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最後の傷

猫ちゃんへ

ごきげんよう、今日もかわいい手袋はピカピカですか?
ひだまりの中、片手ずつ丁寧にアグアグと手入れしていたこと、さっきのことのように覚えています。

あなたが爪をなかなか切らせてくれないので、わたしの手はいつも小さなひっかき傷だらけでした。今はもうすっかりきれいに治ってしまい、最後の一つがうっすらと皮膚のひきつれになっています。
一つぐらい残ってくれてもよかったのになぁと残念に思います。

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ちゅーるのおかわりが欲しい時、わたしの手をひっぱって催促してきたこと。おひざの上に乗りたいからと、腕に爪をかけてチョイチョイしてきたこと。肌と肌を合わせるように、わたしの手の甲に肉球を触れさせてきたこと。あなたのかわいい手袋にはたくさんの思い出が詰まっています。
どうぞ大切にしてくださいね。

noteを書くのがいつも夜なので、あなたが今何をしているかばかり聞いてしまいますが、昼の海はもう見ましたか?今は人が少なくて、とてもきれいな光景だと聞いています。
最初は波の音の大きさにびっくりするかもしれませんが、きっと寄せては返す波が気にいると思います。あなたの目の色によく似た海もあるんですよ。どうかこの世をたくさん、めいっぱい楽しんで行ってくださいね。

最後の傷をなでながら、ミツビシより

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