りつつどんどん呼ぶ動きは後手ではほぼ最強の動きと言えます。この点はスピード雷にはない利点です。
 エネを貼るポケモンに余裕があることは少なく、雷エネルギーをキバナで加速した後の手張りとして使えるくらいです。特に余裕のある時にかがやくゲッコウガを呼ぶためのカード、またはどんどん呼ぶを使わない場合にメッソンを横展開させるためのカードとして意識するのがよいでしょう。

⑦ 不採用・採用候補カードとその評価

・カイリューV

 もとはガラルサンダーVの枠がこのカードでした。ガラルサンダーVと比較すると、闘エネに依存しないこと、ノコッチが出ていてもこだわりベルトを巻けば各種VSTARを倒せること、モルペコの援助ターンが少なくてもジュラルドンVMAXを倒せること、ミルタンクに対して通る技を持つことが強みです。
 反面、逃げエネが重いこと、技を打つとベンチにダメカンが乗るため相手の要求が下がったりクイックシューターを合わせてメッソンを取られたりすること、技のエネが重く即起動できないこと、要求エネの配分が厳しいことが課題となります。

 CL愛知前後の環境では、一般的な裏工作アルセウスが無視できないシェアを持っていたことと、そのほとんどにノコッチの採用があったことから、ガラルサンダーVでは裏工作アルセウスへの十分な対抗手段となり得ず、やむなくこのカードを採用していました。
 しかし、CL愛知以降、CL横浜を経て、裏工作アルセウスの全体数の減少・闘タイプのデッキ(特に連撃ウーラオス系統)が消え、ゼラオラファイヤーが減少したことによるノコッチの採用価値の低下、そして輝くサーナイトの登場によるアルセウスVSTARの耐久数値の増加を受け、相手のノコッチの採用を割り切ってガラルサンダーVを採用したほうが、カイリューVの運用の難しさも踏まえると勝率を上げると判断しました。これにより、副次的にゾロアーク・ハピナス・アルセウスジュラルドン・アルセコケコに対する勝率も上がったので、変更して良かった点と言えます。

 反面、アルセウス・パルキア以外のVSTAR(特にダイケンキ)には非常に勝ちづらい構築になってしまったので、その点はマイナスと言えます。ただ、ダイケンキにはカイリューVがいたとしてももともと強烈に不利だったので、そこまでのデメリットではありませんでした。

・マナフィ

 相手の月光手裏剣を防ぐためのカードですが、なくてもパルキアには有利が取れているので、抜きました。このデッキは「パルキアに有利」ではありますが、先2で月光手裏剣を宣言されてメッソンを二体取られると、流石に不利寄りの展開になります。ただ、これを防ぐためには後1でマナフィを置けないと意味がない上に、それをやろうとすると要求値がかなり上がってしまうこと、それができなければそもそも死に札になること(先2以降の月光手裏剣であれば、ボスの指令を抱えてさえいればそれほどの負担にならない)を踏まえ、必要のない札だと判断しました。

・カビゴン 

 メッソンに頼らない初動札です。もしかしたら入るのかもしれませんが、ここにクイックボールや回収ネットを使う動きは弱いと判断して、採用を見送りました。

・ハイパーボール

 ピンで入れると中盤の安定感は上がる札ですが、どうしても枠を捻出できませんでした。このデッキではその対面では使わないサポートが手札にだぶつきがちで、これを切ってツツジ耐性をつけるために有効なカードではあると考えています。ただ、終盤にならないと手札を切る行為が強く使えず、序盤の安定性を上げることにはそれほど貢献してくれないと考えたため、採用を見送りました。

・やまびこホーン

 使うことで、ガラルサンダーVの要求エネルギーを減らすことができるほか、ジュラルドン対面でアルセウスを二回倒すことができます。また、ライコウVの打点増強にもなり、クワガノンVで縛る対象を作ることもできます。これが入らなかったのは基本的には枠の都合ですが、概して「詰めている」状態をさらに詰めに近づけるためのカードという側面が強く、絶望的な状況でのお祈り気味に使うボスの指令の布石にするか、すでに有利のシーンでしか打たないことが分かり、採用を見送りました。

・ツールスクラッパー

 相手のこだわりベルトやタフネスマント、ツールジャマーや風船を割ることで、相手の打点を制限したり動きを鈍らせたりするのが目的のカードです。ミュウ対面では相手のこだわりベルトを割ることでタフネスマントのついていないクワガノンVの生存率を上げられるほか、ミルタンクについたタフネスマントを割ることでアクアバレットで倒せるようにすることができます。
 ただ、かつての最も重要な目的は、大きなお守りを割ることでアルセウスVstarをこだわりベルト+ドラゴンゲイルで吹き飛ばすことでした。
 カイリューVがガラルサンダーVに入れ替わる過程で、他の枠を押しのけるほどに必須のカードではないと判断し、またこだわりベルトを割るだけなのであればタフネスマントがそもそもついていれば問題ないので、タフネスマントの二枚目に枠を譲りました。

・連撃の巻物 天の巻

 雷無 いづなおとし 10+ 相手のバトルポケモンについているエネルギーの数×50追加

 「れんげき」のポケモンが上記の技を使えるようになるポケモンの道具です。主にジュラルドン対策のカードとして考慮しましたが、うまくタイミングを狙っても200ダメージがせいぜいで、わざわざ枠を割くほどのカードではなかったので採用を見送りました。あればハピナス対面がさらにイージーになるとは思います。

・セイボリー

 特に明確に必要な対面はありませんが、相手の裏工作に負荷をかけられるほか、レジギガス相手にグッズロックと合わせて使うことで相手の動きを潰すカードになります。
 ただし、この「明確に必要な対面はない」という点が問題で、ダンサーやカイと比較して序盤の安定に貢献できる度合いが低く、カイ・とりつかい・マリィ・アスナの枠を食うほどに固有の役割があるとは言えなかったので、採用を見送りました。今大会のレジギガスの活躍を見ると、採用するのもありだと思います。

