本は気軽に出版できる「Kindleの場合」
noteで作品を公開している人の中には「本を出版したい」「印税収入を得たい」と思っている人もいるはず。
昔は本といえば紙しかなく、自費出版ともなると相応の費用がかかりました。しかし、Kindleであればコストをほとんどかけることなく気軽に出版が可能です。ということで、今回は自分のケースを例にざっくりと紹介してみたいと思います。
※この記事は3〜4分で読めます。
Kindleから出版するメリット・デメリット
はじめに、Kindleから出版するメリットとデメリットはどのようなものなのか見ていきましょう。
メリット
印税が高い(電子書籍の場合は35%または70%、ペーパーバックは60%)
出版コストがほぼかからない(データ処理など自分ですべてできる場合)
内容修正が簡単
電子書籍とペーパーバックの両方を出版できる
電子書籍の場合は中古が出回る心配がない
Amazonで手軽に販売できる
販売停止や再開が容易にできる
自分のペースで出せる(締め切りがない)
デメリット
書店に並ばないので目にとまりにくい
ペーパーバックの場合は装丁にこだわりを持てない
ペーパーバックは印刷コストが高めな分、実際の印税は低め
編集や校正が苦手な人には向かない(執筆初心者には不向き)
ペーパーバックとは、いわゆる紙本のことです。一般的に柔らかい紙を用いて製本した形態のもので、ハードカバーの本ではありません。Kindleの場合は、受注があって初めて印刷と製本が行われます。そのため、コストが高いのがデメリットです。ただし、受注に対して印刷されるので、通常の紙本のように在庫を抱えずに済むというメリットもあります。
印税に幅がある理由
紹介したように、Kindleの印税は電子書籍で35%または70%、ペーパーバックは60%です。通常、書籍の印税は10%未満がほとんどですから、いかにKindleが高いかわかると思います。例えば、一冊1000円で売った場合でも、通常の印税は100円にも満たない額になります。契約内容にもよりますが、60〜80円というケースも多いでしょう。
ところが、Kindleなら同じ1000円で売っても、電子書籍なら350円もしくは700円ほどの印税が入ってきます。
35%にするか70%にするかは、任意で選べるようになっています。その違いが反映されるのが配信コストです。配信コストは、実際のページ数などで変わってきますが、70%を選択すると若干高めになります。高めといっても数円程度の違いで、私の場合は70%設定でも配信コストはわずか2円ほどです(2024年5月現在)。
デメリットのところで、ペーパーバックの印税は安いと紹介しました。ペーパーバックの印税は60%で固定されていますが、ここからさらに印刷コストが差し引かれるためです。
私が現在818円(税抜き)で販売しているペーパーバックの場合、印刷コストは468円かかります。「818円×60%−468円」で計算されるため、実際に入ってくる印税は23円しかありません。
なお、印税の他にも「Kindle unlimited」で読まれたときも収益になります。
「Kindle unlimited」とは、Amazonで利用できる読み放題プランのことです。この会員になっている人に読んでもらえれば、ページ数に応じた収益が発生します。この場合の収益は変動しますが、2024年5月時点で1 ページ当たり0.5〜0.6円といったところです。
印税が振り込まれるまでの流れ
売り上げが発生すると、実際に振り込まれるのは2ヶ月ほど先です。その月に振り込まれる金額は毎月20日過ぎには決定し、設定したメールに連絡が入ります。そして、指定した口座に振り込まれるのは29日です。なお、29日が休日に当たった場合、振り込み日は後ろにずれます。
最後に、出版にあたっての注意点
読者の感想はレビューに反映されます。中には辛辣な意見を書いてくる読者もいるので、それを受け止める度量も必要です。読者のレビューにいちいち反応していては精神が持ちません。ただし、肯定してくれるレビューや喜んでくれる読者さんがいると励みになります。
初めの出版は7年ほど前でしたが、痛感したのは利益優先より「楽しんで欲しい」「役立てて欲しい」という気持ちが大切だということです。中には露骨な作家さんもいて、販売金額はそこそこいい額を設定しているのにテキストのみで数ページしかないという本を見たことがあります。流石に、厳しいレビューが寄せられていました。
私の場合ですが、最低でも1冊4万文字以上(紙本に換算して80ページ以上)は書くようにしています。
小説や実用本などテキストは、ワードで作成できれば大丈夫です(ペーパーバックはPDF化)。表紙を含め、画像はJPGになっていれば問題ありません。画像は、電子書籍の場合はRGB、ペーパーバッグの場合はCMYKにしておくのも注意点です。
ということで、Kindle、とりわけ電子書籍は割と簡単にセルフ出版できるというお話でした。気軽に出してみたいという方には、おすすめの手段です。会員登録は無料で維持管理費などもなく、自己資金ほぼゼロで始められます。
といっても、私は紙本が好きで、買うときは紙なのですけどね。
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