「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」面白かったー!(ネタバレ感想)

【前置き】そんなに鬼太郎詳しくないので、「一緒に観に行ったライト層の友達が感想を脈絡なく述べている」と思って読んでいただければ。よろしくお願いいたします。
※アニメはかじった程度、墓場鬼太郎履修済です。

一言で言うと、「期待していたより王道で、希望の光が見えるラスト」でした!

閉ざされた村、いわくつきの場所、お金持ちの一族、忌まわしい風習、遺言状……とある意味ミステリーお約束な展開もありつつバディものとして熱い作品でもあり、
水木青年が現実を見据えつつリアルな葛藤をする一方、ゲゲ郎は絶滅寸前の幽霊族でありながらも未来に希望を見ているところが印象的で、救われない人も多いんだけども、心に光がともる終わり方をしているところがよかった!

PG12のおかげで喫煙シーンも自然な感じで描写されてたのがかえって好印象(あの時代の暗さとか、貪欲さが水木青年からも伝わってきた)でした。今なら電車内でタバコ吸うなんて!って感じでしょうが、当時は「子供が咳してるのでやめてください」なんて言える状況じゃない、その重苦しい雰囲気も描写されていました。

グロシーンも「わぁ」とはなったけどなんとか……幽霊族や外からさらってきた人間が気の毒ではありました。

糸目村長はCV.石田彰さんのおかげでネットでいろいろ騒がれてたので、「最初は主人公に馴れ馴れしく近づき、味方かと思わせといて裏切るだろう」と思ってたのが、まさかの敵対関係がずっと続いてたし最期はグッジョブな働きを見せてくれてよかった。

鎧の鼻の穴にブスッて指突っ込んでたのは笑った。
あの入口、孝三あたりが「実はここが通れて……」と案内して「こんなところに通路が!?」なんてやりとりしてメイン2人が通るシーンがあるかと思いましたがなかったですね。前半はじっくり見せつつ、後半そういった移動をバッサバッサ切っていてよかった。
ただ、「沙代の館は位置的にどこにあるの?」とわかりにくい部分もありました。

アクションシーンはよかったです!迫力がありました。ゲゲ郎がひょうひょうとしているのに力持ちなところいいですね。
普通ならああいう戦闘シーンを序盤に持ってきて「こういう力をもっててカッコイイですけど、更なる敵が現れて……!?」という流れにするところを中盤に持ってきている。前半は昔の映画のように背景、状況説明をじっくりやっている手法が、今のテンポのよい映画と違って「いつ何が来るんだろう」というのがわかりにくくてじんわりした不気味さを演出していて良かったです。

ところで、閉ざされた村、ってのはミステリーでよくあるので、
・殺人が起こる→外に連絡がつかない
・土砂崩れで道がふさがれる
(ただし今回の場合は話だけで土砂崩れの描写がないので「嘘パターンもありかな」とは思っていました)
・遺言状→予想外のことが示されて皆が動揺する、だいたい皆が予想してたのと違う人が跡取りになったりする
・お金持ちの一族→何人か死ぬ
・ヒロイン的美少女→不遇な目に遭っている→主人公に助けを求める→でも救われない
・閉ざされたいわくつきの場所に行っちゃいけないと聞かされる→行く!
・封印→破る!

こんな感じでお約束的展開もあったのである程度は展開も読めつつ、でも妖怪がらみとなると読めないところも多々あり、特に大多数が犠牲になってる(Mの製造工場とか幽霊族)場面、体は少年のままの老人など、「うわぁー」ってなりながらも予想外の展開で新鮮な驚きをもって見れました。

ちゃんと墓場鬼太郎に続くラストになっていたのが見事でした。スターウォーズのダースベイダー誕生みたいに「あーこうつながるのね!」のスッキリ感があってよかったです。墓場鬼太郎の包帯だらけの親父ともつながってたし。エンディングで、岩子さんとゲゲ郎がしばらく一緒に過ごせたのがうかがえてよかったです。

パンフレットがなかったのが残念!
(増刷はしているけど届いてないということでした)

今回の作品は、鬼太郎アニメシリーズすべてとは完全につながっていなさそうですが、スターウォーズのスピンオフ作品「ローグ・ワン」のように単体で成立しつつも、鬼太郎の前日譚として素晴らしい物語でした。

久々に近い雰囲気のミステリーを読みたくなる作品です。
PG12なので地上波ではやらないでしょうから、映画館で観ることができてよかったです!!

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