・ツツジ

 本当は入れたいカードで、ジュラルドンやハピナス、ゾロアークやミュウ相手にロックをかけている状態で使えば、相手の動きを大幅に制限することができます。
 しかし、逆に言うと他の対面ではあまり使い道がないのが懸念点であり、また上記デッキの中でもジュラルドン以外には、もともとかなり有利な状態をさらに有利にするために使うという側面が強く、これ一枚で勝率を劇的に改善できるだろう対面がジュラルドンしかなかったため、採用を見送りました。
 ミュウ相手には、フュージョンシステムで引き直しをさせる行為が逆にデメリットにもなり得ることも採用をためらわせました。

・トレーニングコート

 「手札にエネルギーがあると強い」このデッキにおいて、大幅にエネルギー管理を楽にさせてくれるカードではありますが、無くても十分に管理できると判断し、採用を見送りました。カイリューVが抜けたことでエネルギー管理が楽になったのもこの判断を助けることになった反面、ガラルサンダーVの闘エネルギーをクラッシュハンマーなどで割られると復帰が困難になるので、欲しいと思う瞬間自体は全くないわけではありません。

・頂への雪道 1

 大会直前まで入っていたカードです。このデッキの雪道は、「維持したいカード」というよりも、相手の出足をくじくためのカードとしての役割が強いです。具体的にはスターバース・スターポータル・ファントムスター・フュージョンシステム・ナイトアセット・隠し札を止め、その間にこちらの盤面を整える動きがメインとなります。特にフュージョンシステムに関しては、手札が6枚を超えてからは雪道がなくても特性を使うことはできないため、それまでの動きを止め、本命のガラル鉱山を通すための囮として機能します。
 また、グッズロック下で特性を止めることで、隠し札やスターポータルを止めてしまえば、パルキア側にできることがほとんどなくなり、優勢を強めてくれる札にもなり得ます。
 その他スターアビス・ルミナスサイン・闘争本能・ハッピーマッチ・ザンゲツスター・緑化細胞・冥界の扉・不撓の剣あたりも止められると嬉しい仮想敵となります。

 ただ、雪道は一枚しか入っていない都合上維持できるカードにはなり得ず、あくまで序盤を止めるだけの捨て石であればなくてもデッキコンセプト自体は成立しています。より安定感を高めるカードに枠を割くため、今回は採用を見送りました。

⑧ 各対面の有利不利・立ち回り

Tier表(再掲)

 Tier表に沿って各対面の説明をしつつ、また表外の気になる対面についても軽く触れて説明をします。
 まず、冒頭で触れた相性表を以下に再掲します。

パルキア      先手 とても有利 後手 微有利
ミュウ       先手 有利 後手 有利
ゾロアーク     先手 有利 後手 有利(レシピ次第で微有利)
アルジュラ     先手 展開により有利~不利 後手 五分
ハピナスミルタンク 先手 とても有利 後手 とても有利
裏工作アルセウス  先手 有利 後手 有利(レシピ次第で五分~不利)
ドガスダイナ    先手 不利 後手 不利
レジギガス     先手 有利 後手 五分
アルセコケコ    先手 微有利 後手 五分
ゼラオラファイヤー 先手 有利 後手 微有利

【パルキア】

 弱点を突けるので基本的には有利です。基本的にはアタッカーはライコウVになりますが、パラライズボルトでサイドを取りにいける場合はクワガノンVでもよいでしょう。

 先手 とても有利
 2ターン目時点で育てられるアタッカーがクワガノンVであればメッソンにパラライズボルトを、ライコウVであればパルキアVにライトニングロンドを当てることで、いずれも有利にゲームを進行することができます。この時にボスを宣言しないで済むと、自分のアタッカーを余裕をもって育成できるため、手札干渉が問題にならない盤面を作ることができます。

 ボスを打たされてエネのテンポがうまくとれないケースだと、相手に最善の進行を取られたうえで最後に手札干渉をうまく使われた場合に負ける可能性もないではありませんが、パラライズボルトからそのまま相手の動きを封じ切って勝つような実質的なエクストラウィンや、相手の場のエネルギーのついたポケモンを取り続けることでメロンを強要し、ツツジを打つ機会を奪う進行が取れるケースも多々あり、順当に進行すれば負けません。

 後手 有利
 後手からも、どんどん呼ぶスタート(一応後1ライトニングロンド/パラライズボルトも不可能ではないが、確率は非常に低い)で、メッソンのみの盤面を作り、サイド1枚を取らせてから、メロンやキバナを絡めたライトニングロンドの連打で十分に勝ち筋を作れています。

 負け筋は先2月光手裏剣やアクアバレットの返しにかがやくゲッコウガやインテレオンを取らされ、サイドレースを逆転される展開や、そもそも先2手裏剣で盤面を砕かれる展開です。ただしこれをするために場のエネを削ってスターポータルを宣言してくれる場合は、メロン・キバナの採用数の関係上後々にエネのテンポで有利を取れて逆転するケースも多いため、特にパルキアVでスタートした相手がそれを実行するのはなかなか容易ではありません。ある程度の理想的な相手の動きは割り切ったうえで、残りのケースでは有利が取れるため、総じて有利と言えると考えています。

【ミュウ】

 展開にもよる難解な対戦です。基本的には、場にクワガノンV、クイックシューターのインテレオンを揃え、相手のゲノセクトVを縛りながらパラライズボルトを連打し、サイドの複数枚取りをしつつ縛りを維持することを狙います。
 先に述べた通り、クイックシューター×2、パラライズボルト×3でゲノセクトVは落ちるので、クイックシューターで落としたあとボスの指令で新しいゲノセクトVを縛り、パラライズボルトでのグッズロックを続行します。

