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『相棒は点滴棒!』帝王切開と合併症のレポ漫画


こんにちは!みっぽんぽんです。

Twitterに帝王切開と術後に起きた合併症(脳髄液減少症)の漫画を置いたところ、たくさんのRT・コメントを頂戴しました!

この漫画は、2018年の冬に第三子を出産した際の経験に基づいて描いたものです。
一年後の2019年に『のど元過ぎれば熱さ忘れる、とかいうけど全然忘れられねえ!』と言うことで描き始めました。

世の中には不思議と【帝王切開は楽】と言うような認識が広がっていませんか?
わたし自身、義母や友人から悪気なく『陣痛を経験しなくていいなんて羨ましい』と言うような事を言われたことがあります。

帝王切開は楽ではありません。
ーというか、楽なお産はありません。

これを多くの方に、特にこれからパートナーが帝王切開で出産する男性に読んで欲しくて描きました。
是非、帝王切開は愛する赤ちゃんのためにママがリスクをすべて負うお産だと知っていただきたいです。

※漫画の表記について追記です。

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それでは……本編へ!

帝王切開の様子

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※しちゃ・はちゃは長女と長男のあだ名です。

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こんなに苦しい帝王切開……まさかの合併症が発生しさらに地獄の痛みを味わうことに……。

1%の割合で起こる合併症【脳髄液減少症】

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脳髄液減少症と言う、合併症にかかってしまいました。
腰椎麻酔の針を刺した穴から髄液が漏れるというものなんですね。
手術の麻酔で起きるものに関しては、正式には腰椎(硬膜)穿刺後頭痛と言うそうです。
他にも髄液漏れ・低髄液圧症候群などと呼ばれています。

漫画にも描いた通り、髄液が減ることで圧が下がり、立ち上がると脳が下に引っ張られて激痛が走ります。

起き上がってから数分もすると、動けないほどの頭痛・首痛・肩痛で退院までずーっと泣いていました。

余りの痛みに赤ちゃんのお世話をしたいのに、できない。
38週に渡り、抱くのを楽しみにしてきた赤ちゃんなのに。


不甲斐なくて・淋しくて……いつ治るかわからない頭痛を呪いながら安静にしていました。

わたしは術後1週間でほぼよくなりましたが、これが何年も治らないような方もいるそうです。

他にもある、たくさんの不調!

他にも帝王切開にはたくさんの辛さを伴います。
わたしが特にしんどかったのは、腸の動きがなかなか戻らないこと。
3回の帝王切開で、毎度くるしみました。

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3人目は、脳髄液減少症で安静を指示されていたので特に酷かったように思います。
歩くことで腸の動きの戻りを促しますが、安静にしていることで全く腸が動き出しません。

手術の後は必ず『おならが出ましたか?』と聞かれますよね?あれは腸の機能が戻ったかを確かめているんですよね。
腸が動かないと食事の許可も下りないので、術後何日も食事を禁じられていました。

元々胃腸が弱いわたし、1・2人目の出産時は退院後も腸の不具合が続き……産後1ヶ月で摘便を経験する羽目になりました。

胃腸科に電話をして『出産後にウンチが出なくて困っています』と相談すると『赤ちゃんですか?綿棒で刺激してね』と、看護師さんに言われました。
『……自分自身のウンチです』と答えたときは恥ずかしくて穴に入りたかった。

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脂汗をかきながら摘便してもらった苦い思い出。

友人は、尿管を抜いた後も自力で尿を出すことができなくなったそう。

お腹の傷もケロイドになっています。赤く盛り上がっていて、ジーパンのような硬い生地のボトムを履くと常に痛いです。

帝王切開は赤ちゃんのリスクを肩代わりするもの

そもそもなぜ帝王切開での出産になったか?と言うことについて。
わたしは手と足に障害を持っていて、動きや力に大きな制限があります。
一人目の出産時に、担当医が『いきみに耐えられるだろうか?』と言って分娩台に乗せてくれました。
足の関節の可動域の問題で、分娩台に長く乗っていたり、力を入れて踏ん張ることはできないと感じました。

