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ホーンテッドマンションの乗り物のシステムの話

どうも、最近タマゴの値段が高くてここ1ヶ月くらい自炊でタマゴを食べてません、みつきです。
タマゴからタマゴっぽい形の乗り物を連想したので、今日はホーンテッドマンションの乗り物のシステムについてお話ししようと思います。このシステムには公式で「オムニムーバー」という名前が付いています。他にもバズ・ライトイヤーのアストロブラスターなんかでも使用されていますね。

画像出典:Omnimovers: How Disney Revolutionized Theme Park Rides - AllEars.Net https://allears.net/2020/10/04/omnimovers-how-disney-revolutionized-theme-park-rides/

オムニムーバーの特徴として、まず乗り物は全て2〜3人乗りで椅子のような形をしており、それらが短い感覚で連なって並んでいます。そして常に一定速度で動き続け、原則として止まることはありません。なので乗る時も乗り物と同じ速度で動くコンベアの上から乗り、降りる時も同様に降ります。もし何かしらの理由(足の不自由なゲストが乗る、何か落とし物をした等)があって乗り物止めなければいけない時は、アトラクションを動いでいる全ての乗り物が一斉に止まることになります。

画像出典:Thirteen Fun Facts About The Haunted Mansion - D23 https://d23.com/from-the-magic-kingdom-to-the-movies-13-fun-facts-about-the-haunted-mansion/

もう1つの特徴として、それぞれの乗り物は自由に回転することができます。この回転はアトラクションの作り手が意図して制御することもできますし、乗り物にジョイスティックなどを付けてゲストに自由に操作させることもできます。
このオムニムーバーですが、誕生してから75年以上の歴史が経過しているという歴史の深いシステムとなっております。ではオムニムーバーは一体どのような理由があって開発されたのか、ちょっとその経緯を見てみましょ。

"Sleeping Beauty's Castle, Disneyland, 11-26-1959" by Orange County Archives is licensed under CC BY 2.0.

時は遡ること1960年代半ば、現代から考えるとかなり大昔に感じますが、カリフォルニアにある初代ディズニーランドは開園から既に10年以上が経っていました。この頃になるとパークの開園当初よりもかなり来園者数が増えており、アトラクションの待ち時間の増大などパークのキャパシティが来園者数の増加に耐えられなくなっていました。

そんな頃、ディズニーランドにお化け屋敷のアトラクションが計画されていました(お察しの通りこれが後のホーンテッドマンションです)。このお化け屋敷はゲストが歩いて館を巡るアトラクションとして計画されていたのですが、歩くアトラクションというのはゲストのスピードによって進む速さが変わるので、1日の間にあまり多くのゲストに体験してもらえないのではないかという問題がありました。

この問題を既に解決しているアトラクションがありました。それが当時オープンしたばかりの「カリブの海賊」です。カリブの海賊も元は蝋人形で作られた海賊の世界を歩いて巡るアトラクションとして予定されていたのですが、キャパシティ増加の理由で現在も知られているようにボートライドのアトラクションとなりました。ボートライドなら1台に20人程が乗れますし、乗り降りや乗り物の制御も簡単です。

実際ホーンテッドマンションもボートライドとして計画されていたこともあったようです。しかしボートライドはホーンテッドマンションには不都合な点がありました。というのも、ホーンテッドマンションの数々のトリックはゲストの視線をコントロールすることで成り立っているものが多く、ボートライドではゲストがどこを見ているのかが分からないのです。

画像出典:Load Area | Haunted Mansion Wiki | Fandom https://hauntedmansion.fandom.com/wiki/Load_Area

そこで考案されたのが「椅子型の回転できるライドシステム」でした。ライドを回転させることによって作り手の見せたいタイミングでゲストの視線をコントロールすることができます。また乗り物に横を向かせれば前にゲストが映らなくなるので全てのゲストが最前列でアトラクションを体験することができます。そしてその椅子型の乗り物を数珠のように繋げて短い感覚で動かし続けることにより、回転効率の向上にも成功しました。

"Disney California Adventure" by Roller Coaster Philosophy is licensed under CC BY 2.0.

こうしてオムニムーバーが採用されたホーンテッドマンションは世界的にも大人気のアトラクションとなり、オムニムーバーは海外では近年でもファインディング・ニモのアトラクションやリトル・マーメイドのアトラクションなどでも採用されました。まさに「良いものは時代を越える」というわけですね。

さて今日はここまで、今日はオムニムーバーの動力の仕組みについては話しませんでしたが、この話だけでまた1つ記事が書けるくらい面白い話になっておりますのでまたどこかで話せたらと思います。ではでは。

〜note限定おまけ〜

"File:The Seas with Nemo & Friends - omnimover.jpg" by Freddo is licensed under CC BY-SA 4.0.

上の写真は本文中で話したオムニムーバーを使用したファインディング・ニモのアトラクション「シー・ウィズ・ニモ&フレンズ」の乗り場。オムニムーバーといえば横から乗るイメージですが、このアトラクションはスペースの都合上乗り物の前がドアのよう開いて乗るという形になっています。世界のディズニーパークのオムニムーバーの中でも前から乗るのはここだけなので珍しいという話でした。

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