 一度ロックを抜けられても、グッズロック下でのタフネスマント+クワガノンは、ダンデ+こだわりベルト+ダブルターボなし+テクノバスター270やフュージョンエネルギーが四枚場にある状態でのメロディアスエコー280でしか落とされないため、ここをアスナでケアしていく形になります。
 そうすると、クワガノンV→クワガノンVと押し付けることに成功すれば2回までならロックを抜けられても大丈夫(相手のミュウVMAXのテクノバスターが190までしか出なかったり、2体目のクワガノンVにタフネスマントをつける余裕があったりしたら3回まで)で、そうそう破られない形になります。

 基本的にはこの対面は、「こちらがいかにロックを決めるか」と、「ミュウ側がロックを抜けた時に何をするか」、そして「ロックを抜けられた後即座にかけなおすことが何回までできるか」にかかっています。クイックシューターのインテレオンを取られたときは、釣り竿によるリカバーが必要になる事もあるでしょうし、理想的なポケモンが用意できないならば、しぶしぶガラルサンダーVでエネを割りに行くこともあるでしょう。また、オドリドリを出されてしまうとパラライズボルトのダメージ量が変わってしまうため、時間を稼がれることはもちろん、ダメカンの計算が狂わないように気を付けてプレイすることが求められます。以下ではロックをかけるまでの攻防について触れます。

 なお、クイックシューターのインテレオンが用意できない/復帰できない場合の勝ち方については、かがやくゲッコウガの解説の欄で軽く触れましたが、ゲノセクトVを気絶させずに、残りHPが70以下となるようにダメージを与えてからボスの指令で別のゲノセクトを呼び、月光手裏剣の圏内に二体のゲノセクトVを入れてから、一気にサイドを四枚とるのがセオリーです。(70以下としているのは、相手のオドリドリをケアするためです)相手が次にサイドを二枚とっても、その返しの番で最後のゲノセクトVを取れば勝てる状況を目指します。

 また、各カードの解説で触れた通り、ロックをかける前後には、アスナやボスの指令での妨害を挟みます。これにより、ロックから抜けるためのリソースを無駄に消費させたり、相手の最大打点に制限をかけやすくなります。

 先手 有利
 相手の後1メロディアスエコーをケアするため、ポケモンVでスタートしてしまった場合は逃げます。こちらのアタッカーはメロンやキバナで起動できるため、一時的に手張りしたエネが場から消えても全く問題ありません。クワガノンVスタートだと逃げづらいですが、その場合はメロディアスエコーが飛んでこないことを祈りましょう。

 なお、後1メロディアスエコーはむしろ、相手のエネを削れる観点から言うとこちらとしては嬉しく、非Vが前にいるときにはおそらく強いミュウ使いであればやってこない進行だと思います。後1エコーの返しにライトニングロンドでメロエッタを取れれば、フュージョンエネルギーを二枚剥がしながらサイドを取り、次の番のテクノバスターも誘発できるので概ね勝ちます。

 より面倒なのはサイコジャンプから入られるケースで、返しにライトニングロンドでミュウVを取れればもちろん有利ですが、場から帰ってメロエッタを押し付けられると、ゲノセクトV3体で勝利する、という手順が踏みづらくなり、エネルギーも温存されるため少しやりづらいです。ただその場合も結局はライコウVを起動するまでは変わりません。

 こちらの狙いとしては、ライコウVで相手のポケモンを小突いて、返しにテクノバスターを打たせることです。メロディアスエコーやダイミラクルで倒されても致命的ではないのですが、その場合テクノバスター後のインターバルをクワガノンVのパラライズボルトで咎められず、クワガノンVが一発攻撃をもらってしまいます。そうするとロックから逃れられた時の猶予回数が一つ減るので、その分だけやりづらくなります。

 後手 有利
 先手後手での顕著な違いは、相手の最初のアタッカーがミュウVMAXになる可能性が極めて高いということです。これにより、ポケモンVでゲームをスタートさせた場合は、サイド二枚の先行を許すことになります。

 また、相手に手張りの余裕があるため、テクノバスターの後隙を狙ってパラライズボルトを撃っても、前のミュウVMAXが逃げて後ろのVMAXが技を宣言してくることが多く、その分ロックを抜けられた時の猶予が少なくなりがちです。最悪なのがこの時にメロディアスエコー280を打たれる展開で、この場合だけは負けと割り切っています。

 ただ、ミュウ側がロックを抜けるためにはダブルターボエネルギーかカミツレのきらめき+手張りを支払う必要があり、ガラル鉱山を破壊できなければそれでも逃げることができません。そのままロックから抜け出せないケースも極めて多く、ミュウ側は常にトップ解決を強いられる形となります。
 そのため、後手からでもライコウガノンの勝率は高く、有利だと考えています。

【ヒスイゾロアーク】

 基本的には有利ですが、ゾロアークのデッキ構成によって有利の度合いが動きがちな対面です。相性を左右しそうな要素は、「ダブルターボ以外のエネルギーの採用の有無」「エネルギー回復札の採用の有無」「ノコッチの採用の有無」「ふうせん以外の入れ替え札の採用の有無」くらいでしょうか。いずれも、採用がない方がライコウクワガノン側に有利であり、相手の動きや見えたカードから、これらを予測するのがこの対面において重要になります。特に、ダブルターボ以外のエネルギーが採用されていないゾロアークは、超イージーな対面と言えます。