『お産が進まなくなると、赤ちゃんもしんどいので帝王切開にしましょう』

と言うことで、帝王切開での出産が決まりました。
この時は結構なショックを受けたことを覚えています。

若年性リウマチの知人も、陣痛・分娩に耐える力がなく赤ちゃんが危険と言うことで帝王切開での出産となりました。

他にも胎盤の問題・多子妊娠・高血圧などで帝王切開での出産となるケースはたくさんあります。
いずれも母子ともに健康でお産するため。
赤ちゃんの安全を守るために、お母さんはお腹を切り開くのです。

無事に赤ちゃんを産んであげたい、と言うところはどんな出産方法でも変わらないと思っています。

沢山の肉体的・精神的なしんどさを乗り越えて出産する女性たちにエールと感謝を贈り合う世界になればいいなと思います。

Twitterで、たくさんの感想や意見をいただいたので紹介したいと思います。
この漫画をアメブロで公開した際のものも織り交ぜております。

帝王切開のしんどさ

どれがご飯でどれがお茶ですか???
具がない…

開腹手術をしたのに、リクライニングがないベッド?!涙が出そう。

傷が……開くだと?!

傷が……開くだとぉ????!

だいの男が泣き叫ぶという尿路結石の上を行くんですね……(白目)

旦那様の反応

こういう反応をすると、一生忘れてもらえませんよ。ひーん!

こんな風に、みんなが奥様を労わってくれますように。

出産の大変さは男性からは想像しにくいからこそ、やさしさを!

脳髄液減少症の経験談

産後うつを引き起こすほどのしんどさ……。

この方も産後うつ……うわああん、お母さんたち頑張りすぎだよ。

ブラッドパッチ経験者の方……!髄液の漏れる穴を自分の血液で塞ぐなんて想像できますか……;;

この方も!ブラッドパッチするのにもまた下半身麻酔なんですよね……?!

1%と説明を受けた合併症・脳髄液減少症ですが……経験者がたくさんいて驚きました。

普通分娩経験者からの理解

これはうれしいです……ありがとうございます!

沢山の方に経験談を読んでいただけてうれしいです。

こんな風に言っていただけて、漫画を描いたかいがありました!
普通分娩の出産レポは多く見かけますが、それに比べて帝王切開は少ないと感じています。
どちらも尊い、大変なお産であると……みんなに届け~!

漫画の中で、普通分娩の方がニコニコ母乳をあげている絵を描きました。
もちろん、普通分娩だってとても大変な思いをされる方がたくさんおられます。
みんな命を削ってお腹の中で赤ちゃんを育てて、命がけで出産しています。ありがとうございます!

そんなたくさんのお母さんたちの、それぞれのお産を守ってくれる先生方。
ありがとうございます。

沢山の声、ありがとうございました!

補足・脳髄液減少症について

出産とは違う話になりますが、この合併症……どんな手術でもなります。

要は、腰椎や硬膜外に穴を開けるものすべてに可能性がある。

ひざの手術でも……。

ちなみに麻酔以外でも腰椎や硬膜外に穴・破れが起きることがあるそうです。
例えば交通事故のむち打ち、転倒した際に尻もちをつく……こういったことでも髄液が漏れてしまうことがあります。
麻酔の針穴よりもふさがりにくく、長期に渡って苦しむ方もおられるそう。

横になっていると収まり、立ち上がると頭痛が増悪しますので、寝ているしか手段はありません。
その為『怠け病』なんていわれて理解されずに苦しんでいる方が多くおられる王です。

世の中にはいろいろな病気や怪我、想いもつかないような苦しみがたくさんあります。
すべてを知ることはできないけれど……少しの想像力で、誰かの苦しみに寄り添うことができますように。

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