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ダブル

猫ちゃんへ

こんばんは、静かな夜ですね。

あなたがシーバを食べたあと、あたかも「わたしまだ食べてません」という顔でユニコーンにおかわりを要求する仕草がありましたね。
今朝発覚したのですが、ユニコーンも朝のシーバお供えをしていたらしく、ずいぶん長いこと想定の二倍お供えしていたことになります。全然気がつかなかったです。明日からきちんと通常の量に戻りますので、ご承知おきくださいね。

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あなたがわたしのベッドを支配しなくなってからずいぶんになります。
ですが、朝起きるとわたしは今まで通り、三分の一ぐらいの面積で小さくなって目覚めます。あなたをつぶさないように上半身だけを持ち上げて起きて、あなたの不在を思い出しています。
これは長年の習慣なのでまだ取れそうにありません。毎朝のルーチンになりそうなので、寂しさとセットであなたの気持ち良さそうな寝顔を思い出すことにします。

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あなたは寝てるとき、物音や気配がすると結構な頻度で片目だけ開けてこちらの様子を伺っていましたね。
隣にお邪魔して一緒に眠ると、あなたは満足そうにすうっと目を閉じて再び眠りに入ります。
片目の様子伺いを放っておくと、そのうち両眼が開き、だんだん不満そうな顔になっていました。そんなときはシーバを二粒、口に放り込んであげるのがわたしたちの約束でした。

今日も明日も、あなたはわたしのそばにいません。
離れ離れは想像以上にずっと苦しくて、だからわたしは今日も、想像の中ではつらつと動き回るあなたの口にシーバを放り込んでいます。一センチほどの粒が流線型の軌道で空をとび、着地点にたどり着く前にあなたは想像よりも高くジャンプして、シーバをパクッと食べてしまうのです。
今日も良いジャンプをありがとうございました、どうぞまだしばらく、わたしの遊びに付き合ってくださいね。

あなたの良きかいぬし、ミツビシより

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