 先手 有利
 先2からパラライズボルトを連打する動きが、ゾロアークにとっては致命的になりやすく、ライコウガノンが有利です。一度盤面にポケモンを置いてしまったゾロアークは、ダメージポンプを使うことでしか火力を増強することができません。これをパラライズボルトで咎める形になれば、ゾロアークの打点レンジを常に制限しながら負荷をかけることができます。

 また、この対面ではミュウ同様に、クイックシューター+パラライズボルトで、相手の逃げを縛りながら継続的にサイドを取っていく戦術が有効になります。入れ替えグッズを縛ってしまえば、バトルポケモンを逃がすためにエネルギーを要求していくことができるので、エネルギーの細いデッキにとっては致命的なリソース不足を与えることができます。

 さらに、アスナを手帳で使いまわすことができれば、相手のデッキのダブルターボに直接負荷をかけることができ、エネを潰しきって勝つことも現実的になります。ロックを抜けられてゾロアークで殴られることがあっても、見えていないところからサンダーが即起動してサイドを二枚とる動きができれば、サイドレースで有利になります。

 負け筋としては、ロックがうまくいかないままにゾロアーク側の盤面が完成してしまうことです。こうなると、こちらのデッキの全てのポケモンが一撃で倒される流れになってしまいますので、かなり厳しくなります。
 こういった状況の打開手段にもリソースを削るための手段にもモルペコが有効であり、特にこだわりベルトを巻いたゾロアークVSTARにはふうせんがつかないことから、モルペコによってもエネルギーに負荷をかけることが期待できます。

 基本エネルギー型のゾロアークに対しては全てのエネルギーを潰し切る、というのは難しいですが、即起動しないゾロアークばかりにすることはできるので、その間にグッズロックをかけ、相手の動きを縛っていくのが有効でしょう。

 後手 有利 
 後手も先手の場合と大まかには変わりませんが、2ターン目にファントムスターも併せて急いで場を作られると、相手の動きを止めるのが難しくなることは考えられます。ただそれもダブルターボ4枚構築ではエネを割り切って勝つ筋が強烈すぎて負けませんし、そうでなくても常にガラルサンダーVでのカウンターも狙えます。
 基本エネルギー構築かつノコッチ採用で、先手からその盤面を作り切られると勝ちづらい盤面になるかもしれませんが、基本エネルギーとノコッチを採用しつつ安定感のあるデッキを作れるほど枠に余裕のあるデッキだとは考えていないので、総じて有利であると結論していました。

【アルセウスジュラルドン】

 モルペコを使わないと勝ちづらい対面です。アルセウスを倒した後、ガラル鉱山で逃げを縛りつつ、ジュラルドンVMAXにモルペコのいちゃもんを当てることでキョダイフンサイを縛り、技を打てないようにします。その間さらにクイックシューターでダメカンを載せていくことで、ジュラルドンVMAXを後続のガラルサンダーVやクワガノンVのワザ圏内に入れ、一気に倒します。
 入れ替えや逃げを絡めるとモルペコは突破されてしまうので、釣り竿を絡めての複数回起動を狙います。先に2体のポケモンを倒してしまえば、モルペコ一枚で相手に本来置く必要のないたねポケモン置きを強要できます。

 モルペコの効果は進化すると無くなってしまうので、慣れた相手であれば進化を猶予してくるでしょうが、初見でモルペコの採用はまず予想されないので、手札に来る限り最速で進化してくれるケースが多いでしょう。ただ、こちらの遂行速度はかなり遅く、サポートもグッズも打てる相手に入れ替えに触れないようお祈りし続ける展開になる上、すごいきずぐすりも有効に使われてしまうので、環境上位に存在するデッキの中では最も難しい対面と言えます。

 先手 展開によって有利~不利
 基本的に、ゲーム序盤のアルセウスジュラルドンは二手をかけてアルセウスが技を打てるように準備をします。
 もしジュラルドンVスタートしているのであれば、ガラルサンダーVが2エネで起動するので、先1にガラルサンダーVに手張りをするでもいいですし、紐メロンを絡めて一気に裏を取りに行くのでも構いません。どちらにしても、ガラルサンダーVでアルセウスVを先2から倒すことができれば、ほぼ間違いなく勝ちます。

 一方でそれができなければ、タフネスマント付きのガラルサンダーVを倒すための札(カリンの信念かこだわりベルト、ツールスクラッパー)をジュラルドン側が持っていないことを祈る必要が生じ、トリニティノヴァを許す形になるので、相手の三体目の起動が手張りでゆっくり間に合ってしまいます。ガラルサンダーVが二回行動できればこちら側もかなり戦えますが、ガラルサンダーVが一撃で倒されてしまうと、おおむねモルペコのロックでは止めきれず、押し切られる展開が多いです。

 また、後1でトリニティチャージを打たれた場合にも、最速でガラルサンダーVを起動できなければ、相手のエネ加速を二回許すことになり、結果モルペコの縛りを逃げによって抜けられやすくなります。この展開は、後手を取るより相手のエネを二回許している分明確に損で、先手を取っているにもかかわらず後手の進行よりも苦しいです。この進行を許してしまうとこの対面は不利がつきます。
 総じて先手は、こちらの理想通りに進行した時の有利が甚だしい反面、それが失敗した時の不利がより強く、展開によって有利~不利が大きく揺れます。

 後手 五分
 メッソンをトリニティノヴァで取られた返しにガラルサンダーVを起動し、アルセウスに二回の行動を許さないことが基本的な狙い筋となります。相手はその返しにキョダイフンサイを打ってきますが、ここでこだわりベルトやカリンの信念でガラルサンダーVが取られさえしなければ、相手のエネ加速も間に合わない上にガラルサンダーVがジュラルドンを一度殴ってから退場できる形になるため、おおむね戦いやすい有利の展開です。
 逆にこだわりベルトやカリンの信念に触られたり、タフネスマントをつける余裕がなかったりしてガラルサンダーVが一撃で倒されてしまうと、先手の時同様モルペコの遂行速度が遅すぎ、不利の展開になっていきます。

