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日向翔陽は怪我をしない

『ハイキュー』が完結した

バレーボール漫画『ハイキュー』が、2020/11/04発売の45巻をもって完結しました。この数年間、常に最も新刊を待ち望んだ(失礼な話、ワンピースよりも、進撃の巨人よりも)モノであるのはカクジツ。古舘春一先生、長きに渡りありがとうございます……!

スポ根2.0

取り巻くキャラクターが魅力的で、伏線の設置と回収が巧みで、絵の見せ方が抜群に良い。スポーツ漫画として新しい時代のハイクオリティを打ち出した感があります。

最初はジャンプ力だけを武器とする主人公・日向翔陽が、試合と練習を経て新たな武器を次々と装備していく物語。RPGの快感を抽出して漫画にしたら、こうなるのでは?という感触(作者もゲーム好きっぽいし…!)

その新しいワザの習得の一部始終が、単に「猛練習」ではなく、その技術はなぜ強く、どういう方法によって成り立ち、誰を参考にすべきかが描かれています。

練習という伏線と、試合という回収

この、技を習得する過程が『ハイキュー』ではちょっと省略して書かれるんですよね。では、その省略した部分がどのように描かれるか、というと、試合中に回想として、短く描かれるんですよ。

この回想の差し込み方が過不足なく巧みで(ときにはセリフ一つだったりする)、それが感動を呼ぶんですよ。

日向翔陽は怪我をしない

物語の中で心が動かされる、ワクワクするシーンが「上り坂」であるとしたら、

主人公を窮地に追い込んで(下り坂)、それを乗り越える上り坂で感動を与える、というのが、(少し前までの)多くの物語の定番でした。

スポーツ漫画だとそれは、主人公の怪我という形で訪れることがあるんですが、『ハイキュー』は(基本的に)それをしません。

『ハイキュー』では、物語が下るシーンがほとんどありません。多少あるとしても非常に短く、その問題は短期間で解消します。

読者をネガティブな感情に持っていかず、ひたすら上り坂を続けてワクワクさせてくれる。それが『ハイキュー』の素晴らしいところです。

45巻と長いけど、読むべき

僕なりにハイキューの好きなところを言語化しましたが、何が言いたいかというと『ハイキュー』おすすめ、ってことです。

好きな漫画TOP10と言われたら確実に、TOP3と言われてももしかしたらランクインするほど、最高な漫画です。45巻と少し長めではあるけれど、ぜひ読んでみてください。

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