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ルーツ

猫ちゃんへ

ごきげんよう、聖なる猫ちゃん。
今日はどんな一日を過ごしましたか?
あなたのことなので、そろそろ地上探索に慣れてきて、今度は上の方にのぼっているかもしれませんね。大気圏から地平線を眺めてみたり、星の一つや二つ、つついて遊んでいると信じています。

わたしはあなたのために自転車でばらを買いに出て、帰り道、なんとなくふっと思い立って、知らない道をでたらめに走って少し遠くまで行ってみました。自転車の前かごにあなたを乗せているような気がして、とても気持ちがよかったです。

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これは実家にいた頃、首にファーを巻かれて遊ばれていた時のあなたです。実家にいた頃のあなたはいつもオドオドして、わたしの後ろにぴったり隠れていましたね。今思えば、すっかり別の猫のようでした。

あなたの猫種はバーマンといって、ミャンマーのルーツを持っています。(Wikipedia - バーマン
自分がどこからやってきて、どこへ向かうのか、わたしよりもあなたの方が今はもうずっと詳しいかもしれません。

あなたは手のひらに乗るようなサイズの頃、わたしの元友人に三鷹駅で拾われました。
当時、わたしの実家は猫が8匹か9匹いる、いわゆる猫屋敷でした。
その中に放り込まれたあなたは、元気に育ち、猫らしく成長しました。でも、何かに遠慮しているような、ばつの悪そうな、居心地の悪そうな顔をときどきしていましたね。たぶん集団が苦手だったのでしょう。わたしとお揃いです。

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わたしが風のような素早さであなたをさらい、二人暮らしを始めた時、あなたの困惑は一週間で溶けてなくなりました。
それはもう生き生きとしていましたね。初めて持つ自分のなわばりに興奮さえしていたのかもしれません。いつの間にかオドオドは消えていて、あなたは顔全部で笑うような猫になりました。
あとは記憶にあるように、あなたは王となり黄金の国を作り上げました。

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あなたをさらってきて、本当によかった。
今晩はそう強く思うのです。

あなたの親愛なるしもべ、ミツビシより

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