【ハピナスミルタンク】

 先手・後手 とても有利
 
ノコッチを採用しているハピナスはかなり少なく、いたとしても先殴りすることが容易です。そのためこの対面においてはガラルサンダーVの一貫性が凄まじく、ガラルサンダーVだけでサイドを4枚程度獲得することもざらにあります。
 先手・後手はあまり関係なく、この対面はいかにガラルサンダーVの採用を悟らせずにハピナスVを倒すかと、ゲッコウガ・インテレオン・モルペコといった非Vのポケモンを運用できるかにかかっています。
 相手のハピナスVの打点が上がり切る前にガラルサンダーVを起動することが重要で、直前の言と矛盾するようですが、場合によってはガラルサンダーVが先殴りされることを覚悟でベンチに置いて育てるのが重要になることもあります。ハピナスミルタンクには頂への雪道がよく採用されていますが、ガラルサンダーVの場合4エネをつけて殴ることもそこまで難しくなく、アスナや鉱山が採用されていることも含めると大した問題にはなりません。ガラルサンダーVの攻撃でラッキーエネルギーを先に割ることで、相手にドローをさせないことができるのは覚えておくとよいでしょう。
 基本的にはミルタンクはモルペコやかがやくゲッコウガ、インテレオンで相手をしていくことになるのですが、ガラルサンダーVの雷鳴蹴りは相手の特殊エネを破壊することができるので、後続の準備が整うまでミルタンクのエネを割り続けて時間を稼ぐのが有効です。こうすることで相手のダブルターボやツインエネルギーを枯らすことができますし、ハピナスVを置いたタイミングでボスを打つことも容易になります。よほどのことがない限り負けない対面です。

【裏工作アルセウス】

 ルートが多く、比較的難解な対面です。基本的にはガラルサンダーVを通すのがわかりやすい筋となりますが、手札や相手のスタートによって選ぶ手段が変わることになります。
 とにかくこの対面で最も重要なのは、「絶対にチェレンの気配りを使わせない」ことに尽きます。中途半端な打点でアルセウスを殴るのは、チェレンで回収できないような、後続がいない時に限定されると思った方がよいでしょう。

 先手 有利
 先手を取った時の序盤のこちらのプランは大まかに言って三つです。一つは早いうちからガラルサンダーVを起動して、前のアルセウスを倒してしまう展開、一つは、ライコウVやクワガノンVを起動して、アルセウスを二回の攻撃でなんとか倒す展開、そしてもう一つは、ライコウVやクワガノンVを用いて2ターンかけてメッソンラインを二匹取る展開です。
 このうち、ライコウVやクワガノンV、特にライコウVでアルセウスを二回の攻撃で倒すのはとても難しく、どちらをこなすのにもこだわりベルトの併用がほぼ現実的には求められるでしょう。しかし、上記二匹はこだわりベルト付きのトリニティノヴァを耐えませんので、パラライズボルトが使えるクワガノンVはともかく、ライコウVでそれをやるのは大変難しいことになります。したがって、基本的には雷Vで序盤の戦線を維持する場合は、タフネスマントを併用して、攻撃を一度耐えることを前提にゲームを進めていく形が有力です。この場合、相手のツールスクラッパーの採用を許すとゲームが不利に傾きがちであるため、基本的にはクワガノンVを運用していくのが望ましいです。
 サイドを三枚取ると相手にツツジを使われてしまうことから、ガラルサンダーVを起動する場合はサイドを2-2と取り進められる場合にほぼ限ります。したがって、より理想的なのは「クワガノンVでサイドを1-1枚、ガラルサンダーVでサイドを2枚、最後にガラルサンダーVやライコウVでなんとか残りの2枚(1-1でも2でもよい)」という展開でしょう。もちろん相手も頂への雪道を貼ることでガラルサンダーVの起動を妨害してきますので、張替え手段としてのガラル鉱山のバリューが高い対面です。

 後手 有利
 後手からでもガラルサンダーVを起動すれば相手のアルセウスVSTARを一撃で倒し、展開を有利に運ぶこと自体はできるのですが、それにはいくつか障害があり、これを突破できないと一気に不利になります。
 まず、前提としてのガラルサンダーVの起動。ガラルサンダーVの起動には基本闘エネルギーが絡むため要求が高く、キバナや裏工作のエネルギー転送で持ってくる展開が多いです。このため、これがうまくいかない場合にはライコウVやクワガノンVの起動を強いられるのですが、トリニティノヴァの返しに小突く行為は相手にチェレンの気配りの使用を容易に誘発し、これをされるとかなり不利になります。
 したがって、ガラルサンダーVの後2起動がほぼマストになる、というのが一つ。
 次に、相手の頂への雪道の問題。ガラルサンダーVの起動は要求札が多めである、というのは今説明した通りですが、相手がさらに頂への雪道を貼っていると、追加でガラル鉱山を貼ることが要求されており(サポートはキバナやメロンに使うのでアスナは使えない)、触れなかったりサイドに落ちていたりするとガラルサンダーVが起動できません。そうなると不利になります。
 続いて、相手にノコッチが採用されているケース。相手のノコッチが置いてあると、当然雷鳴蹴りでアルセウスを倒すことができなくなります。
 総じて先手との違いは、「チェレンの気配りを打たれてしまうため、二回の攻撃で倒すことを狙う小突きが通用しない」点です。また、キバナやメロンで起動することが多い都合上ボスの指令が打てず、メッソンを狙いに行くことも難しくなる点も顕著な違いと言えるでしょう。
 ただ、ガラルサンダーVさえ起動できれば有利な展開になるので、不利と判断するほどではないと考えています。

