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足跡

猫ちゃんへ

旅は順調でしょうか。
いろんなものを見たり、聞いたりしていることと思います。
どうぞあなたの旅が善いものでありますように。

家の中にはまだ、あなたが残していったいろんな跡があります。
クッションについた毛、ビリビリに破いたふすま、
あなたが寝ぼけて深く噛んだ怪我の跡も、わたしの腕に残っています。
(あのときのあなたの慌てようといったら!)

跡といえば、あなたはしょっちゅうわたしの周りをウロウロしていたので、
ふたり分の足跡がつくことがよくありました。
ベランダの掃除をしているとき、あなたは室外機の上に避難して、
わたしの掃除を見守っていました。

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仕上げに水を流すのを合図にあなたは降りてきて、
溝に溜まった水で少し遊んでからわたしと部屋に戻るのが常でした。
だからこんな足跡の写真がたくさん残っています。

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あなたと過ごした黄金の日々を、今でも鮮明に思い出します。
いつもわたしの側にいて心配性だったあなた。
落ち込んでいるとすぐ寄ってきて、
膝の上からわたしの顔を覗き込んでいました。
わたしは多分大丈夫だから、どうか安心して旅を楽しんでください。

あなたの永遠の友、ミツビシより

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