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六月の紫陽花

猫ちゃんへ

ご無沙汰しています。お元気ですか?
わたしの予想だと、あなたは今頃二つ隣の銀河あたりで星をつついて遊んでいます。予想が当たっていても外れていても、きっと元気にやっていることと思います。今日もかわいいおでこをグリグリしていますか。

早いもので、あなたが旅に出てから二ヶ月が経ちました。わたしも泣くことがずいぶん減って、毎朝あなたのために祈る言葉もバリエーションが増えてきました。
それから、すっかり消え失せていた俗世への興味がだんだんと戻ってきて、自分の身なりを整えたり服を買ったりしていました。たった二ヶ月のことなのに、百年ぶりな気がします。

あなたがいない生活は、ずいぶん寂しくて緩慢で、1日がとても長いのです。
以前、心に猫の形の大穴が空いて、でもいつか草が生え水が溜まり森ができ、穴は豊かで大きな湖になると書きました。でも、そんな日はやってこないんじゃないかと思うほど長い二ヶ月でした。

わたしはずっと、あなたがいないと生きていけないと本気で思っていました。でもあなたがいない今もこの体は正常に機能しているし、どこかが欠けたということもありません。本当に不思議な気持ちです。
あなたの不在に少しずつ慣れてから、一日がゆっくり進み始め、だんだんと動き出した気がします。でもあなたが頭突きで起こしてくれない朝は本当に寂しくて、まだ目を覚ました後あなたを探してしまいます。この癖は当分抜けそうにありません。

何をやるにしても不完全になってしまうわたしですが、朝起きてシーバをお供えし、お線香をあげてあなたの一日の幸運を祈る儀式はまだ続いています。涼やかな鐘の音が聞こえるでしょうか。聞こえていて欲しいな、と思いながら毎日鳴らせています。
今日は月命日なので、お花屋さんで花束を作ってもらいました。まんまるな紫陽花が、そこから見えるでしょうか。しばらく元気に咲いていますので、気が向いた時につついてみてください。

どうぞ明日も、ハッピーでごきげんな、心躍る冒険と甘くとろけるようなごほうびが待っている一日でありますように。

最高の猫ちゃんへ、あなたの隣のミツビシより

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