【アルセウスコケコ】

 基本的にはアルセウスジュラルドンと同じですが、以下のような点が差異です。

① すべてのポケモンが闘弱点なのでガラルサンダーVを維持すれば勝つ
② 頂への雪道を多投しているため、ガラルサンダーVの闘争本能が働きづらい
③ カプ・コケコVMAXの逃げエネが1のため、モルペコで縛りづらい

 先手 微有利
 技でのエネルギー加速に意識があり、ドロサポを厚めに採用しているこのデッキはグッズロックの影響を受けづらいので基本的には戦いづらいです。ただ、とはいえ先手なので、メロンによる即起動やクワガノンVの2回の攻撃でVを取る戦術は有効であり、その分ガラルサンダーV以外の攻め筋があるため微有利としています。
 どこかでガラルサンダーVを通し、バトルポケモンを1体だけにすればモルペコを使うことができるので、スタジアムを割るカードを大事にすれば二度目のガラルサンダーV起動でサイドを取り切るところまでいきやすいでしょう。

 後手 五分
 後手を引いてしまうと、この対面は難しい展開になりやすいです。先2で裏のポケモンに加速しつつ雪道を貼られる確率がかなり高く、ガラルサンダーVを起動する公算がジュラルドンを相手にした時と比べて立ちにくいからです。ガラルサンダーVでアルセウスVSTARを倒せればやりやすいのですが、今度はダイサンダーで麻痺を入れられてしまう上に、二枚目の雪道を貼られやすいため、ガラルサンダーがV二連続で攻撃するのはなかなか難しいのではないかと思っています。これを通すことができればこちらが有利になるでしょう。
 ただ、もしこれに失敗すると、モルペコでのロックは相手の逃げの軽さのためにほとんど効果がなく、押し切られてしまいがちだと思っています。

【ドガスダイナ】

 環境上位ではないものの、大会における仮想敵としては最も不利を取る相手です。アルセウスジュラルドン・アルセウスコケコもそうですが、ドローサポートやシステムドローを厚めに積んで動かしていくデッキや、その関係上でマリィを打ちやすいデッキ、比較的緩いエネ条件で220~250の火力を出しやすいデッキには基本的に不利になります。先手・後手ともに、いかに「ガラルサンダーVを相手が起動させてくれるか」といった、半ば相手に依存した勝負になります。また、毒で気絶した場合にはキバナが使えないので気をつけましょう。

 先手 不利
 後1で相手のドガースに「かくせい」されてガラルマタドガスが立ってしまうと、運が悪ければこちらは全く動けないままに敗北しますが、それを止める術は基本的にはありません。このデッキは裏工作を介さずには攻撃準備を整えることすらおぼつかないので、ボスの指令・あなぬけのヒモを惜しまず使って、何とか特性が使えるうちに戦線を作ることを第一目標に据えましょう。
 そうして逃げの重いポケモンを縛りながらパラライズボルトが打てれば、運よく相手が止まってくれるかもしれません。特に相手のヒスイダイケンキVSTARが、ザンゲツスター・むじひなやいばともに重すぎるので、基本的には裏のポケモンを倒せる状況を狙います。理想はガラルマタドガス・ムゲンダイナVMAX・クロバットVで6枚のサイドを取ることで、ガラルサンダーV置き・闘手張り・入れ替え・ボスの指令が一度に撃てる状況を狙っていくことになります。長期戦になると相手のガラルマタドガス維持が容易になり、また相手がハイド悪エネルギーに触りやすくなる関係上、お祈りでターンをもらうこともできなくなっていくので、多少の手札干渉や裏目は割り切りつつ動いていくことが重要です。

 後手 不利
 先2でガラルマタドガスが立つ確率は後1かくせいされる確率よりもさらに高く、動きづらい展開になるかと思います。俊足・隠し札を早めに使っていくことで、ドガースをライコウVで倒す展開を狙っていくのがよいでしょう。ダイケンキVSTARを使って戦われる展開は厳しく、モルペコに頼ることも視野に、ガラルサンダーVは起動できれば運が良い、程度で戦うことになります。勝てないとは言いませんが、その「勝てるかどうか」が自分ではどうにもならない部分に依存する側面が大きく、はっきり不利です。

【レジギガス】

 相手のレジロックが継続的に殴れるようになってしまうと、弱点を突かれるので必ず負けます。したがってこちらとしては、相手の盤面・トラッシュが整う前に動きを潰しきることが重要になります。

 先手 有利
 パラライズボルトまでのターンがかかりづらく、この一手の差が響いて有利になりやすいと考えています。パラライズボルト下であれば、相手は各種サーチ・ボールが使えないのはもちろん、普通の釣り竿を使うことができないので、一種類をすべてトラッシュに落とすことができれば、レジギガスの特性を完全に封鎖することができます。相手のポケモンに対する遂行速度を高めることが極めて重要な対面なので、クイックシューターのインテレオンを早めに立てましょう。クイックシューターを合わせれば、レジギガス以外のポケモンを2ターンで気絶させることができます。
 あとはレジロックにゆっくり手張りで動かれないよう、手順に逃げの重いポケモンを縛りながら殴り続ければ負けません。逆に、こちらのパラライズボルトまでの準備が出遅れたり、相手の場とトラッシュの準備が最速で整ったりすると、そのまま負けます。これを嫌って時間を稼いだり、より勝率を上げたいのであれば、セイボリーを採用するのがよいでしょう。

