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【短歌日記とエッセイ】黄泉からのナナフシ

ナナフシには毒がある。とずっと思っていた。幼い頃に家の玄関などにナナフシがいると、きまって母に「毒があるから触っちゃだめ!」と言われた。ある時調べてみると、それは迷信だとわかった。しかも田舎でよく聞く迷信だと。えーそんなーと笑ってしまった。あの細い体をつまみ上げてみたいと思いつつ、子供のころは我慢していたのに。


毒がないのであれば、なぜ「触ってはいけない」と広まったのだろうか。調べたら由来があったが、ここは私の想像を書いてみる。触ると異世界への扉が開いて引きずり込まれてしまうとか。あの枝のような体がまっすぐに裂けて、きっと青白い光が出てくるのだ。 

母に「ナナフシに毒はないらしいよ」と教えてあげると、「私そんなこと言ったっけ?」と返ってきた。

黄泉からの手紙の文字が抜け出したようなナナフシ殺さずに見る


東直子先生の「短歌日記とエッセイ」の講座提出(東先生の講評を受けて、一部変更しました!)

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