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有名小学校に入学するための入試対策①

1.学校側の選考ポイント

○小学校はどんな子どもを望んでいるか

 国立・私立小学校には、例外なくそれぞれの学校に教育方針があり、それに則って日々の教育活動を展開しています。当然のことながら、その目標達成のため、適格な資質を持ち合わせた児童の入学を望んでいます。そこで、これらの学校が望む児童像を総合的に考えてみると、次の3点が共通のものとして挙がってきます。

 まず、健康であること。そしてある程度の社会性が備わっていること。そして、もうひとつは情緒が安定しているということです。
 健康であること。これは当然でしょう。次の社会性に関しては、たくさんお友だちがいるか(作れるか)ということです。また、小学校(国立私立の場合)は大半の生徒が公共の交通機関を利用して登下校することになります。車内マナーはもちろんですが、通学時間も長くなります。毎日安全に登下校できることも大切です。

入試では様々な「ルール」を課して本人の社会性を試します。その能力・知識に乏しいとなれば、いくら知能レベルが高くても、学校側としては入学させられません。最後に、情緒が安定しているかどうかということは、家庭生活が円満に営まれているかどうかという尺度にもなりますから、学校側としては、大きな選考ポイントとしている訳です。

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○選考試験の着眼点

 前述の3点は最低限の条件として考慮しておかなければならないポイントです。しかし、これだけでは学校側が定員を何倍も超える受験生を選抜する材料としては不十分です。そこで実施されるのが、ペーパー試験であり、運動機能試験であり、あらゆる巧緻性を試す試験なのです。これらは知能、体力の成長度をみるためのもので、その形態は学校により実に様々なものとなっています。

 昨今の入試事情は、こうした試験の出来不出来が合否に占める割合をさらに高めていますが、短時間に選抜をおこなわなければならない学校側としては、やむを得ない状況になっているのです。子どもの成長にはリズムがあり、そのスピードも個人差があります。どれだけの能力を持ち合わせているか、ある一点でそれを判断することはできません。そんな子どもたちを入試という手段で振り分けることに、学校側も少なからず疑念を抱いています。

 そして、その選抜方法に関しては細心の注意を払って決められています。その結果が現在のような思考、観察、処理、記憶などの概念を試す問題となっているわけですが、このような試験は、単に知的レベルをみるだけのものではなく、その根底には共通した資質を見極めようとする学校側の強い姿勢があらわれているのです。毎年おこなわれる様々な学校の入試問題の傾向を掘り下げていくとその中からひとつの共通点を見い出すことできます。

 それは、「話をきちんと最後まで聞け、理解しようとする努力があるか。ものをしっかり見て特徴を捉えることができるか。そして、すぐ行動に移すことができるか」ということです。

 これらは受験準備を進める際には、必ず念頭においていただきたいポイントです。問題研究や問題練習を進めていくと、やらせなければならないと思えることが次から次にでてきます。方向性も無く、あれもこれもと手を付けていたのでは子どもは大変です。確かな指針を持って進めて行けば、かなり効率のよい準備が、大きな負担もなくできるはずです。

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○どんな親を望んでいるのか

 そこで、学校側が着眼するのが親の資質です。「合否を決するのは親の資質」とまで言われる小学入試。決するはオーバーとしても、かなり多くのパーセンテージで親の資質が問われていることは間違いありません。親に対する学校の着眼点は、学校の望む児童を育てることができたかどうか。つまり、健康に注意し、社会性を高め、情緒の安定した子どもを育てることができる資質を持ち合わせているかどうかという点につきます。

 実際のところ、親の学歴や職業が選考に際してどれ程のウェイトを占めるかはわかりません。しかし、親がどんな勉強をし、現在どのような仕事に携わり、どのような考え方をし、さらにそれらのバックグラウンドで、どんな教育観を持ち合わせているのかは、学校側も大いに気になることでしょう。

 しかし、高学歴や高収入の仕事だけがそのままプラスの評価になることは決してありません。しっかりした教育観、仕事観こそが問われているのです。こうした資質をもった親の子どもが、資質のない親の子どもより、少なくとも学校の望む資質を持ち合わせているであろうと判断することは、やはり自然であると言えるのではないでしょうか。

 児童の選抜方法のひとつとして、行動観察が多くの学校で実施されます。自由遊びや課題をこなしていく過程において、文字通り行動が観察されるのですが、同様に試験期間を通して、親の行動観察もおこなわれているといっても過言ではありません。教育は学校だけでは成し得ません。家庭での教育の果たす割合も大きなものです。学校と家庭が一体となり、教育活動を展開していけば効果も上がります。こうした意味で、入学後、学校が家庭に期待することも大きくなるでしょうし、その家庭の状況が選考の基準になることは当然のことと言えるでしょう。

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