 後手 五分
 相手の方が一手早く動く余裕があるため、場が整いやすく、当然ながら先手よりは不利寄りになります。この対面の先手後手が与える影響は、最速のダメージレースに関与するというよりは、こちらの妨害を相手がいかにすり抜けて盤面・トラッシュを整えられるかに関わってくるので、有利不利はかなり感覚的なものとなってしまいますが、後手を引くと相手の準備が整いやすく不利になりがちだと思っています。

【ゼラオラファイヤー】

 先手 有利
 裏工作の依存度がかなり高いデッキなので、先2パラライズボルトが決まればほぼ負けません。先2でそれができなくても、ゼラオラファイヤーは自分から積極的に動いていくことが苦手なデッキなので、相手のアタッカー(特にガラルサンダーV、ライコウV)が整う前に、先3くらいまでにパラライズボルトを宣言できれば有利になると思っています。

 後手 微有利
 後1パラライズボルトはほぼ決まらず、相手にライコウVやガラルサンダーVを準備されやすくなるので、有利とは言い切れません。
 裏工作とグッズに依存しているデッキなので、パラライズボルトを一方的に打てるこちらが有利に見えがちですが、ライコウVやガラルサンダーVを起動されてサイドレースに持ち込まれてしまうと、非Vのアタッカーの質の差が響き、こちらのポケモンが一方的に一撃で倒される形を作られて負けます。具体的には、こちらは裏工作のインテレオンを一撃で倒すためにはライコウVかガラルサンダーVを使わなければいけないのに対し、相手はガラルファイヤーを使えばよく、サイドの1-2交換を強制される展開になるのです。
 したがって、こちらとしてはパラライズボルトで早期に相手の出足をくじくことのプライオリティが高く、そのため後手を引いた時の有利はわずかだと考えています。

【その他環境にいるかもしれない相手とのマッチアップ 】

・アイアント とても有利
 グッズロックを仕掛け続けていれば、最初こそ山札を削られますが、レスキューキャリーもサーチ手段も潰せるためアイアントを並べなおす手段がありません。クイックシューターを混ぜればあとは勝手に相手が動けなくなって勝ちます。

・ディアルガ 五分
 基本的にはドータクンを縛ってグッズロックを仕掛けることを狙います。相手のメタルトランスを封じつつ、クイックシューターと合わせて盤面に鋼エネがたまらないように立ち回りましょう。ディアルガにエネを集めてくるようであれば、クイックシューターのダメカンを重ねつつ、ロックを解くタイミングでボスの指令→超電磁砲を当てるのが狙い筋です。ロックが決まれば勝ち、ディアルガVSTARの起動を許せば負けです。

・ダークライ 不利
 ガラルマタドガスがこちらに刺さる上、弱点を突くこともできないので、いかにグッズを縛ることができようと不利を取ります。基本的にガラルマタドガスが採用されているタイプのデッキには不利を取ると考えたほうがよいでしょう。

・ゲンガー 不利
 基本的にはダークライと同じですが、ガラルサンダーVで弱点を突ける分わずかにこちらの方が戦いやすいです。ただ、雪道が働くことも多々あるので不利は動きません。

・白馬パルキア 微不利~不利
 ダイランスをしっかり打たれると不利になります。パルキアVSTARをライコウVで取り、メッソンを取り、はくばバドレックスVMAXの攻撃をタフネスマント+クワガノンVで耐えながらなんとか3回の攻撃で倒すことが目標ですが、相手の攻撃の方が要求が緩く、総じて戦いづらい対面です。

・ヒスイウインディ とても有利
 相手がポケモンを気絶させてきた返しにグッズロックを当てることができれば、ピオニーを引かれたり、たまたま手札がすべて即処理できるものであったりしない限り、相手は手札を切れなくなります。エネが無い、あっても絞っている以上相手の逃げエネが重いポケモンを縛ると動けなくなるので、そのままクイックシューターと月光手裏剣を絡めてサイドを複数枚狙えばよほどのことがない限り勝ちます。運が悪いと負けますが、相手が越えなければならない「運」のハードルが高いので、総じて有利です。
 ただし、ピオニーを持ってくることができるチルタリスの存在や、ゾロアークが変化するヒスイゾロアーク(はめつののろい)には注意する必要があり、ボスで縛る相手や優先的に倒す相手にはトラッシュに目を向けながら気を配る必要があります。

・連撃ウーラオス とても不利
 まず負けます。当たったら諦める対面です。

⑨ このデッキの弱点

 デッキとしての弱点は、ここまでお読みくださった方なら概ねお分かりかとは思いますが、以下のようにまとめられます。

・グッズに頼らず、安定して、また緩い条件で250程度の打点を出すことができる相手
 →【ドガスダイナ】【ダイケンキ】【白馬パルキア】【アルセウスジュラルドン】等
・こちらの特性に干渉して動きを止めてくる相手
 →「かがくへんかガス」のガラルマタドガス・「じんらいのめざめ」のサンダース・「頂への雪道」等
・エネルギーの加速をグッズに頼らず、またドローサポートを厚めに採用して動かす相手
 →【アルセウスジュラルドン】【アルセウスコケコ】【ドガスダイナ】等
・手札干渉カード
 →「マリィ」「ツツジ」「ジャッジマン」
・エネルギーやジメレオンに全く触れなかった場合の手札事故が勝負を分けかねないほど重い
・プレイ難度が高めで、ピン刺しのカードからサポート・ボール・回収ネットの残数に至るまで把握しながらデッキを回さなければならず、時間内に正確にプレイしづらい

 上記の通り、打点の高いデッキはロックを掛ける余裕もなく、タフネスマントを無視してポケモンを倒されてしまうために不利がつきますし、特性に干渉されると裏工作への依存度が高いこのデッキは基本的に何もできなくなります。また、ドローサポートを多数投入して動かすデッキにはロックを抜けられやすく、こちらは裏工作を手札に抱え込んで動くために相手の手札干渉を苦手としています。

