見出し画像

サドルに座ることは好きですか?

スポーツサイクリング、つまり自転車でスポーツをしている際、あなたは安心してサドルに座れていますか?スポーツサイクリングはサドルに安心して座ることから始まる、といって過言ではありません。バイクフィッティングのサービスをしていると、色々な遊びのスタイルをお持ちのライダーがいらっしゃるわけですが、それぞれに異なった悩みを抱えられています。そのライダーの方々と一緒にポジションを作っていくのですが、身体的な特徴や個々の考え方、スポーツの経験値などそれぞれのライダーが持つ特徴は違うので、同じケースは存在しないのです。

一方で、極端な比較の話をすると、ブルペという200〜600kmを走り切るアドベンチャーを楽々とこなしてしまう方々と、30分も走るとお尻が痛くなる方々は、実はどちらの同じサドルに座ってサイクリングを楽しまれているということになります。では、なぜ両者の違いが出るのか?を、今回の記事でご説明していきたいと思います。

今回わかりやすくするために、私がフィッティングの時に説明している3つの定番としてまとめてみました。サドル選びの参考にしてください。大切なことは、

今使っているサドルは、あなたの体力、技術、遊び方に合っているか、ということです。

では、具体的に説明していきましょう。

サドルを選ぶ際のプロセスとポイント


坐骨の幅を測定するのですが、圧力センサーの測定器に座り、坐骨結節の頂点距離を物理的に測定します。
サドル幅のラインナップは、130、143、155、168mmまで4製品のラインナップがあり、坐骨の幅に合わせてサドルの幅を選ぶことになります。
またサドルの座面形状のラインナップは、2種類。全長も2種類とで、計4種類に分けられます。具体的なサドルの座面形状のラインナップは、

①坐骨面は正面から見て水平形状をしていて、左右の骨盤のブレのサポートを行ってくれるモデル。
②坐骨面が正面から見て楕円形状になっていて、骨盤を左右方向に動かしやすいモデル。
③サドル全長が先端〜後端部では、クラシカルな270ミリ、ショートサドルの240ミリがあります。

といったモデル展開があり、その中から適切なものを選ぶことになります。坐骨の幅にマッチしたサドルの幅を選び、ライドの際の姿勢を起こし気味にしたいライダーはサドルの幅広めに、姿勢を伏せ気味にしたいライダーはサドルの幅狭めを選択します。

サドルに座るときのセオリー


実際に座る際には、サドルの後ろ側で座るようにし、坐骨の尾骶骨周辺を後端部分に押し付けるようにしてください。サドルの前方に座るライダーをよく見かけますが、前方に座るのはTTバイクのようにアグレッシブに漕ぐ場合のアクションだということをまずは理解していただいた方がいいと思います。レースを目標にしていないのであれば、ロングライドの時などは前方に座ることは実は使い道が少ない乗り方なのです!それでも前に座りたいという方は、身体の柔軟性と低く姿勢を維持できる筋肉量が整っていることが条件だということを頭に入れておいてください。前乗りは筋肉のトルクをペダルに乗せられ、比較的簡単に力を出すことができますが、膝の位置が前に移動しやすいため、骨格に負担がかかるリクスがあります。
経験値が少ないライダーの方々向けのサドルは存在しませんが、同じようにプロ用のサドルというのも存在しません。骨格はアマチュアでもプロでも同じだからなのです。

サドルの座り方で大切にしていること


P=rpm*トルク(姿勢・角度)とイメージしてもらいます。姿勢を起こしたいライダーは90rpm程度で漕ぎ、骨盤の角度は起き上がった状態になります。姿勢を伏せたいライダーは80rpm程度で漕ぎ、骨盤の角度が伏せやすい状態になります。ケイデンスを活用すると、シフトチェンジを活用することで上半身の姿勢の制御ができるようになります。最終的には一つのポジションで10分程度同じ姿勢が取れれば合格です。

サドル選びで迷っているライダーには、

「ご自身がどのようにライドをしたいのか定まっていない事が原因です」

とお伝えしています。これは、フィッティングサービスを多くこなしてきた中で得てきた知見です。自転車の遊び方は様々で何を行っても良いと思います。しかし、フィッティング では必ず「ゴール」を決めてからスタートします。ライダーは「乗る」ということを前提にするため、座ることが簡単で、かつ、何度も同じように座れることが大切です。さらに付け加えると、トレーニングを十分に行いたいのであれば、座ることに躊躇していては始まりません。

今回は、少しライダーのみなさんにとっては耳の痛い話になってしまったかも知れませんが、これが現実で、ライダーの方々が、どのように自転車を楽しむのか?どのように考えて漕ぐのか?といった、ライダーの方々の考えにマッチするフィッティングができてこそ、乗れば乗るほどに身体にバイクがフィットし、自分ポジションを作り上げていく第一歩だと考えています。

年齢や走り方のスタイルの変化に合わせてバイクの変化をもポジティブに受け入れられると、自転車が大好きに変わるものと信じています。

スクリーンショット 2021-12-16 23.59.28

自転車のフィッティングにご興味のある方は、こちらへ!

三ツ星フィットバナー


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?