 今回の環境では、手札干渉を継続的に行ってくるデッキタイプがそもそもかなり少なく、一度のツツジ程度であれば越えられる可能性が高かった点、ドローサポートや火力が安定するタイプのデッキが総じて闘弱点でありガラルサンダーVの一貫が非常に強くとれていた点、特性に干渉してくるデッキタイプのシェアが無視できる程度には低かった点に鑑み、このデッキの立ち位置が良いと判断しました。
 手札事故に関しては、かなり許容できないものであり、何とか安定性を上げられないかと苦慮しましたが、一応の妥協点を見出した形です。

⑩ 当日の対戦について

 蛇足ではありますが、おまけとして当日の対戦の進行について軽く触れられればと思います。

 1戦目 モルペココントロール ○
 先後は記憶にない。相手はガラル鉱山で逃げを縛り、モルペコとクイックシューターでダメカンを蓄積するデッキ。時間がかかりもつれたが、こちらのモルペコでモルペコを止めたり、要所でグッズロックを仕掛け、こちらの打点が高いことを活かしてダメージレースで有利を取って勝ち。

 2戦目 パルキア ○
 後手を引いたが、相手のあくうのうねりに対してライコウVの即起動カウンターが成立し、一方的に2-2-2を要求した。最後にはツツジで時間を稼ぐことを狙われたが、打開して勝ち。

 3戦目 ハピナスミルタンク ○
 先手を取った。順当にガラルサンダーVが起動し、相手のハピナスVを二回削る形となった。あとはガラルサンダーVでミルタンクのエネルギーを割りつつ、裏工作インテレオンを育てて殴り勝ち。

 4戦目 ミュウ ○
 先手を取った。後1メロディアスエコーは打たれず、ライコウVで前のメロエッタを先殴りをすることに成功。相手にテクノバスターを打たせた返しにクワガノンVのパラライズボルトでのロックが成功し、そのまま一度もロックを抜けられることなくサイドを6枚とり切って勝ち。テクノバスターでライコウVも取られなかったので、相手に一枚のサイド取得も許さない形になった。

 5戦目 パルキア ○
 後手を引いた。相手は初手の手張りができず、先2げっこうしゅりけんもなかった。そのためライコウVが起動して毎ターンサイドを二枚ずつ取っていき、サイド4枚の差がついたため盤面での勝利を作って勝ち。

 6戦目 ハピナスミルタンク ×
 先手を取ったが、かなり進行が思わしくなかった。ハピナスVをパラライズボルトで攻めざるを得ない展開になり、雷の二枚目に4ターン程触れなかったためにパラライズボルト三回の宣言の返しにハピナスVにクワガノンVが落とされてしまう。それをガラルサンダーVで取り、ベンチに出ていたかがやくゲッコウガ・ミルタンク・イベルタルを狙う形となり、一匹のミルタンクはアクアバレットで処理する展開となったが、二体目のミルタンクに要所でチェレンの気配り・すごいきずぐすりが三度起動。こちらの攻撃ターンを稼がれた末にハピナスVでガラルサンダーVを落とされる展開を許してしまった。
 それでも最後にモルペコでハッピーボンバーを封じ、あわやLOというところまで行ったが、相手の入れ替え札が残っていたためサイドを取り切られ負け。雷エネの噛み合い・入れ替え札の噛み合い・回復札の噛み合い・相手の博士の研究での巻き込み方がどれか1枚でもズレていれば勝っていただけに、残念でならない。

 7戦目 パルキア ×
 絶望的な手札事故。先手を取ったものの3ターンエネルギーに触ることができず、エネルギーに触れた頃には前のライコウVが無償で突破されてしまった。4ターン目に、ギリギリ触れたエネルギーとキバナを絡めて何とか二匹目のライコウを起動することを狙ったが、ジメレオンにも触れなかったためにそれもかなわず、次のターンでライコウVが取られ、勝ち筋を失ったためにそのまま投了した。

 8戦目 パルキア ○
 先2からパラライズボルトでメッソンを取り、そのまま相手の動きを完全に封じて勝利。一度の技宣言も許さない形となった。

 9戦目 ミュウ ×
 先手を取ったが、うまく盤面が展開できず、後1メロディアスエコーでメッソンが取られてしまう。返しにアスナでメロエッタのエネルギーを割り、ターンをもらったが、エネルギーにまたも触れずにライコウVを無償突破されてしまった。その後は多少抗えそうであったが、結局ロックに入る盤面にまで行けずに押し切られて負け。ドロップとなった。

おわりに

 かなりの長さになってしまいましたが、ここまでお読み下さいましてありがとうございました。

 このデッキはここ数ヶ月の私の執念の集大成とも言え、JCSの結果が出た今となってもこのデッキが今環境において最も優れていると信じて疑っていません。その分、十分に活躍させてあげられなかったことについては慙愧に堪えません。
 手札がたくさん増えて、デッキ内のカードを全て手札であるかのように扱えるデッキですので非常に楽しく、またコントロールデッキとしての味とビートデッキとしての味をどちらも楽しめる非常に面白いデッキとなっておりますので、是非遊んでいただければと思います。

 また、大変不躾なお願いではありますが、私はこの構築の価値をもっといろいろな人に知ってもらいたいと思っています。それに反して、私は知名度のあるプレイヤーとはとても言えません。もし、本当にこの記事が良いと思っていただけたらでよいので、RTなどして宣伝いただけると助かります。

 何か立ち回りや採用カードなど、ご質問ある方はTwitterの@miTSUriN_miriに向けてDMを送っていただければ、答えられる範囲でお答えさせていただこうかと思います。
 また、本文の無断転載(私的・公的問わず)は禁止とさせていただきますので、ご了承ください。

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